「創次郎おじいちゃんの全て？」

有紗は奧田を睨みつけて聞き返した。だが奧田はじる事無く言った。

「言葉の通りさ。創次郎アイツが守ってきたもん全てをぶち壊すんだよ！居場所を！仲間を！家族を！！」

興気味になってきた奧田の聲のボリュームが段々大きくなってきた。

「アイツは表じゃあニコニコして『爭いは嫌いだ』だの『社員は大切な家族だ』だの言ってるがアイツの本はどんな裏社會の人間よりも腐ってやがる！！」

（アイツ何を言って---）

「何を言ってるの？」

俺の思っている事を代弁するかの様に有紗が聞いてきた。すると、さっきまで興気味だった奧田は急に靜かに語り出した。

「やっぱ知ってるワケねえよな。そりゃあ言うワケねえよな！？」

「だから、さっきから何を言ってるの！！」

ブツブツと喋っている奧田に苛立ちをじた有紗は同じセリフを怒聲で聞き返した。奧田は真面目な顔で話始めた。

「俺も昔はアイツに憧れてた時期があった。10年前の話だ！」

---いつも通り仕事から帰ってた時、ギャングに絡まれた事があった。最初はただ見た目のせいで絡まれたのかと思ってた。だからお金を渡して事を済ませていたが、その日からんな人間に絡まれる様になった。

 ギャング、マフィア、ドラック商人etc…

 どいつもこいつも裏社會の人間達だった。しかもそいつらは夏目財閥の人間ばかりをターゲットにしている。

俺も毎日毎日絡まれてくる事に苛立ちをじ、ある日とうとうギャングと毆り合いの喧嘩をした。

學生時代は喧嘩で負けた事は無かったから返り討ちにした。その時にボコった相手から々聞き出した。すると奴らはしきりに『アイツに仲間を殺された』だの『復讐してやる』だのアイツに恨みを持っていた。

俺はそれから何度もアイツから話を聞こうと試みた。だが、アイツはまともに話を聞くどころか忙しいという理由をこじつけて面會さえさせてくれなかった！

毎日ギャング達と喧嘩になりアイツとの面會を試みるも何度も斷られ、俺は次第にアイツに対して苛立ちを覚えていた。

そんな時だった。ようやく面會する事が出來たと思ったらクビ宣告を言い渡された。そん時になってようやく分かった。

コイツはとんでもないくらいのクソ野郎だったて事を…

それから俺はボスに腕っぷしを気にれられてCrusherにった。

そして、そこでまたアイツの裏の顔を知ってしまう事になる。