５番のガッキー以降の３人は、簡単に打ち取られてしまった。それは、小山がナイスピッチングをしていると言えるのだが、コーチが言った通りの投球容で攻めてきている。それを打ち崩せないでいるというところが本音だ。こうして迎えた３回表俺がマウンドに立った。打順は１番の佐伯君からだ

「行けーーー！！安打製造機！！」

だから、その掛け聲おかしいってと俺が心の中で突っ込んでいる。

「大丈夫！！大丈夫！！」

「イテマエ～！！」

相手ベンチの聲援は、結構、凄いものだ。ガッキーのホームランで２點目をとって、１対２となっているが彼らには自信があるのだろう、ということは、超山なりのボールは既に攻略できるということなのだろうか？ここは、１球目から兵を出すべきか。それとも、普通に投げるべきか、考えた俺は１球目を決めた。

超山なりのボール

ボール

「いいぞ！！ピッチャービビってるよ！！」

「いけー安打製造機！！」

そんな聲援はより俺は困った。ボール球をわざと投げたのに、こいつは、何もしてこなかったのだ。ただ見送ったのか？それともボール球と分かっていたのか？どっちだ？とりあえず、こいつを抑えれば、何とかなるだろう。おれは、兵を使うことにした。

２球目

超山なりのボール

「え？」

驚いた佐伯君のバットは止まった。

「ストライク！！」

絶対に驚いたに違いない。揺れて落ちてくるのだから。彼の顔から余裕が消えたのがわかった。よし・・・ここは、

３球目

スパン！！

「ストライク」

角高めのストレートを決めてやった。多分、さっきの球が頭から離れないはずだ。そして、とどめだ。

４球目

超山なりのボール

ブーン！！

ストライク！！バッターアウト！！

よし、決まった。最後は兵でやっつけてやった。三振をしてベンチに戻った佐伯君は小山君と何やら話をしている。多分、俺のボールのことだろう。続く２番は、普通に打ち取った。問題は、続く３番だ。佐伯君から話を聞いているはずだ。ということは、簡単だ。初球に兵を使えば、あとは何とかなる。

１球目

超山なりのボール

ブーン！！

「ストライク！！」

空振りをしてくれた。揺れて落ちてくるボールにタイミングがあわないようだ。驚いた表を浮かべている。しめたぞ、ここは外角高めの吊り玉だ。

２球目

ストレート

「ボール！！」

３球目

超山なりのボール

ブーン

普通のボールだけど殘像が殘っているのだろう。空振りをした小山君の表は固い。これは行ける。けど、ここは、１球外角低めへストレート

スパン！！

「ストライク！！バッターアウト」

なんと！！小山君は外角低めのボールを見逃したのだった。多分、ボールと思ったのか、それともと思っているとあーっ！！と天を仰いだのだった。これで彼の頭の中は超山なりのボールで一杯になっていることはわかった。

３回裏、９番バッターからだ。しかし

あっ

と言う間に三振をしてきたのだった。最初はストレートでストライクを取りに來ていると分かっているのに打てないとは、それは、小學生の彼らにしろと言うのは難しいことだ。はっきり言ってコーチの作戦は俺のホームラン作戦しか功していない。ガッキーはまぐれというか作戦通りに行しないで點を取っていることから、コーチの作戦能力に問題があるのか、小學生には無謀な作戦なのか、そんなことを言っている場合ではない。

「佐藤！！早く行け！！」

「あ・・・行くであります！！」

今日は〇ロロ軍曹風にやっているんだけど、みんなのけがいい、まあ、〇ロロ軍曹は、この時代にはない作品だから誰も知らないから面白いんだろう・・・という訳で、俺はバッターボックスにった。

「しまって行こう！！」

巖ちゃんの掛け聲にナインがオー！！と答えていた。さてと、初球はストライクだろう・・・けど、２巡目だ配球を替える可能もある。さて、どうくるかなバットを構えた。

ウグ・・・

「デッドボール、テイクワンベース」

イテテ・・・あいつ、わざと投げてきたとしか思えない。何故なら、そのボールがシュート回転をして俺の方へ近づいてきたのだ。そして、デッドボールって・・・・帽子を取って謝っている様子を見せているが絶対にあの顔は違う。ワンアウト一塁、初球盜塁のサインがでている。バントじゃないんだ。と思って、走ると、矢部っちがバットにボールを當てた。

ガキ・・

盜塁をした俺は、何とかセーフになったが、矢部っちは一塁アウト、そして、外やんは凡退をして、結局、０點で抑えられたのだった。

続く４回表、バッターは巖ちゃん

第１球目は決まっている。超山なりのボール、しかも、揺れて落ちるタイプだ。しかし、投げた瞬間にしまった揺れていないと思ったら

カッキーーン！！

打った瞬間ホームランと分かった。レフトの遙か上を超えた大飛球は反対側で試合をしている子達のところまで飛んでいったのだった。

こうして、２対２の振出しに戻ってしまった。けど、５，６，７ときっちりと打ち取って、この回は最小點で抑えることが出來た。

４回裏、絹やんは野ゴロワンアウトランナーなしの狀態で、５番のガッキーの打席だ。さっきは運よくホームランを打てたが、多分ダメだろう。

１球目カーブを空振り

２球目カーブを空振り

３球目カーブを空振り

簡単に三振をしてしまった。しかし、この回からし様子が変わってきた。続く６番はセカンドゴロを打っていたのだ。つまりボールが當たるようになってきている。そのことは、相手の小山君も解っているようだった。

５回はお互い３者凡退で終わり、６回表、ベアーズは２番からの好打順だった。