《ルームメイトが幽霊で、座敷。》天然は厄介な時限弾
「おじゃましまーす」
「ささ、ってって」
俺達が泊まる場所もないのを班長さんは見越してくれたのか、班長さんの家へ案してくれることとなった。出雲大社から歩いて數分ともかからない參道のどこかにそれはあった。築ウン十年ともいいそうなアパートだった。その二階に彼の家はあった。
「……なんか何もないねえ。あんた、趣味でもないの?」
「趣味と言えるものがなくてすいませんね?」
「まーいいや。リト。スマフォ貸して」
「……貸さなかったら?」
「ただではすまぬ」
なんという妖さん。あんたなんか妖は愚か妖怪の風下にも置けんわ! 角砂糖もキャンディも、金平糖も絶対あげねーぞ!
「……何飲みます? といってもお茶しかないですね……アハハ」
そう言って班長さんはお茶を差し出してくれた……はて? さっきより口調が優しいような? 何かあったのかな?
「……この天然たらしめ……」
「ん? 祐希、何か言った?」
「何も?」
そんなこんなはどうでもいいので、とりあえず俺はお茶を一口……うまい。
「どうですか?」
「おいしいですね。これ、なんですか?」
「これは、桃のフレーバーを混ぜ込んだお茶なんです。よかった、味しいと言ってもらえて……!」
「いやはや、うまいですね。ほんとに。見習わなくちゃ」
「み、見習う……!?」
「ええ。だって、こんなにお茶淹れるのうまいじゃないですか。もうお嫁さんにしちゃいたいくらい」
「お、およめ……」
……あれ? どうして倒れちゃったんですか? まだ寢るには早いですし、ご飯も食べてないですよー。
「……自覚しろ天然たらしめ」
「だからなんなんだよさっきから!!」
「気づいてないなら、しょうがない。きみがわるいんだ。そうか、君はやっぱりそういうやつだったのか」
「俺蝶のやつ壊してないよね?!」
「……とりあえずだ、どうするんだ?」
祐希がそう言ったので、俺は正気に戻った。そうだ……どうすればいいんだろう?
「う、うーん……」
あ、起きた。
「いやあ、急に気絶したんでびっくりしましたよ」
「はへっ!? ……ああ、そうですね。ごはんつくらなくては」
「手伝いますよ。そっちの方が早いでしょう?」
「えっ、あ、はい……」
そう言って俺と班長さんは二人歩いて玄関の方にあるキッチンへと向かった。
「……リア充発しろ」
「碧さん……見守ってあげればいいじゃないですか」
「でも、ちょっとは嫉妬してるでしょ?」
「な、なにを……!!」
後ろで碧さんと祐希が何か話していたが、俺には何を話しているかあまり聞こえなかった。
【書籍化】學園無雙の勝利中毒者 ─世界最強の『勝ち観』で學園の天才たちを─分からせる─【コミカライズ決定!】
【書籍版一巻、TOブックス様より8/20発売!】 暗殺一族200年に1人の逸材、御杖霧生《みつえきりゅう》が辿り著いたのは、世界中から天才たちが集まる難関校『アダマス學園帝國』。 ──そこは強者だけが《技能》を継承し、弱者は淘汰される過酷な學び舎だった。 霧生の目的はただ一つ。とにかく勝利を貪り食らうこと。 そのためには勝負を選ばない。喧嘩だろうがじゃんけんだろうがメンコだろうがレスバだろうが、全力で臨むのみ。 そして、比類なき才を認められた者だけが住まう《天上宮殿》では、かつて霧生を打ち負かした孤高の天才美少女、ユクシア・ブランシュエットが待っていた。 規格外の才能を持って生まれたばかりに、誰にも挑まれないことを憂いとする彼女は、何度負かしても挑んでくる霧生のことが大好きで……!? 霧生が魅せる勝負の數々が、周りの者の"勝ち観"を鮮烈に変えていく。 ※カクヨム様にも投稿しています!
