「キャロ。大丈夫か……？」

「ご主人さま……。クロウは……？　クロウは何処にいるのですか……！？」

戦いが終わった後――。

最初に俺はクロウの魔法によってダメージをけたキャロライナの元に駆けつけることにした。

「大丈夫。クロウなら俺が追い払ったから」

「そ、それは真のことですか！？　あ、あのクロウを……ご主人さまが打ち倒したということですか！？」

「ああ。辛い戦いだったけどな。だから安心してボールの中で休んでいてくれよ」

「ご主人さまっ……！」

張の糸が切れたのだろうな。

キャロライナは目に涙を浮かべながらも俺のの中に顔を埋めていた。

ど、どうしよう。

キャロライナの頭の中では、激闘の末に俺がクロウを打ち破るというのクライマックスシーンが思い浮かんでいるんだろうな。

本當は仕掛けで追い払っただけとは、口が裂けても言えない雰囲気である。

「ソータさま。この度はわたくしのために戦って頂き、本當にありがとうございました。ソータさまには何とお禮を申し上げて良いのやら……」

「レミスさん……」

前向きな言葉を口にしているが、レミスさんが悲しんでいることは直ぐに分かった。

「ごめんなさい。俺が駆けつけた時にはもう……」

「いえいえ。ソータさまの責任ではありませんよ。この結果は一重に……わたくしの選択がいけなかったのですわ。

わたくしは愚か者です。キャロライナの忠告を素直にけれていればこんなことには……」

「レミスさんはこれからどうするんですか？」

「……眷屬たちを失ってしまった今とっては人魚城に留まる理由もありません。暫くは世界各地を旅して、新たなる住処を探そうと考えていますわ」

「…………」

このパターンはアレだよな？

どう考えても何時ものやつだよな？

「レミスさん。よければしの間、後ろを向いていてくれませんか？」

「こう……ですの？」

「うん。良いじです！　それー！！」

カプセルボールは突如として眩いばかりに発して、レミスさんのを吸い込んでい行く。

結果。

何時の間にやらレミスさんのは、すっかりと小さなカプセルボールの中にることになった。

「あら。あらあらあら？　ここは何処なのでしょうか？」

流石はレミスさん！

これまで捕まえてきた人たちは『出してくれ！？』とんでいたのだが、レミスさんは落ち著いた様子である。

さてさて。

何はともあれ、この臺詞だけは言うことができるだろう。

人魚姫……ＧＥＴだぜ！