《俺の高校生活に平和な日常を》第11章 #55「くれぐれも『相のない』ように」
---「遅くまで付き合わせてしまってすいません」
「いえいえ、こっちこそ遅くまで殘してすいません。本當ならもっと早く帰れたはずなのに」
「こういうのも私達の仕事ですから仕方ありませんよ」
話し合いは終わったのだが、外はほぼ真っ暗だった。
外に出てみると、外燈が1つ2つ點いているだけで、ギルドの周辺以外は漆黒に染まっていて道がほとんど見えなくなっていた。
「サキさん、サキさんの家ってここから近いんですか?」
「そうですねー、ここからだとし遠いですね」
「なら、送って行きますよ。こんなに遅くまで殘さなかったら暗いなか帰らせなくて済んだはずですし、1人を暗い道歩いて帰らせるのも危ないですから」
「い、いえ!? 大丈夫ですよ!? それに皆さんかなりお疲れでしょうし…」
「お兄ちゃんの言う通りですよ!? サキさんみたいな人さんが夜中1人で歩くのは危険ですよ!?」
「カズヒコさん、アズサさん…」
遅くなってしまった詫びにサキさんを家まで送ろうと提案した。こんな真っ暗闇の道を1人歩いて帰らせるのは危険だしな。
しかし、サキさんは俺の提案を斷ろうとしたが、梓が俺の提案に賛同したからサキさんは若干戸った。俺達の善意を無下にもできなくなったのだろう。
そのとき、ふと3人の視線はみのりに移っていた。俺の背中で寢ている有紗はともかくみのりの意見も聞かなければいけない。
「…そうですね。でなくとも1人で歩くのは危険だと思います」
「…皆さんがそう仰るなら分かりました。では、お言葉に甘えさせて頂きます」
し考える間があったが、みのりは俺の提案に賛同してくれた。サキさんもさすがに斷れなくなり、俺の提案を優しい微笑みを浮かべながら了承してくれた。別に家まで送ってもらうことがイヤというわけではなさそうだった。
「じゃあ俺、サキさん送って行くから梓と有紗のこと頼むよ」
「わかりました」
とりあえず話がまとまったところで俺は背中に背負った有紗をみのりに預けることにした。さすがに有紗を背負ったままサキさんを送って行くのはシンドイし、そろそろ有紗もベッドに寢かせてあげた方がいい気がするしな。
「和彥君」
「ん?」
みのりは俺から有紗を預かると、行こうとする俺を呼び止めた。なにか言いたいことでもあるのだろうか?
「くれぐれも『相のない』ように」
「…はい」
すると、殺意のある微笑みを浮かべながら忠告をけた。その微笑み方はシルヴィアさんのときにも見たような気がする。アレは決して故意でやったわけではないのだが。
---そんなことを思いながらも俺はサキさんと一緒に歩いて行った。
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