まあ正直に言えば第六に従うまでも無くヤバいってのははっきりわかる。普段の學校でさえ人目をはばからずに行する彼らの事なので、本當に人目が無かったら何をするかわかったものではない。

大型の食の檻の中に放り込まれる草食の気分はこんなじなのだろうか、と考えつつ我が家にる。

「それじゃあ私たちは晩飯の用意をするから！」

「あ、ああ、わかった」

後ろから文がそう聲を掛けてくる。何が起こるのか構えてたので、正直に言うと「ビクッ」としてしまった。

だが言われたこと自はいつもと変わらない。聲の調子もいつもと全く同じ。あれ？　ひょっとして俺の考えすぎ？

やや安堵して自室へ戻るとさっさと普段著に著替える。本當であればそのままベッドにダイブしたいのだが、彼らが料理を作っている時にリビングで待機していなければ々と文句を言われてしまう。

なのでいつも通りにリビングのドアをガチャリと開ける。まあ當然そこには三人がいつも通りエプロンをつけて料理している姿があった。

いつもと違うのはエプロンしかに著けていないってことかな。

待って、ちょっと待って。俺の目がおかしくなったのかな？　何で君らはエプロンなんて恰好をしているんだい？

「あ、雄太くん。ちょっと時間かかるけど我慢しててね」

「あ、はい」

榛名が俺に我慢するようにと言ってくる。學校でのセクハラ発言のせいで空腹ではなくを我慢するように言っている風にしか聞こえない。

いや、だってさ、考えてみてよ。學園のアイドルと超と超？　がエプロンで料理してるんだぜ？　おとか丸見えになっちゃってるんだぞ？　俺高校生だぞ？　って俺は何でナチュラルに田中を対象として見てるんだ。

普段であれば俺はテレビでも眺めている所だが、本日はテレビではなくキッチンへと視線が向いてしまう。いや、仕方ないだろ？　許してくれよ。

そして俺にちらちらとガン見されているにも関わらず三人は気にした様子も見せずに料理をしている。

しばらくして料理が出來上がり、三人がテーブルへと料理を運んでくる。俺の右手は榛名が握るので右側に榛名が座るのだが、なんというかもう存在が圧倒的すぎる。ヤバい。料理に目が行かないでそっちに行っちゃう。

そして左手は田中が握るので左側には田中が座る。まあ、當然榛名みたいな存在を放つものは持ち合わせていないのだが、その代わり先程から桜のものがチラチラと見えてしまっている。こら田中！　男だからって遠慮なく首券発行してんじゃねぇ！

そして正面には文が座っている。當たり前だが田中とは違い、やや膨らみがあるため桜のは見えそうで見えない。

そして今まで気にしていなかった料理の方を見るとそこにはスッポン鍋があった。ニンニクのにおいもするし、これでもか！　というくらいを付けさせようという意志が見える。おい、そうめんどこ行った。

ヤバい！　こいつら夏休み初日から仕留めにるつもりでいやがる！　そして俺は既に奴らの中にはまってしまっている！

「雄太くん、夏休みはどこか旅行に行かない？」

榛名はいつものように俺に「あーん」しながらそう尋ねる。俺は恐怖から答えられずに咀嚼そしゃくを続ける。

「お、俺は五人くらい子供がしいな！」

反対側で田中がそういう。ちょっと待て、その発言は々おかしい。田中に発されて今度は文が聲を上げる。

「私はお兄ちゃんの子なら何人でも産みたい！」

もうやだこの人達。

俺が途方に暮れていると、リビングのドアを「ドバーン！」と勢いよく開けて者が現れた。

「話は聞かせてもらった！　私が旅行先を用意しよう！」

馬鹿姉、満を持しての登場である。