《朝起きたらの子になってた。》一線を超えてしまったところ。

莉奈さんに顔を背けられながらも、浴室にる。所から出て行く莉奈さんをドア越しから確認すると、俺はシャワーを浴びながら自問自答を始めた。

「俺は男……このはいつか戻るもの……問題なし!」

自問自答終わり。

俺が自問自答をするのは至って簡単な理由だ。

最近、自分が男なのかなのか分からなくなってしまうことがあるからだ。ネトゲをしている時は、もろ男の神でプレイしている。可いアバターを見て「えへへ」と笑うのだ。しかし、の服を著る時、やけに分からないが出てくる。

『もっと可くなりたい』

『最近ちょっと太ったかな?』

『この服似合ってるのかな?』と男の時には思いもしなかった考えが出てくる。変わらないと思っていたものが変わる。それが怖かったりする。

「なぁ、戻りたいのか? 変わりたいのか? どっちなんだ?」

鏡越しに移るに聞いても答えは返ってこない。

「はぁ……」

俺が溜息を吐くと、鏡越しにいるも溜息を吐く。真似しないでほしいな……。

最初は、姉貴の勝手によりの子にされて理不盡だと思っていた。でも、今になって思う。だらけきっていた俺のことを神やら何やらが更生させようとした結果、の子にさせるのが一種の方法だったのではないかと。だが、それだけじゃ足りない。

若い頃に戻す必要がある。だから、俺は男の時の年齢の22歳のではなく、小學生ほどのの子にされた。青春な日々を送らせることで更生させようと。

その考えが正しいのなら、この型にも納得がいく。

「……って、考えても意味ないか」

思考の渦から帰って來ると、丁度良いタイミングで所のドアが開いたのがわかった。

「沙雪ちゃん、著替え置いておくよ。汗で濡れた服は洗っておくから」

「え? そうしたら、家に帰れないかと……」

「大丈夫、私のお下がりあるから」

「えっと、それは下著も?」

莉奈さんが著けていた下著を俺が著ける。なんか目覚めそうになったのでその考えは捨てた。

「流石に不味いから新品のだよ。それとも、私が著けてた下著……著けたい?」

「新品のでお願いします」

「沙雪ちゃんって本當、弄りがいある」

「それ本人の目の前で言うセリフか?」

「ふふ、じゃあ、上がったら所出てすぐ近くにある階段登って、そこから一番近い部屋が私の部屋だから來てね」

「分かった」

莉奈さんは著替えを持って來ただけのようで、すぐに所から出て行った。

「まぁ、考えるのはいつでもできるか……」

心をれ替えて浴室から出ると、置いてあったバスタオルでを拭いていく。髪を乾かそうと思ったが、所にドライヤーは無いようなので、軽くタオルで拭いた後、タオルを頭に乗せた。

下著は未開封の小袋にっていたので、莉奈さんの著ていたものではない。

「って、何期待してんだ……」

ご丁寧にナプキンも用意してくれていた。

「……」

無心でナプキンを付けると、著替えを探す。しかし、どこにも見當たらない。所にあるのは自分のカバンと洗濯機などの家庭用品、そしてヒラヒラとした下著のようなもの。

「……」

できれば不正解であってほしいと下著のようなものを広げてみると、生地が薄いあれであった。

(確か、ネグリジェだったか)

しかし、なぜこんなものがここに置いてあるのだろうか? なくとも莉奈さんのではない。莉奈さんには小さいと思うから。なら、誰のだ? まさか、あの莉奈さんの弟らしきなのか? 裝趣味が小さい頃からあるのか……。まぁ、人には言えない趣味もあるものだ。仕方ない。

俺がその下著のようなものーーネグリジェを元にあった場所に置くと同時に、所のドアが開いて莉奈さんがってきた。幸い、俺はバスタオルを巻いているのでではない。しかし、食いるように見るのはやめてほしいな。

「莉奈さん、著替えはどこにあるんだ?」

「そこにあるネグリジェだよ」

ネグリジェだよ、ネグリジェだよ? ネグリジェダヨ。ネグリジェナノネ? ネグリジェなのか……。

「他のはないのか?」

「あるけど探すのが面倒なんだよね……。探し出すまでその狀態でいるなら探しても良いけど!」

「著させて頂きます……」

凄く、危険なじがしたので仕方なく、著ることを了承した。あくまでも、仕方なくだ。心の中では著たかったなんて思うわけない。うん、絶対だ。

こうして、俺はになるという一線を超えてしまったのだった。

    人が読んでいる<朝起きたら女の子になってた。>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください