《朝起きたらの子になってた。》涙の

休み時間も終わりに差し掛かり、4時間目の授業が始まろうとしていた。そこで思い出したことがある。朝の怠いとじていた気分が噓の様に消えていた。それどころか気分が良い。

(さて、4時間目は何の授業だったかね)

と思い始めた直後、チャイムが鳴ると同時に教室にってくる教師が一人。その教師は持ってきた教材を教卓の上に置くと、授業の始まりを告げる。

「では、授業を始め……」

(視線?)

1年3組の國語の授業をけ持つ教師、飯田いいだ 真理子まりこ。教師になりたて24歳。自稱、高校生と間違えられてもおかしくない容姿の持ち主……の筈だ。しかし、生徒達からは自稱などではなく、本當に人な教師だと思われている事を本人は知らない。その為、彼が授業を擔當すると居眠りする人が誰一人としていない。男子は人な大人のに気にられたい為、子は可い教師と仲良しになりたいという思いからだ。

そんな真理子は視線をじて、その方向に視線を移す。すると、このクラスの中で上位の存在であると確信している人が熱的な目でこちらを見てきていた。

(な、何? 沙雪さんが私を……は! まさか、って、生徒に対して何を思おうとしたのよ、私! しっしりしなくちゃ)

気を引き締めて、真理子は授業の開始を告げるのだった。

*****

20分後〜

授業は進み中盤に差し掛かっていた。そこで教科書に載っている文章を音読してもらおうと誰かを名指しする為に今日の日付を確認する。

「……では、この文章を読んで頂きましょう。今日は18日だから……18番の上代 沙雪さん。お願いします」

「……」

「……」

「……え?」

教科書を見ながらであった為、反応が返ってこない事に気付くのにし時間が掛かってしまった。

「上代さん?」

「……すぅ〜くぅ〜」

沙雪は寢ていた。完全に寢ていた。

誰一人として居眠りをしているところを見てこなかった真理子にとって、それは新鮮であった。

(ど、どうしたらいいの? 他の先生は寢ている生徒がいたら起こしてるのかな? それとも無視? でも、寢ている生徒がいると、生徒の誰かが両親にチクったとなれば……)

クレームの電話が來る→學校が原因を突き止める→原因は私だと気付く→校長「謹慎処分」

そんなサイクルだと(勝手に)思い込んで気付いてしまった真理子はダメだと確信して、寢ている沙雪に近づいていく。

「上代さん、起きて下さい」

「先生、それだと私も怒られてると思うから止めてしいです」

「す、すみません。上代……いいえ、紗香さん」

「はい」

改めて、真理子は沙雪を起こしにかかる。

「さゆ……」

(待って下さい。これで私が沙雪さんを起こして、もし沙雪さんに嫌われてしまったら……)

沙雪はこのクラスの癒し系でありムードメーカー(本人自覚なし)だ。そんな子を注意して嫌われてしまったら、沙雪を好いている生徒達を敵に回してしまう。

(ど、どうしましょう。どっちに転んでも嫌な運命しか待っていません。しかし、母は言っていました。『は攻めなきゃ駄目」だと、『は度』だと教わりました。なら、私はここで諦めるわけにはいきません!)

「沙雪さん! 起きて下さい」

「ぐぅ〜すぅ〜……」

「偶數ではありません。今は國語の授業です! だから、國語の授業を起きてけて下さ……」

思わず、沙雪を揺すろうとしたが、手が沙雪にれる前に考え込んでしまった。

(待って下さい。もし、沙雪さんを揺らして罰などと言われたら……)

沙雪を揺する(罰だと思い込む)→生徒の誰かが両親にチクる→どこかから報がれる→ジャーナリストやらが話を大きくする→大事になって収拾がつかなくなる→校長「賠償金」

そんな事態になる運命が易々と想像できる。しかし、想像してしまったが為に耐えられなかった。

「なんでも良いですから……起きて下さいよ〜 グスッうぅぅ」

「「「「えぇ……」」」」

周りから、今のやりとりを見ていた生徒達はどうして泣いてしまったのか見當も付かなかった。しかし、晝休みの時間帯にある一人の生徒が呟いた。

『沙雪ちゃんって涙の神なんじゃない?』と。

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