「それが、PC自が戸田前教授の私だそうで。

そして、それがなかったら困る！データも私的なモノがたくさんっているのに！と強に主張されまして……」

岡田看護師はとても嬉しそうな表でケーキを口に運びながら言った。

え？私のPCに患者さんのデータをれるなんて、そもそもそこから間違っているのではないだろうか？

ウチの科の場合、私のPCはあくまで補助だし、ネットに繋いだ場合コンピューターウイルスとか余計なモノまで拾ってくる可能がある。そのウイルスが悪さをしてPCの部全部を外部流出するようなソフトとかもあるというのに……。だから、患者さんのデータはネットが繋がっていない院LANのみで閲覧可能というふうに厳に區別されているし、それが當たり前だと思っていた。

「それは……セキュリティ的にも問題があるのでは？」

結果論だけど、報が流出しなくて本當に良かったと思ってしまう。患者さんの名前とか個人報、そして病狀とかの電子カルテまでネット経由でどこかにれてしまって、それが悪用されたら斎藤病院長が謝罪の記者會見を開く――病院長自はものすごーくイヤだろうけど――レベルの事態になってしまう。

「そうなんです。ただ、コンピュータウイルスなんて、抗生質で何とか治めてみせる！とか意味不明なことを仰おっしゃっていましたし……」

え？と思ってしまう。ただ、戸田前教授ってかなりのワンマンだったとかれ聞いている。

そういう人の場合、あまりというか全然人の言うことは聞かない傾向にある。

だから助言する人は居たとしても聞く耳を持たない上司だと思った瞬間に、忠告とかアドバイスとかも止めてしまうのが「人」だろう。

「ウイルスって……PCのと人のとでは全然違ったモノですけど……？」

確か、PCに「悪さ」をするから比喩的に「ウイルス」って名付けられたとか読んだ覚えがある。岡田看護師はケーキを口にれると、凄く幸せそうなアクアマリンの笑みを浮かべている。

とても綺麗で目を奪われてしまった。

「そういうのって私たち世代では常識ですけれど……戸田前教授はその『常識』を教えてくださる人が居なかったのかもしれないです」

私「達」世代――私達って。オレとアクアマリン姫のこと、だろうな、やっぱり。

なんだか、一括りにされたことが凄く嬉しくてついつい笑いが零れてしまう。

「そうなんですか？田中先生なんて、アプリの使い方とか分からないことはバシバシ聞いてきますよ」

すると。