祝日の今日。俺はやる事がないので、暇をつぶすように書類整理をしたり、書類を清書しなおりたりをする事に。

すると、俺の攜帯から著信音。休日の晝間に電話……誰からだろう？

そして、表記されている名前を確認すると、そこには金沢 結の文字。

「もしもし？」

『あ、先輩！おはようございます！』

「うん、おはよう」

もう晝間だけどね、というツッコミはあえてしないでおこう。

しかし、焦った様子はないあたりを見ると會社関係ではなさそうだな……。

「結ちゃんが會社関係以外で電話なんて珍しね。どうかしたの？」

『えっとですね、先輩って甘いもの好きですか？』

「そうだね、それなりには食べるよ」

『でしたら、私と一緒に食べに行きませんか？』

……え？

あの電話から一時間後。俺は駅前に來ていた。

結ちゃん曰く、駅前に新しくクレープ屋が出來たのだが、一人だとし心細いらしく誰か一緒に行ける人を探していたらしい。

俺自も甘いものが好きなので、斷る理由もない為一緒に行く事に。

待ち合わせ時間には後10分程あるが、を待たせるのはあまり良くない。

……そういえば、結ちゃんと出かけるのはいつぶりだろうか？

結ちゃんとは中學校の後輩として知り合い、お互い同じ部で家も近い事もあり、そこそこ長い付き合いだった。

社會人になるという事で俺が引っ越した為、會社以外であまり會わなくなったので、結ちゃんとは何年も出かけていないかもしれない。

そして、約束の時間5分前に結ちゃんが走って現れた。

「先輩、お待たせしました！」

「別に急がなくても良かったのに。疲れるでしょ？」

「いえ、をかすのは好きですから」

確かに、前からをよくかす子ではあったな。文化系なのに、運部並みの能力あったくらいだし。

そして、改めて見ると可い子ではある。

會社ではスーツと決まっている為、暫く見ていなかった私服だが、とても似合っていて可かった。

「それで？そのクレープ屋は何処にあるの？」

「はい！確かあっち側の通りを道沿いに行けばすぐだったはずです」

あまり駅前で長居するのも良くないので、とりあえず目的のクレープ屋に向かう事に。道は予め結ちゃんが調べておいてくれているので、俺はついていく事に。

……けど、俺の記憶が間違いでなければ確か彼は──。

「あれ？この道であってる筈なんだけど……」

……地図が読めないのである。

地図アプリなどを起して、々見ているようだが、駅から歩いてもう十分。駅前というなら多分著いていてもおかしくない。

かといって、俺が調べようとしてもそもそも店舗が分からない。というより、らしくて教えてもらってない。

……これは先が長そうだ。