《異世界モンスターブリーダー ~ チートはあるけど、のんびり育しています ~》悪魔の使徒
サラス海岸を目指すために街の出口にまでやってきた。
さてと。
そろそろ人もなくなってきたし、ワイバーンを召喚しようかな
背中に乗れば目的地まで一瞬で移できるワイバーンだが、何かと悪目立ちするのが珠に傷である。
「なんだぁ!? テメェ! 何処に目をつけてやがる!?」
おや。なんだか聞き覚えのある聲がしたような……。
聲のした方に目をやると、先程ギルドで會ったばかりの凸凹コンビの姿がそこにあった。
「シカトかよ! コラ! 兄貴に逆らうとは良いしているじゃねーか! おおおおん?」
相変わらずに騒がしい連中である。
Aランク冒険者という肩書こそ立派だが、言が小過ぎて、どうにも強そうに見えないのがこの兄弟の欠點なんだよな。
どれどれ。
今日は一どんな奴がベジルタ兄弟に因縁をつけられているのだろうか。
悪魔の使徒 等級S LV40/40
生命力 1008
筋力値 1580
魔力値 1280
神力 888
スキル
魔人斬り
えっ。ちょっ。
な、なんだよ……これ……!?
ベジルタ兄弟に挾まれた『それ』は、長2メートル近い人型の鎧をに著けたモンスターであった。
ベジルタ兄弟が『人間』だと勘違いしてしまうのは無理はない。
俺だって鑑定眼のスキルがなければ『鎧をつけた人間』と見分けがつかなかったかもしれない。
それにしても驚いたのは、『悪魔の使徒』のステータスである。
1匹のモンスターが上級魔族であるキャロライナに匹敵するほどのステータスを持つなんて過去に前例のないことであった。
「聞いているのか! テメェ!」
「バカみたいな鎧つけやがって! スクラップにしてやろうか!」
これはまずいっ!
ベジルタ兄弟は未だに敵の脅威に気付かない!
調子に乗ったベジルタ兄弟は悪魔の使徒の鎧を指でつつく。
シュンッ。
異変が起きたのは一瞬のことであった。
悪魔の使徒が腰に差した剣を抜いたかと思うと、鮮が飛び散った。
「「ぐぎゃあああああああああああああああああああ!」」
斷末魔のびを上げながらもベジルタ兄弟のはズタズタに刻まれていく。
「逃げて下さい! ご主人さま!」
「――お、おう」
何はともあれ最優先にしなければならないのは仲間の安全を確保することである。
俺は外に出していたアフロディーテ、シエルのことをボールの中に戻すと、キャロライナに手を引かれるままにセイントベルの街の裏路地にっていく。
「な、なんだコイツら!?」
「王都の騎士団にしちゃ、図がでかいな。お前たち何処から來たんだ?」
更にそこで絶的な事実に気付いてしまう。
出現した『悪魔の使徒』は門の近くにいた1匹だけではなかった。
敵の數は2匹、3匹、4匹、5匹、6匹……街の中を走っていくと次々に確認できる個數が増えていく。
噓……だろ……!?
1匹だけでも手に負えない兇悪なモンスターがどうしてこんなにいるんだよ!?
「化! 化だぁぁぁ!」
「うぎゃあああああああああ! 助けてくれええええええ!」
悪い夢を見ているだけなら醒めてしい。
突如として現れた悪魔の使徒はセイントベルの街を地獄に変えていった。
「キャロ。教えてくれ! あのモンスターは一なんなんだよ!?」
「彼らの名前は『悪魔の使徒』……。魔王イブリーズ様の眷屬です」
「…………!?」
キャロライナの説明をけた俺はピンときた。
以前に聞いたことがある。
魔族というのは『眷屬』と呼ばれるモンスターを使役することが多いらしい。
例を挙げるならば、キャロライナはコウモリのモンスターを使役して、ユウコの場合はグールなどのアンデッド系のモンスターを使役、といった合である。
鎧モンスターの正が魔王の眷屬であるならば破格のステータスにも納得できるものがある。
「なぁ。悪魔の使徒が街を襲撃しているのって、魔王城の復活と何か関係があるのかよ?」
「分かりません……。ただ、悪魔の使徒をることが出來るのは魔王イブリーズ様だけです。しかし、それはおかしな話なのです。あの城にいる魔王は偽りの魔王……。だから普通に考えると悪魔の使徒たちをることは出來ないはずなのです」
「…………」
キャロライナの言葉は相変わらずに難しい。
そもそもにしてキャロライナが魔王城の中にいる魔王が偽だって言う拠がハッキリしないんだよな。
「久しぶりだな。キャロライナ・バートン」
俺たちが裏路地を抜けて大通りにろうとした直後であった。
ルーミル・フォンネル
別 :
年齢 :388
厳かな軍服をに纏った1人の眼帯のが俺たちの行く手を塞いでいた。
年齢388歳!?
