《朝起きたらの子になってた。》花凜の過去 2

図書委員の付の仕事は當番制で、私が當番の日は火曜日の晝休み、木曜日の放課後だ。そして、樹先輩と一緒に當番をするのは木曜日の放課後であった。

しかし、利用者は存在しても借りていく人がないので、暇である。趣味が読書になるくらいには……。本にはあまり興味はなかったが、興味本位で読んでみると意外と面白い。特に面白いのが、ライトノベルだ。本の表紙が過激なものがあったりするので、読書カバーは欠かせない。

流石に、付の仕事が暇だからと言って、スマホを出して電子書籍で見てはいけないだろう。ましてや、持ち込みもいけないのに遊ぶのは論外である。

そう、木曜日の放課後である今、論外なことをしているのは私の隣の椅子に座って、同じ付の仕事をしている? 男子ーー上代 樹先輩である。

「あ、あの、上代先輩。スマホで遊ぶのはいけないかと思います……」

「別にいいじゃん。それより、上代先輩だとお姉ちゃんと被る。違う言い方にしてくれ」

「なにが良いですか?」

「お兄たま」

「え?」

「お兄たまだ。お兄ちゃんは普段呼ばれてる。だから、お兄たまだ!」

「は、はい」

(凄いこだわりをじます……)

「お兄ちゃんってことは妹がいるんですか?」

「いるぞ、今は小學2年生でな、かわいいぞ。特に休みの日になると『お兄ちゃん一緒に遊ぼう!』って寄って來るんだ。暴言も吐かないからお兄ちゃんとしてこれほど良い妹はいない」

「分かります。私にも妹がいて優しく接してくれます。それに何度助けられたことか……」

それから、上代先輩との妹語りは30分にも及んだ。

「あははは……お兄たまは本當に妹が好きなんですね」

「ちょっと、待て」

「はい?」

「やっぱりお兄たまは無しだ。お前に言われても嬉しくない」

「それ、私の目の前で言いますか……」

「そういえば、お前の名前何て言うんだ?」

「知らないで會話していたんですね……天院 花凜と言います。結構、有名だと思いますけど」

「いや、知らん。興味あるのはラノベとゲームだけだ」

(知らないんだ。それにしてもラノベ……ライトノベル)

「上代先輩は、ライトノベル見るんですか?」

「見るぞ。軽蔑するか?」

「とんでもない! あの様な本があるなんて、最近まで知りませんでした。特に良いのが『俺の妹がこんなに可いわけがないんだ』です。純な妹も良いですけど、ツンデレ?でしたっけ。あの様な子も良いと思うんです!」

「そ、そうか。花凜にもそんな一面があったんだな……って何だよ」

(今、私のこと花凜って……。お父さんと擔任の先生以外の男の人から初めて名前で言われた……)

そう思った途端に、急激に恥ずかしくなってきた。

「な、名前言われたの初めてで……」

「そ、そうか……」

沈黙。

それから、數分して私は話しかける。

「あの上代先輩」

「なんだ?」

「私もい、樹先輩って呼びますね」

「お、おう」

何故か悔しい気持ちが出てきて、対抗する様にその様なアイデアが思い浮かんだ。

この時に、私は樹先輩のことを気にし始めたのだろう。そして、私が樹先輩にに落ちるきっかけになったのは、以外にも數日後の出來事であった。

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