《朝起きたらの子になってた。》え……?

仕方なく……相當仕方なく、ネグリジェを著ると意外にもぴったりで丁度良いサイズであった。所から出て二階に行く途中に鏡があるのだが、そこで自分の姿を見るとネグリジェにを包む俺の姿が映っていた。

「可いのかな……」

(って、何言ってんだ!)

無意識にいてしまった口を抑えて、鏡を通りすがろうとしたが、俺の前を歩いていた莉奈さんが笑顔で振り返ってバックしてきた。そのまま、俺の後ろを取ると肩に手を置いて鏡の前に戻された。

「似合ってるよ、沙雪ちゃん」

「っ!?」

「沙雪ちゃんってあまりオシャレしてないよね。勿ないよ? こんなに素材がいいんだから」

ぷにぷにと頬を摘まれるが、振り解く。

「そ、そんなのは必要ない」

「必要とか不必要とかの問題じゃないの。これは、可い子に生まれて來てしまった定めなの」

「……」

そう言って、莉奈さんは俺を押しながら移する。階段を登り、すぐ近くの部屋にれられた。その部屋は冷房が効いていて涼しい。

(ここが莉奈さんの部屋か)

まず最初にじたのがペンギンが大量にいる。ペンギンのぬいぐるみ、ペンギンの柄が付いたベッドに、ペンギンの著ぐるみが整理されて置かれている。

「……どっかで見たような」

しかし、思い出せない。思い出そうとすると、脳が否定するようなじがする。しかしそれは一瞬で、あるが俺の心を高ぶらせた。

「おぉぉぉぉ、このPCはなんだ! ノートじゃなくてデスクトップ! Core i7-8700Kにメモリが11GでグラボがGTX1080Ti!? 凄いゲーミングPCではないか! 會いたかったよ、高能PCよ〜 なでなで〜」

自分でも驚くような可い聲が出てきた。しかし、今の俺にとってそれは些細な問題なのである。そこに高能PCがあるのだから。

「えへへ〜」

「さ、沙雪ちゃん?」

「はっ!?」

ここは莉奈さんの部屋で莉奈さんがいるということが頭から完全に抜け落ちていた。これは失念だ。

「あ、あの……」

「うんうん、今のとっても可かったよ」

「言うなぁ」

莉奈さんはにっこりしながら犬をでるように俺の頭をでてきた。しかし、今度は振り解かない。是非ともこのPCを作したいからだ。

「でも、沙雪ちゃんパソコンに詳しいんだね」

「そうだぞ! ネトゲは軽さが命なんだ。重くなってプレイできないのはPCのせいではない。PCを新調しない奴がいけないんだ」

「ネットゲームやるんだね」

「あ、いや……」

PCの話からネットゲームの話にずらしてしまった。リアルでネットゲームをしている友達がいないから、対応が分からない。もし、これで莉奈さんとネットゲームをやる羽目になったらどうなるんだ? プラス要素はあると思う。しかし、喧嘩とかしたらもろリアルに影響が出てしまう。マイナス要素の方が大きそうだ。だから、俺は噓をつくことにした。

「その、実況畫見てて……」

「噓だね」

「なんで!」

「沙雪ちゃんが噓つく時は視線を逸らした時」

「うぐっ……」

「別に隠すことないのに。この世の中は可ければ許されるんだから」

「それは噓だ」

「否定するってことは自分が可いって認めてるんだね」

「……」

言葉で莉奈さんに勝てないと悟った俺は黙ることにした。そうすれば、嵌められることも……

「パソコン使いたい?」

「使いたいぞ。あ……」

「ん? どうしたの?」

「……」

逆に何もしてこなかったのでし恥ずかしい思いをした。

「意地悪してごめんね。沙雪ちゃんと二人きりだからつい舞い上がっちゃった」

「莉奈さん……」

「私ね、沙雪ちゃんが羨ましいって思ってる。學校でもちゃんと自分を出してて偽っていないから。それに加えてマスコットキャラの定位置についていたり、転校して間もないのにみんなから好まれていたり、可いし」

「最後の一言は余計だ。でも、そうだな。人生の先輩からアドバイスをくれてやろう。『相手のことを考える前に、自分のことを最優先にすればいい。相手の思いに応える前に自分が參っちゃったら意味ないからな』」

そんな上から目線なことを言うと、莉奈さんは何かを決めたような表をした後、俺に告げた。

「私ね、沙雪ちゃんのことが好きなの。ずっと、妄想してた。沙雪ちゃんを犬みたいにリードで繋いで這い蹲らせて散歩したらどんなに心地良いんだろうって」

え……?

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