《異世界モンスターブリーダー ~ チートはあるけど、のんびり育しています ~》アメーバスラッグ
「よし。そろそろ日も暮れるし街に戻るとするか」
「流石はご主人さまです! たったの1日でこれほどの素材が集まるものなのですね……」
「ああ。実を言うと俺も今回の結果には驚いている」
そもそも今までゴブリンたちをバラバラで作業させていたのが、間違いだったのかもしれない。
 
今回の結果から鑑みるにゴブリンという種族は、チームでまとまって作業をするときに真価を発揮する種族なのだろう。
「けれども、これだけの素材をどうやって持ち帰りましょうか? 3人で手分けをしても1回では持ち運ぶことができないかもしれません……」
「ああ。それなら大丈夫。心配いらないよ」
俺はカプセルボールを投げると、木の下に山積みになった《薬膳キノコ》は次々に収納されることになる。
「す、凄いです! カプセルボールにそんな使い方が……!?」
「いやいや。それほどでも」
キャロライナは毎回、新鮮なリアクションで心してくれるからテンションが上がるな。
それに引き替えウチの神さまと來たら……。
「ふぎゃぁぁぁ!? 誰か助けてぇぇぇええええええっ!」
噂をすれば何とやら……。
間違いない。
この聲はアフロディーテのものである。
アメーバスラッグ LV7/10 等級F
レベル 7
生命力 78
筋力値 12
魔力値 32
神力 25
スキル
なし
聲のした方に駆けつけると、巨大なナメクジの魔がそこにいた。
「あれが……アメーバスラッグか……!?」
その全長は優に2メートル近くあるだろうか。
シルエットは地球で言うところのナメクジにそっくりなのだが、半明のき通ったをしている。
レベルは7。
ステータスに関してもこれまで俺が出會った魔の中では、最強の數値を有していた。
「ソータ! だ、だずけ……だずけで……」
涙目になりながらも助けを求めるアフロディーテ。
彼のはアメーバスラッグからびた半明の手によって々な部分を弄らていた。
「この魔っ! ヌルヌルしていて凄く気持ち悪いのぉっ……!」
護衛に付けた魔たちは、水中から攻撃を繰り出すアメーバスラッグに対してどうすれば良いのか分からずに右往左往しているようであった。
「待っていろ! 今助ける!」
俺は目の前の巨大ナメジクに向かってカプセルボールを投げつける。
が、次の瞬間。
予想していなかったことが起こった。
「なにィ!?」
アメーバスラッグは、からばした手でカプセルボールを弾いてしまった。
無敵だったカプセルボールの弱點が呈した瞬間である。
これまで出會った魔は、ボールを『弾く』という行を取ることがなかったので気付かなかった。
當たる、と、弾かれる、では判定が違うということか。
どうする?
ライトマッシュの痺れのスキルを使うには、微妙に程から外れているような気がするんだよなぁ。
「ご主人さま。ここは私に任せて下さい」
戸っている俺に対してキャロライナが聲をかける。
「……大丈夫なのか? 敵は池の中にいるみたいだけど」
「問題ありません。私の腳力なら十分に屆く範囲です。必ずやアフロディーテさんを助けてみせますよ」
「おお……。それは心強い!」
たしかにキャロライナの腳力を以てすれば、池の中のアメーバスラッグにも攻撃を與えることができるだろう。
一撃でも攻撃がればアメーバスラッグには隙ができる。
その瞬間こそがカプセルボールを當てる最大の好機!
と、俺が心の中で決意をした次の瞬間――。
その事件は起きた。
「ひゃぁんっ!」
突如としてアフロディーテが桃の悲鳴を上げる。
何事かと思い目をやるとアメーバスラッグの手が、アフロディーテのスカートの中にまでび始めていた。
「おい。急に変な聲を出すなって」
「だ、だってぇ……この魔が変なところをってくるからぁ……」
アフロディーテはモジモジををくねらせて悶えしているようであった。
捕食するのに邪魔だと判斷をしたのだろうか?
アメーバスラッグは用に手をってアフロディーテの服を剝いていく。
「許せねえ。俺の仲間に酷いことをしやがって……!」
グッジョブ!
隨分と粋な計らいをしてくれるじゃないか!
「……ご主人さま?」
まずい。
口では格好いい臺詞を吐きながらも、俺がアフロディーテの姿を凝視していることがバレてしまったんだろう。
キャロライナの眼差しは、骨に不機嫌そうなものであった。
「……チッ」
気のせいかな?
明らかにキャロライナの方から舌打ちの音が聞こえてきたような気がするんですけど……。
それから。
キャロライナはアメーバスラッグとの距離を徐々にめて行き――。
「申し訳ありません。私も捕まってしまいました……」
無抵抗のまま手の餌食になってしまうことになる。
おい。
お前……わざと攻撃に當たらなかったか?
「きゃうん。こ、この手……思っていたよりもヌメヌメしていて……っ」
手攻撃をけたキャロライナは桃の悲鳴を上げる。
アメーバスラッグは以前と同じ要領でキャロライナの服を剝いて下著姿にしてしまう。
どうやらミイラ取りがミイラになってしまったらしい。
「ソータ。は、早くアタシのことを助けなさい……!」
「ご主人さま。どうか私のことをお助け下さいっ……!」
結論から言うと――。
キャロライナを捕まえたことで手によるガードが手薄になっていたのだろう。
強敵アメーバスラッグは、2発目のカプセルボールですんなり捕まえることに功した。
何はともあれ、眼福の景に遭遇することが出來てラッキ―だと思いました。
●使役魔データ
アメーバスラッグ
図鑑NO 708
種族 水族
等級 F
レベル 1
生命力 70
筋力値 5
魔力値 25
神力 15
スキル
なし
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水族の下位種族となるモンスター。
10本を超える手をり獲を捕獲する。
そのはローションの原材料になっている。
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【書籍化】誰にも愛されないので床を磨いていたらそこが聖域化した令嬢の話【コミカライズ】
両親の愛も、侯爵家の娘としての立場も、神から與えられるスキルも、何も與えられなかったステラ。 ただひとつ、婚約者の存在を心の支えにして耐えていたけれど、ある日全てを持っている“準聖女”の妹に婚約者の心まで持っていかれてしまった。 私の存在は、誰も幸せにしない。 そう思って駆け込んだ修道院で掃除の楽しさに目覚め、埃を落とし、壁や床を磨いたりしていたらいつの間にか“浄化”のスキルを身に付けていた。
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