《異世界モンスターブリーダー ~ チートはあるけど、のんびり育しています ~》VS ルーミル
それから。
クロウと悪魔の使徒の激戦は続いた。
「ギギイイイイイイイイィィィ」
「遅い!」
敵集団に囲まれたクロウは大きく跳躍して、空中からの斬撃で悪魔の使徒のを々に打ち砕く。
「聖剣スターダストブレード!」
クロウの振るう聖剣は目にも止まらなないスピードでく《悪魔の使徒》のを次々と吹き飛ばす。
「魔剣ディバインセイバー!」
クロウの振るう魔剣は強靭な鎧に包まれた《悪魔の使徒》のを次々と引き裂いた。
持ち前のチート能力を駆使して《悪魔の使徒》をバッタバッタと薙ぎ倒していくクロウだっが――。
その活躍も永遠に続くわけではなかった。
50近い悪魔の使徒を打ち破った頃には徐々にのきが鈍り、討伐數が100を重ねた頃には片膝を地面について息を荒くしていた。
「ククク。驚いたぞ。まさか貴様のような人間がいたとはな……」
ルーミル・フォンネル
別 :
年齢 :388
魔王城の《玉座の間》に続く通路を塞ぐようにして、軍服をに著けた1人の眼帯が現れる。
「敵ながらも貴様の能力は勝算に値する。どうだ。カネなら幾らでもやろう。貴様、魔王軍の一員として働いてみる気はないか?」
「――くだらん。そんなものでオレをかせると思ったか」
「なら何がしい? か? 貴様が魔王軍にった暁には、給仕部隊から選りすぐりのたちを側近として付けてやろうじゃないか」
「~~~~っ!?」
揺らいでるんじゃねぇよ!
ああっ。クソッ!
さっきまでの戦いを見てしでも格好良いと思ってしまった俺がバカだったぜ。
耳まで顔を赤くしたクロウの揺っぷりったら、貞丸出しで見ているこっちが恥ずかしくなるものであった。
「そうか。我々の軍門に下る気がないのであれば仕方ないな。魔王さまのために消えてもらう!」
不敵に笑った次の瞬間――。
ルーミルの姿が俺の視界から消失した。
「なにっ――!?」
先程までの悪魔の使徒の攻撃も凄かったが、ルーミルの戦闘能力は更にその上を行っている。
ガキンッ!
ズガガガガガガッ!
なんとか致命傷こそ回避したクロウであったが、ルーミルの斧をけたクロウはボロボロになって地面の上を転がった。
「そこまでです! ルーミルさん!」
このままでは戦闘を続けていればクロウが殺されかねない。
そう判斷した俺は思い切ってルーミルの前に立つことにした。
「ロスト? どうしてここに? キミたち給仕部隊は地下シェルターに待機しているよう命令していたはずだが?」
「ルーミルさん。貴方の負けです。大人しく降參して下さい」
サンキューな。クロウ。
後のことは俺に任せてお前はゆっくりと休んでいてくれ。
お前のおかげで殘った兵士は『俺の手駒』だけになったぜ。
「……何故だ? 悪魔の使徒……。どうしてお前たちがワタシに刃を向ける?」
総勢15にも及ぶ《悪魔の使徒》から槍を向けられたルーミルは納得のいかなそうな面持ちを浮かべていた。
ルーミルが困するのも無理はない。
まさか目の前のメイドの中が魔王軍のスパイである『魔使い』だったなんて夢にも思わなかっただろうからな。
そこで俺はステータス畫面を確認する。
カゼハヤ・ソータ
職業 魔使い
レベル 607(↑12)
生命力 283(↑8)
筋力値 102(↑2)
魔力値 242(↑6)
神力 3153(↑60)
加護
絶対支配
スキル
カプセルボール 鑑定眼 魔配合 コンタクト 神作 スキルレンタル 変
使役
アフロディーテ
キャロライナ・バートン
シエル・オーテルロッド
ユウコ
ロスト・トリザルティ
レミス・リトルフォールド
ワーウルフ
ケダマロ
ワイバーン
クラーケン
ゴブリンナイト ×15
ライトマッシュ ×6
キツネビ ×4
マッドマッシュ
スパイフィッシュ
悪魔の使徒 × 15
ステータス畫面には使役の欄に新たに《悪魔の使徒》が追加されて、ちゃっかりレベルもアップしていた。
そう。
俺が魔王軍に加わった目的は、報の収集だけではない。
魔王軍最強の兵士である《悪魔の使徒》たちを、カプセルボールを使って使役する狙いも存在していたのである。
「何をしている! 早く! ワタシの命令を聞かんか!」
「私の目的はルーミルさんがに著けているペンダントです。大人しく差し出してくれるのであれば命までは取りません」
「……ロスト。まさかキミ、ワタシのことを裏切ったのか」
ゾゾゾゾゾゾゾッ。
突如として俺の背筋に悪寒が走る。
うぐっ。
こ、これが最強の魔族と稱されたルーミルの殺気……!
明らかに今まで戦ってきた相手とはレベルが違う。
相手に飲まれたらダメだ!
ここで俺がビビって背を向けようものだが、今まで仲間たちが積み上げてきた努力が全て水の泡になってしまう。
「裏切った、というと、幣がありますね。こっちはずっと最初からこのつもりでいていましたから」
ここはハッキリと言っておくのが優しさというものだろう。
どう言い訳したところで俺が彼を騙していたという事実が覆るわけではないからな。
ピキッ。
ピキピキピキピキッ!
これまで『優しい上司』を演じてきたルーミルの仮面にヒビがり、たちまちその表は怒りの豪火に包まれていった。
「していた! していたのにいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいぃぃぃ!」
耳がぁっ! 耳がああああぁぁぁぁぁ!
鼓が破けそうになりそうな絶を上げたルーミルのは、しずつ膨らんで大きくなっていく。
ケンタロス 等級S LV573
生命力 5532
筋力値 6540
魔力値 3920
神力 4028
スキル
超再生 金剛力 火屬魔法(上級) 風屬魔法(上級) 水屬魔法(上級) 闇屬魔法(上級)
最終的に表れたの人間の上半と馬の下半を合わせったモンスターであった。
たとえ夜を明かすのに幾億の剣戟が必要だとしても【Web版】(書籍版タイトル:幾億もの剣戟が黎明を告げる)
【書籍版①発売中&②は6/25発売予定】【第8回オーバーラップ文庫大賞『銀賞』受賞】 夜で固定された世界。 陽光で魔力を生み出す人類は、宵闇で魔力を生み出す魔族との戦爭に敗北。 人類の生き殘りは城塞都市を建造し、そこに逃げ込んだ。 それからどれだけの時が流れたろう。 人工太陽によって魔力を生み出すことも出來ない人間は、壁の外に追放される時代。 ヤクモは五歳の時に放り出された。本來であれば、魔物に食われて終わり。 だが、ヤクモはそれから十年間も生き延びた。 自分を兄と慕う少女と共に戦い続けたヤクモに、ある日チャンスが降ってくる。 都市內で年に一度行われる大會に參加しないかという誘い。 優勝すれば、都市內で暮らせる。 兄妹は迷わず參加を決めた。自らの力で、幸福を摑もうと。 ※最高順位【アクション】日間1位、週間2位、月間3位※ ※カクヨムにも掲載※
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