《朝起きたらの子になってた。》告られたところ。

「回想どうもありがとう」

「いえ、樹……沙雪さんの為ですから」

そう言って、し頬を染める地味っ子の花凜。

(まさか、あの地味っ子が俺のことを好きだったとは……)

それにしても、今の地味っ子の姿は変わり過ぎである。いや、目をほぐす時に眼鏡を外した姿の地味っ子は、髪はぼさぼさにしていた様だが、かなり可かった。その可さが時間が経つと共に、しさに変貌したのか? 分からない。

「沙雪さん?」

しかし、一つ言えることがある。こんな人な人に微笑みながら見られていたら、何だか恥ずかしくなる。それに、その人が好意を持って接してくれば尚更だ。

「例え男の子でもの子であっても、私が沙雪さんを好きだと思う気持ちは変わりません。一緒に過ごしてきた日々は、他の誰でもない先輩なんですから」

「ッ!?」

「返事はいつでも良いですからね。では、後ほど」

そう言って、地味っ子はトイレから出て行った。一方の俺は、個室に戻ってしまった。

(どうするんだってばよ……)

確かに高校生だった時、地味っ子との會話を楽しみにしていた日もあった。そして、見た目からは想像もつかないがラノベ好きである。特に好きだったのが妹モノ、系、學園モノなどだった。というか、ほとんど面白ければ見ていた。

さっきの臺詞もくさすぎるが、俺の心に響いてきた。それにこの展開は、ヒロインが主人公を好きになり、何かが原因で別れ離れになるが、その主人公の為に可くなって戻ってきたというシチュエーションである。そう思うと……。

(やばい、すごく萌える……)

しかし、自分で言うのもあれだが、かっこよくもないしブサイク……でもないと信じたい、男の時の俺を好きになってくれていたのが信じられない。

ただ、地味っ子とは図書委員の仕事の時に喋っていただけなんだがな……。

*****

【花凜視點】

樹先輩に告白してしまった。

今は、上代 沙雪という名前だが、私の中では樹先輩で統一しておこう。

樹先輩は私の告白を聞いて、ゲームのバグの様にフリーズしてしまった。そんな樹先輩が可くて、ついつい様子を伺いつつ、名前を呼んで微笑んでしまう。

(やっぱり、樹先輩の前だと昔のことを思い出して、口調が戻っちゃうな……)

でも、そんな些細なことでも嬉しいと思った。本當に、今目の前にいる人が私の好きな人……初の人なのだと確信できるのだから。

長かった……。

沙耶先輩の件が起きてから、樹先輩の雰囲気が僅かに暗くなってしまった。

だから、決意した。

樹先輩を明るく出來る様な自分に変わろうと。

そう決意した日から、私は伊達眼鏡を外し、ぼさぼさにしていた髪を整えて學校に登校する様になった。そうする様になってからは、喋りかけてくる人も自然と増えたり、時々告白されたりもした。

しかしそれは、外見が良くなったからだ。樹先輩の様に面を見てくれてはいない。そう思う度に、樹先輩を思う気持ちが大きくなっていった。だが、立て続けにある問題が起こった。

後期の委員會役割決めだ。

前期と一緒で図書委員になれたは良いものの、私の隣の席には樹先輩はいなかった。

悲しかった……。

段々と疎遠になっていくのをじると、とても辛かった。だが、私はそれをチャンスだと思い込んで、自分を磨く時間に費やした。また逢う日までに樹先輩の隣で支えられる様にと。

そして、ここ現在までやってきた。

姿は変わってしまっていたことに々驚いたものの、私にとってそれは些細な問題だ。大事なのは、外見ではなく面なのだから。

だから、私はこの臺詞を言った。

「例え男の子でもの子であっても、私が沙雪さんを好きだと思う気持ちは変わりません。一緒に過ごしてきた日々は、他の誰でもない先輩なんですから」

しかし、言った瞬間私もこの臺詞はくさすぎると思い、恥ずかしくなった。そして、逃げる様にトイレから出る。

(どうして、あんなこと言ったんだろ……。まるで、ラノベのメインヒロインが主人公に思いを伝える時に言うくさい臺詞では? た、確かに樹先輩のメインヒロインにはなりたいけど……。あぁぁぁ靜まって〜〜私の心臓!)

それからしばらく経ってから、平靜を保つことに功した私は平然と食事の席に戻るのだった。

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