8 149じょっぱれアオモリの星 ~「何喋ってらんだがわがんねぇんだよ!」どギルドをぼんだされだ青森出身の魔導士、通訳兼相棒の新米回復術士と一緒ずてツートな無詠唱魔術で最強ば目指す~【角川S文庫より書籍化】
【2022年6月1日 本作が角川スニーカー文庫様より冬頃発売決定です!!】 「オーリン・ジョナゴールド君。悪いんだけど、今日づけでギルドを辭めてほしいの」 「わ――わのどごばまねんだすか!?」 巨大冒険者ギルド『イーストウィンド』の新米お茶汲み冒険者レジーナ・マイルズは、先輩であった中堅魔導士オーリン・ジョナゴールドがクビを言い渡される現場に遭遇する。 原因はオーリンの酷い訛り――何年経っても取れない訛り言葉では他の冒険者と意思疎通が取れず、パーティを危険に曬しかねないとのギルドマスター判斷だった。追放されることとなったオーリンは絶望し、意気消沈してイーストウィンドを出ていく。だがこの突然の追放劇の裏には、美貌のギルドマスター・マティルダの、なにか深い目論見があるようだった。 その後、ギルマス直々にオーリンへの隨行を命じられたレジーナは、クズスキルと言われていた【通訳】のスキルで、王都で唯一オーリンと意思疎通のできる人間となる。追放されたことを恨みに思い、腐って捨て鉢になるオーリンを必死になだめて勵ましているうちに、レジーナたちは同じイーストウィンドに所屬する評判の悪いS級冒険者・ヴァロンに絡まれてしまう。 小競り合いから激昂したヴァロンがレジーナを毆りつけようとした、その瞬間。 「【拒絶(マネ)】――」 オーリンの魔法が発動し、S級冒険者であるヴァロンを圧倒し始める。それは凄まじい研鑽を積んだ大魔導士でなければ扱うことの出來ない絶技・無詠唱魔法だった。何が起こっているの? この人は一體――!? 驚いているレジーナの前で、オーリンの非常識的かつ超人的な魔法が次々と炸裂し始めて――。 「アオモリの星コさなる」と心に決めて仮想世界アオモリから都會に出てきた、ズーズー弁丸出しで何言ってるかわからない田舎者青年魔導士と、クズスキル【通訳】で彼のパートナー兼通訳を務める都會系新米回復術士の、ギルドを追い出されてから始まるノレソレ痛快なみちのく冒険ファンタジー。
8 77異世界でチート能力貰ったから無雙したったwww
とある事情から異世界に飛ばされた躄(いざ)肇(はじめ)。 ただし、貰ったスキル能力がチートだった!? 異世界での生活が今始まる!! 再連載してます 基本月1更新です。
8 59高校生は蛇になる
退屈な日常に耐えきれず自殺した高校生。 だがその高校生の魂は異世界で目覚める……。 しかし自分の體は蛇になっていた!? 意図せずして蛇になった高校生は、衝撃的な再會を果たし、出會いと別れを繰り返して、より強く成り上がっていく。
8 51創造神で破壊神な俺がケモミミを救う
ケモミミ大好きなプログラマー大地が、ひょんなことから異世界に転移!? 転移先はなんとケモミミが存在するファンタジー世界。しかしケモミミ達は異世界では差別され,忌み嫌われていた。 人間至上主義を掲げ、獣人達を蔑ろにするガドール帝國。自分達の欲の為にしか動かず、獣人達を奴隷にしか考えていないトーム共和國の領主達。 大地はそんな世界からケモミミ達を守るため、異世界転移で手に入れたプログラマーというスキルを使いケモミミの為の王國を作る事を決めた! ケモミミの王國を作ろうとする中、そんな大地に賛同する者が現れ始め、世界は少しずつその形を変えていく。 ハーレム要素はあまりありませんのであしからず。 不定期での更新になりますが、出來る限り間隔が空かないように頑張ります。 感想または評価頂けたらモチベーション上がります(笑) 小説投稿サイトマグネット様にて先行掲載しています。
8 156戀愛の女神に會ってから俺の日常が暴走している
2次元至上主義の男子高校生''上里 翠(かみさと みどり)''は、突如現れた女神に「ラブコメの主人公になってほしい」と告げられる。 対する翠の返答は「3次元とラブコメなんぞできん」だった。 ラブコメさせた女神とラブコメしたくない主人公の謎設定作品(予定)
8 94