《うちの姉ちゃんはこわい》鍋を囲んで
「おい、ばっか食ってんなよ。野菜も食え」
「サリ姉だってばっかじゃん」
「あたしはいいんだよ」
そんなの橫暴だ。
結局、勝ったのはサリ姉だった。ところが、サリ姉の案は鍋料理店だった。
ここなら、も魚も野菜も食べられる。
……ただ、暑い。
「ハルちゃん、お魚の骨取ってあげようか?」
「マリ姉、いつまでも子供扱いすんなよ」
「へぇ、大人なんだ?」
サリ姉が意地悪く笑う。
「桜莉菜よりは大人だよねぇ、ハルちゃん」
「人がせっかく譲歩してやったのに、なんだ? その態度は」
「やめなよ、二人とも。外なんだから。ハルちゃん、あーん♪」
いやいや、マリ姉、あんたも大概だよ……。
「あ、あーん」
しかし逆らえない。弟たる者の悲しい習。
「ほら、ハル。あーん」
「豆腐はやめろって。熱いから。ホントに」
サリ姉は本當に意地悪だ。
「この桜莉菜様のあーんを斷るのか?」
「やめなよ、桜莉菜。いじめないで」
「ユリ姉……。おれ、ユリ姉の口移しがいい」
「調子に乗るなよ、エロガキが」
隣のサリ姉に、げんこつを落とされた。普通に痛い。
「ハルちゃん、私でよければ口移ししてあげようか〜?」
「マリ姉はいい。もっとヤバいことされそうだし」
「えー」
今日はマリ姉の運転で來てるから、お酒がっていないのがまだ幸いだ。
「それは言えてる。あと、柚莉菜はもっとを食え。そんなんだから細いんだよ」
「細くていいのっ」
「まだ気にしてんの? 長期は多重くなっても食っとけって」
ユリ姉、重気にしてるのか。あんなにスタイルいいのに。
「ユリ姉、あーん」
「ハルちゃん……。あーん」
「おいしい?」
「うん、おいしいよ。ありがとう」
あ、ヤバ……。お腹いっぱいになったら、なんだか眠く……。
【書籍化作品】自宅にダンジョンが出來た。
【書籍化決定!】BKブックス様より『自宅にダンジョンが出來た。』が2019年11月5日から書籍化され発売中です。 西暦2018年、世界中に空想上の産物と思われていたダンジョンが突如出現した。各國は、その対応に追われることになり多くの法が制定されることになる。それから5年後の西暦2023年、コールセンターで勤めていた山岸(やまぎし)直人(なおと)41歳は、派遣元企業の業務停止命令の煽りを受けて無職になる。中年で再就職が中々決まらない山岸は、自宅の仕事機の引き出しを開けたところで、異変に気が付く。なんと仕事機の引き出しの中はミニチュアダンジョンと化していたのだ! 人差し指で押すだけで! ミニチュアの魔物を倒すだけでレベルが上がる! だが、そのダンジョンには欠點が存在していた。それは何のドロップもなかったのだ! 失望する山岸であったが、レベルが上がるならレベルを最大限まで上げてから他のダンジョンで稼げばいいじゃないか! と考え行動を移していく。 ※この作品はフィクションです。実在の人物・団體・事件などにはいっさい関係ありません 小説家になろう 日間ジャンル別 ローファンタジー部門 1位獲得! 小説家になろう 週間ジャンル別 ローファンタジー部門 1位獲得! 小説家になろう 月間ジャンル別 ローファンタジー部門 1位獲得! 小説家になろう 四半期ジャンル別 ローファンタジー部門 1位獲得! 小説家になろう 年間ジャンル別 ローファンタジー部門 7位獲得! 小説家になろう 総合日間 1位獲得! 小説家になろう 総合週間 3位獲得!
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