この事件の被害者は、小宮山葉子。彼の名前を聞くと誰も逆らうことが出來ない。僕たちが通う學校の都市伝説級の噂では、彼は、學校の屋上から飛び降りて平気だったとか、學校の６年生の番長を倒したとか、中學生の番長とも付き合いがあるとか言って、小學校４年生にもかかわらず、不良と呼ばれていたのだ。しかし、そんな伝説的な彼にとって、最初の不運は、教室にった瞬間だった。

絹やんとやべっちが俺を力づくで頭を床面に押し付けたのだった。しかも、ちょうど俺の頭の付近を小宮山が通過する辺りでだ。何食わぬ顔で歩いて小宮山さんだったがスカートの下に俺の頭がった瞬間、顔が変わった。

「佐藤！！何してんのよ！！」

小宮山はスカートをおさえ、俺の睨んでいる。しかし、そう言われても困る。俺はあいつらに抑え込まれてきが取れなかったのだ。濡れだと言いたかったのだが、この時、俺は、彼のスカートの中を見て驚いた。何も履いていなかったのだった。言葉を失うほど、俺は、彼のアソコに釘付けになっていた。するとあいつらは

「佐藤の奴！！小宮山さんのパンツ見てたぞ！！」

「卑怯者！！卑怯者！！」

「誰が卑怯者だ！！誰が！！だいたいお前らが俺を抑え込まなければこんなことにならかった！！」

そういう俺にたいして、あいつらははやし立てた。

「小宮山のパンツどんなんだった？」

すると小宮山も多分気づいたのか顔を真っ赤にしていた。そう自分がパンツをはいていなかったことに、このことを言うと都市伝説通りだと彼が何し出すかわからない。だから、俺はあえて噓をついた。

「何も、見えなかったよ」

するとあいつらはむきになってきた。

「噓つくな！！お前がちゃんと上を見ていたのを見ているんだ！！」

「暗くて何も見えなかった！！それにお前らに無理やり押し付けられて、それどころじゃなかったわい！！」

「うそこけー！！」

その時だった。予鈴がなり、先生がって來た。

「朝から騒がしいぞ！！お前ら！！夏休みだからって、休みボケしてんじゃない！！」

すると立川さんが手を上げて

「先生！！」

「立川、どうした？」

「絹山君と矢部君が佐藤君を無理やり押し倒して、小宮山さんのスカートの中を覗かせていました！！」

その時の先生のギロリとした視線は、絹やんと矢部っち、そして、俺に飛んできた。そして、１０分間の小言を聞く羽目になってしまった。俺にとっては、事故みたいなものだ。しかし先生は、

「お前も同罪だ！！」

その一言で終わらされてしまった。こうして、授業が始まったがすぐに終わった。今日は２、３時間目が水泳の授業となっているためなんだけど、実は俺らの小學校にはプールがない。だから隣の中學校まで行かないといけないのだ。もちろん水著姿で、そういう事で１時間目の途中で著替えが始まった。未だに男同じ教室で著替えているのでワイワイと雑多な中、著替えを終わるとビーチサンダルを履いて、中學校まで歩いていく。もちろん、肩からバスタオルをかけて、水著は見えないようにして、こうして中學校のプールに到著するとまずプールサイドにビーチサンダルとバスタオルを置いてシャワーを浴びる。ここまでおわってはじめてプールにることが出來たのだった。

実は、この授業は２クラス共通で行う。だから、箭さん、森さんも同じプールにいた。今日の授業はクロールの練習、先生が手本を見せるそれをまねして泳ぐのだが、俺がいきなり泳ぎ出したものだから、矢部ッチと絹やんは驚いた。もともと俺は全く泳げないカナヅチとして、結構バカにされていたと今更思い出した。多分この頃は出來ても蹴びぐらいだ。顔を水に付けることすら嫌だった。そんな俺がいきなりクロールを功させているのだから驚いて當然と言えばそうなのだが、この前までは蹴びで5mしか泳げなかったようで、先生まで驚いていた。この前と言っても、１週間程前だから、その異常な発達ぶりに誰しも驚いていた。しばらくして、名前順に２５ｍを泳ぐことになった。

俺の橫には、小宮山さんがいた。そして、

「さっきは、ありがとう」

そう言った瞬間に、先生の

「よーい！！！どん！！」

という聲が聞こえて來て泳ぐと、俺が一番に、誰しもが驚いていたんだけど、一番驚いていたのは、小宮山さん、実はこの前の水泳の授業では、彼が一番上手に泳ぐことができ先生にも褒められていたのだ。ちょっとの差で勝った俺に、今度は負けないからと呟いていた。するとプールサイドにいた箭さんと森さんが近寄ってきて、すごい、すごいと褒めてくれた一方で、自分のクラスの所に戻ると天野さん、山田さん、太田さんがし怒っているような気がした。

  こうして授業を終えた後、俺と小宮山はある事件に巻き込まれ容疑者と被害者という関係になってしまう。

「私のパンツがない！！」

こうして事件が始まった。