《朝起きたらの子になってた。》地味っ子とのデート

私がの子として生きていくと決めた數日後の休日。

家から近い最寄駅にある待ち合わせ広場にて、ある人を待っていた。因みに今日のコーデは水のストライプシャツに白のプリーツスカート。上著はの生地が薄めなロングカーディガン。9月中旬頃はまだ暑いので涼しげな格好である。スカートにはポケットが付いてないので、カーディガンで補っているのもある。我ながら可くできたものだ。

「まだか〜」

人を待っていると、複數の視線をじる。これは私がの子になってから、しはじていたものだ。でも、の子として生きていくと決めた日からは、それがより顕著になった。

こんな偽なんかより、可い人なんてそこら辺にいるのになぁ……

そう思っていた矢先、私を呼ぶ聲が聞こえた。

「ごめんなさい。待ちました?」

聲が聞こえた方に視線を向けると、明らかにレベルが違う、人な方がおられました。って、相手はあの……

「待ったぞ、地味っ子」

麗華の姉でもあり、地味っ子でもあった後輩の花凜なのだから。

**********

「夢みたいです。沙雪さんとこうして遊べるなんて」

微笑んでくる花凜は恐ろしく可い。これが人の特権というものなのだろうか?ちょっと悔しい。でも、この可さは私の為に磨いてきたと知っているから何とも言えない。そして、私と花凜は長差があるので周りからは友人ではなく別の関係に見えるのではないだろうか?まぁ、それよりも……。

「よく、話す相手によって口調が変わるよな」

さっきナンパに話し掛けられたのだが、ゴミを見る様な目で『気持ち悪い。どこかに消えなさい』と言って底冷えする目付きをして追い払ってくれた。本當、あの地味っ子だとは思えない変わり様だ……。

「そんなの當たり前じゃないですか。デートの時間を邪魔されるなんて許せません。それと、沙雪さんが下卑た目で見られるのは堪らないです」

「そうですか……」

さっきまでは私一人で待っていたから話し掛けられなかった。いや、違う。話せなかった。自分で思っちゃうのもあれだが、小學生高學年ほどの型の人を相手にその様な目で話し掛けたらロリコンだし、周囲の人に通報されてブタ箱行きである。あ、なんか悲しくなってきた……。

「それに、私がこの様な口調で沙雪さんと接しているのは、可く見て貰いたいからです」

「あ、うん」

「沙雪さんもの子になって分かったと思いますが、意識してしい人には自分の可いところを見てしいって思いませんか?」

「まぁ、しは思わなくもない。そして、それを本人の目の前で言える地味っ子には服だな」

「そうですか?ありがとうございます」

「いや、褒めてないんだけど……」

今日の地味っ子はグイグイくるな……。まぁ、そんなじで々不安なデートが始まった。

「あの、沙雪さん?て、手を握ってもいいですか?」

「う、うん」

急にしおらしくなった花凜にドキッとしながらも、私は手を花凜に差し出した。

**********

私が花凜に手を差し出すと、絡め取られる様に人繋ぎをされて電車で移する。その間、一度も人繋ぎを解除してくれなかったから、手汗がやばかった。それに加えて長差があるので、周りからは姉妹みたいに見られているのだろうか?

「著きましたよ」

「水族館か……」

前は何年前に行ったかな。結構前だから、覚えてないな。そんな事を考えながらチケットを買うためにチケットカウンターへと赴く。

「いらっしゃいませ。大人1名と子供1名ですね」

「はい」

「違うだろ!」

「元気ですね」

「そうですよね」

「……」

結局、私は子供料金で場してしまった。これも地味っ子が訂正しないからだ。

「疑われても知らないからな」

「え?でも、今の沙雪さん小學……中學生ほどの型ですから、どのみち子供料金ですよね?」

「……」

「それに他の人が知らなくても私は知っています。沙雪さんは私の先輩で初の人なんですから」

「ブフッ! いくらなんでも直球過ぎるだろ」

「事実ですから。それにこの気持ちは隠したくないんです」

「そ、そうですか」

「はい。ラノベみたいにいちゃいちゃしたいです」

すいません。この人地味っ子ですよね? 初登場時とえらくキャラが違うんですけど?こんな頭の中がハートだらけの人、知り合いにいた覚えがないんだけど?それに、人な人がこのような言葉を使っているんですけど大丈夫ですか?

その様な言葉が私の脳で飛びっているのを知らずに、花凜は私の手を両手で取って包み込んでくる。

「沙雪さん、私とお付き合いして下さい」

「デートして初っ端から告白する人なんていると思います?」

「ここにいます。それにデートの初めから告白して承諾が貰えれば、その後は張などしなくて済みます。堂々といちゃいちゃできます」

「その心は?」

「どちらも張します」

「結局、張するのか!」

「當たり前じゃないですか!……私は先輩に救われました。1人だった私に、誰にも話し掛けられたくないと思っていた頃の私に無理に話し掛けてきました。最初の頃は嫌でしたけれど、段々と先輩と話すのを楽しみにしていた私がいました。先輩と図書委員の仕事を楽しみにしていた私がいました」

そこで花凜は一度區切ると、私を見て笑った。

「私は男が大嫌いです。その存在のせいで私は友達と関係を切ることになりました。それは今でも変わりません。でも、先輩は違います。私が唯一、心許せる男でした。ですが、沙耶さんの件が起きてから先輩とは會えませんでした。私はそれが辛かった。でも、何か困っている事があるのなら力になりたいって思っていました。だから、私は先輩の隣に立つことができる、釣り合う人になる為にここまで頑張ってきたんです。それが振られたらどうです?一瞬で崩れ去るんです。何の為に頑張ってきたんだろうって。そんなの怖いです」

私は思った。釣り合うって言葉が間違ってるんじゃないのかと。こんなに私の為に思い盡くしてくれる人がいるのかと。それと同時に、男だった時の私を含めて思ってくれる人がいるのかと。だから私は……。

「分かった。その告白をける。でも、」

「沙雪さん!」

「ちょっ……」

花凜は私の手を引き寄せて腰に手を回して抱きしめてきた。そのせいで花凜のの中に顔が吸い込まれた。それに加えて、花凜の今日のコーデは元を強調しているドレスっぽい服裝なので谷間がダイレクトに私の頬を挾んでくる。それに、花凜のは妹である麗華を軽く凌いでいる。これはらか過ぎる……。

「大好きです。こちらで式の準備等は用意します。沙雪さんに似合う最高に可いウエディングドレスを仕立てるので一緒に幸せになりましょうね」

いウエディングドレスか……。フリルが沢山あしらわれているのかな?花柄でとっても綺麗なドレスなんだろうな〜。ちょっと、いやかなり著てみたいかも……。って、違う!確かに著てみたい気持ちはあるけど、そうじゃない!

私は花凜のお様から出を図る。

「地味っ子、その告白はけると言ったけど、お試しという意味だ。いきなり際って……」

「いきなりじゃないですよ?沙雪さんと再會した時にも言いましたよ?でも、そうですね。まずは沙雪さんには私の事を知ってしいです。だから、今日は楽しいデートにしましょうね」

「そうだね……」

そうして、私は花凜に再度人繋ぎをされてリードされる様に移を開始した。

そういえば私、どうして地味っ子とデートしてるんだっけ?私は事の経緯を思い出してみることにした。

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