《朝起きたらの子になってた。》覚悟してね?
気分が浮かんでは沈んでは……と繰り返しているに段々と眠くなってきた。
帰ってきてからすぐに布団に飛び込んだから著替えてないけど、このまま寢ても良いかな? と思い始めた時、ドアが勢い良く開かれた。
「うわ……」
開口一番に汚いを見る目を向けてきた。
「紗香、そんな目は向けちゃダメだよ」
優し気な聲音で布団から顔を離して言うと、盛大な溜息が返ってきた。
「突然だけど私のことどう思ってる?」
「大切な人だよ」
「うっ……例えば、間柄で言うと?」
「娘……とっても可い娘」
しかし、なぜそんな事を知りたいんだろう? まさか、今日は一緒に寢たいのかな? でも、今日は無理かな……。し時間を置いてからじゃないと。
「あの、紗香?」
提案される前にやんわりと斷りの言葉を言おうとした時、紗香の表が曇った。
「娘な訳ないじゃん……」
「え……?」
「私の母親は上代 紗由理しかいない」
「私は紗香を娘だと思っちゃいけないの?」
「……沙雪はどうして私を娘だと思ってるの」
「大切だから。私を支えてくれたから。大事にしたいと思えたから」
その返答に我慢ならないとばかりに紗香は俯せになっている私の上にり、抱き付いてくる。
「それでも、私は沙雪の娘じゃない……。だって、私が沙雪の側にいたのは隣にいたかったから……。ずっと、ずっと……好きだったから! 私は沙雪の娘じゃなくて、掛け替えのない存在になりたい……」
「っ!?」
気付いた、気付いてしまった。
これは前の私なら分からなかった気持ち。でも、このは今日嫌という程覚えた。それは、私が花凜を思っている気持ちに似ているから。だから、言われてすぐに分かってしまった。
私が紗香に向けていたのはーー
『』
対して、紗香が私に向けているのはーー
『心』だった。
********
《紗香視點》
ようやく言えた。
でも、さっきの反応を見た限り認めたくないが、沙雪はおそらく『悪い蟲』の事を好きになっている。そうでないと、鈍な沙雪には私の気持ちには気付けない。
でも、負けたくない。
兄妹だったからだとか、姉妹だからとか関係ない。私は沙雪に一人のとして見てしい。し本音を言えば男時代の沙雪が私に劣を抱いてそのまま……と言うのが完璧だった。
でも、それもあったと言えばあった。
      
それは沙雪が、いや、お兄ちゃんが酒に逃げていた時に起こった。
神的に參っていた時、私が何も言わずに座っていると、お兄ちゃんは『いつもいつも、そうやって見てきやがって。馬鹿にしてんのか』って、私を組み伏して服をがそうとして……。怖くなった私はぶと、お姉ちゃんが駆けつけて來てお兄ちゃんを撃退した。
つまり、昔の私はお兄ちゃんを好きになりきれていなかった。どんな事でもけれるという気持ちがなかった。だから、今の狀況になってしまった。
だけど、もう逃げない。
他の人に取られるぐらいならプライドを捨てる。今まで伝えられなかった想いを全てぶつける。沙雪お兄ちゃんは渡さない!
そうして、心を一転させると苦しい気持ちはなくなった。抑えられていた気持ちが解放されて逆に気分が良いくらいだ。
だから、沙雪?
覚悟してね?
********
《花凜視點》
一方的に電話を切られると同時にエレベーターは最上階に到著した。
私はエレベーターを降りて自室に向かう中、嫌な汗が頬を伝っていた。
「あれほどの想いを抱いていたんですね……」
兄妹ということもあり、何年も想い続けて我慢して……。結ばれたくても結ばれない。そんな怖い想いを抱きつつも諦めきれなくて。
正直、私は尊敬してしまった。
彼の想いに。
だけど、諦めない。その心の強さは脅威に値するが私の沙雪先輩への想いも確かな重みがある。だから、言わせてみせる。
紗香さんに『義姉おねえちゃん』と。
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