《異世界モンスターブリーダー ~ チートはあるけど、のんびり育しています ~》攻城戦
ジリリリリリリッ!
魔王城の中に急事態を知らせるベルが鳴る。
決戦の火蓋は朝日が上る直前の早朝に落とされることになった。
「敵襲! 敵襲だっ!」
ベッドから飛び起きた魔族たちが慌てて部屋から飛び出していく。
実のところ、冒険者たちの侵によって非常ベルが鳴らされたことは過去に何度かあった。
だがしかし。
鉄壁の防力を誇る魔王城を打ち落とすことは並大抵のことではない。
これまでの襲撃者たちは《玉座の間》に到達することはおろか、魔王城に足を踏みれる前に返り討ちにされていた。
「おいおい。まだベルは鳴りやまねぇのか?」
「それがよぉ……。たまたま迎撃用の砲臺の調子が悪くて、作しなかったらしいぜ」
「ちょっ。そんなことってあるのかよ!?」
クククク。
焦っている。焦っている。
殘念だったな。
砲臺に関しては俺がちょっくら細工させてもらった。
魔王城が難攻不落を誇る理由と1つとして『空の上で浮遊している』という理由が挙げられる。
冒険者が空に浮いている魔王城に攻め込むためには浮遊石を使わなければならない。
この浮遊石というのが不便なもので、ゆっくり、真っ直ぐにしか移が出來ないという致命的な欠點があった。
だからこそ今までは魔王城に備え付けられた砲臺によって、造作もなく侵者を打ち落とすことが出來たわけである。
「とにかく早く縦室に行くぞ!」
「だな。縦室を奪われるのが一番まずい!」
異変を察した2人の魔族は足取りを早くして縦室に向かっていく。
その時だった。
「――失禮。そこ、通りますよ」
モロズミ・シンジ
種族 :ヒューマン
年齢 :15
爽やかな笑顔を浮かべながらも、タイミング良く魔族たちの背後より1人の年が現れる。
男の名前はモロズミ・シンジ。
クロウの所屬する《深淵の帳》の一員にして、今回の作戦の実行メンバーの1人であった。
「んなぁ!? 裏口から!?」
「信じられねえ。どうして侵者が隠し通路の存在を!?」
予想外の方向から現れた侵者を目にした魔族たちは口を大きく開いたまま直していた。
ふふふ。
魔王城の部報は俺を通じて、襲撃者たちに筒抜けになっているんだよ。
魔族という種族は『自分より強いものに対して絶対服従してしまう』という質が存在している。
だからこそ、俺たち人間と比較すると、『仲間の裏切り』に対する耐値が絶的に低いのだろう。
「剣! アークブレード!」
「んぎゃ!」「ほげぇ!」
流石はシンジ!
クロウに影にこそ隠れているが、彼もまた『聖騎士』の職業を與えられたチート勇者の1人である。
剣を抜いてからは1秒と経たないスピードで2人の魔族を無力化してしまった。
よっしゃ。
縦室さえ抑えてしまえば後はこっちのものである。
その気になれば魔王城を地上に下すことも可能になるわけだし、援軍は呼び放題。
作戦の幅が一気に広がることになるだろう
「……ソータくん、だよね」
「ああ。今はこんな姿だけどな」
俺の存在に気付いたシンジはどういうわけか憂げな表を浮かべていた。
「ソータくん。ボクは1つキミに謝らないこといけないがある」
「待てよ。それは今ここで言わなければならないことなのか……?」
「――ああ。どうしても言いたいんだ。言わせてくれ。ここに來るまでボクは、キミのことを侮っていた。クロウこそが唯一無二の《真の勇者》、それ以外の召喚者は紛いだと考えていた。クロウに初めて會った日のことは今でも鮮明に記憶しているよ。
格が違う、と思った。
彼の存在は《聖騎士》の職業を與えられて天狗になっていたボクを正気に戻すのに十分なものだったよ。その日からボクはクロウのサポートに徹するようになった。彼が《真の勇者》ならば、ボクはその付屬品さ」
まぁね。
気持ちは分かるよ。うん。
クロウみたいなチート主人公、今時、フィクションの世界ですら珍しいと思うもん。
最強過ぎて語がマンネリになって、作者が匙を投げてエタるタイプの主人公である。
「でも実際は違った。この世界に勇者は2人いたんだ。ソータくん。クロウが『の勇者』だとするならば、キミはきっと『闇の勇者』だ!」
なんだよ。その、闇の勇者って。
それじゃまるで俺が魔王みたいな言い方じゃないか(笑)。
勘弁してくれ!
俺はたまたまチート能力を與えられただけの、ハズレ職業、『魔使い』ですよ。
「――ソータくん。正直、ボクはキミに嫉妬しているんだよ。クロウの実力を間近で見て、心が折れてしまったボクと、最後まで自分にできることを考え続けたキミ。その差は一どこから生まれてしまったんだろうってね」
「はいはい。分かったよ。分かったから自分を卑下するのはその辺にしておけよ」
シンジが到著したからには砲室の制圧は問題なく達されることになるだろう。
俺は適當にシンジの話を打ち切ると、今回の決戦の主戦場となるであろう魔王城の『大広間』に向かうのであった。
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