間違いない。このステータスの表示は絶対に魔族である。
年齢についてもそうだが、人間の姿に化けた魔族は鑑定眼に『種族』の項目が表示されない仕様になっているのである。
「我が名はルーミル! 譽ある魔王軍の第一師団、師団長! ケンタウロスのルーミルであるぞ!」
軍服のは俺たちの方を見るなり高らかなに宣言する。
第一師団の師団長だって!?
以前に聞いた話によると、魔王軍の師団長というのは數字が低くなるごとに位が高くなるものらしい。
つまりは目の前にいるこのは魔王軍の中でも最強の戦士。
以前に戦った竜王クルルなんかよりも遙かに格上の相手らしい。
「ルーミル。これは一どういうことですか!? どうして貴方がここに!?」
「ククク。分かり切ったことを聞いてくれるな。悪魔の使徒をることが出來るのは、魔王イブリーズ様だけだ。そのことは魔王軍の幹部であった貴様が一番良く知っているだろう?」
「えっ。えっ。ええええええ!?」
今明かされる衝撃の新事実。
キャロライナの正って魔王軍の幹部だったのかよ!?
長らく一緒に生活していたわけだけど全く気付かなかったぜ!
驚きはしたが、納得の気持ちが先にきた。
だってそうだろう?
魔族の間でのキャロライナの知名度は尋常でないものがあった。
今にして思うとキャロライナの『昔の職場』って魔王軍のことだったんだろうな。
「誇りに思うが良い。復活したイブリーズ様は貴様の能力を買っている。大人しく魔王城に行くことを約束するのであれば今すぐに兵を引き上げるとしよう」
「……街の人間を人質に取るつもりですか!?」
「異なことを申すな。イブリーズ様が復活すれば元よりこの世の生きとし生けるものたちは、全てイブリーズ様の所有となるのだ。あまり我らが主のことを侮辱するではない」
とてもではないが渉の余地がありそうな雰囲気はない。
魔王を信奉するルーミルにとっては、街の人間の命などムシケラと同等の価値しか持たないのだろう。
「……申し訳ございません。ご主人さま」
キャロライナは俺に対してペコリと頭を下げるとルーミルの元に近づいていく。
「キャロッ!?」
そうだよな。
心優しいお前ならそうするよな。
これ以上、街に悪魔の使徒を留めておくと悪戯に被害が拡大する一方である。
だからキャロライナは自分を犠牲にして、大勢の命を救う道を選んだのだろう。
クソッ! 何が魔王軍だ!
そうそう好き勝手にはさせるかよ!
「召喚……アダマイトゴーレム!」
そこで俺が召喚したのは使役しているモンスターの中でも最強戦力の1匹、アダマイトゴーレムであった。
アダマイトゴーレム 等級B レベル 5/30
生命力 118
筋力値 381
魔力値 40
神力 35
スキル
巖石弾
火屬攻撃無効
ズゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!
全重を乗せたアダマイトゴーレムのボディプレスがルーミルを襲う。
やった……か……!?
格の差が功をなして見事にルーミルを撃退したかのように思われた瞬間であった。
ビシビシビシビシッ。
たちまちアダマイトゴーレムの巨にヒビがって行く。
「くだらん」
ルーミルが退屈そうに呟くとアダマイトゴーレムがバラバラに崩れて、周囲に大量の塵を巻き起こしていく。
はっ!?
えっ。ちょ!?
何が起こったんだ……?
すかさず俺はステータス畫面を確認。
カゼハヤ・ソータ
職業 魔使い
レベル 595
生命力 275
筋力値 100
魔力値 218
神力 3093
加護
絶対支配
スキル
カプセルボール 鑑定眼 魔配合 コンタクト 神作 スキルレンタル 変
使役
アフロディーテ
キャロライナ・バートン
シエル・オーテルロッド
ユウコ
ロスト・トリザルティ
レミス・リトルフォールド
ワーウルフ
ケダマロ
ワイバーン
クラーケン
ゴブリンナイト ×15
ライトマッシュ ×6
キツネビ ×4
マッドマッシュ
スパイフィッシュ
どんなに目を凝らしてもアダマイトゴーレムの名前を見つけることが出來なかった。
噓……だろ……!?
たったの一撃でアダマイトゴーレムが死んじまったっていうのかよ!?
「……キャロライナ。しガッカリしたぞ。お前ほどの魔族が仕えるべき相手を間違えるとはな」
侮蔑の込められたルーミルの言葉が今でも忘れられない。
絶に暮れた俺はガックリと膝を折った。
異世界に召喚されてからの俺はとにかく毎日が楽しかった。
アフロディーテがいて。キャロライナがいて。シエルがいて。ユウコがいて。ロストがいて。レミスさんがいて。
時々、冒険に出ては魔を見つけて、捕まえる。
そういう日々がこれからもずっと続くと思っていた。
けれども、それは間違いだった。
今日まで俺が築いてきた日常は――音を立てながらも崩れ落ちていくのだった。
- 連載中131 章
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