《転生しているヒマはねぇ!》9話 庭園
「いやー、転生したのがお前でなくて、良かったのかもしれんのう!
お前は無害ではあるが、有益でもないからのう。ああはなるまい」
オレは、懐から取り出したお菓子を食べながら王子達を観察するマーシャの嫌みを、黙ってけれた。
だってそれは、この世界のことをまだよく知らないオレから見ても普通じゃなかった。
オレの転生するはずだったを持つ、今年10歳になるホーレイト王國第二王子ソレイユは、しい花たちが咲き誇る庭園で、様々な種の魔獣と戯れていたのだ。
狼、鷲、蛇、頭に角の生えた巨大な蝶等、いずれもチキュウの北極クマ位の大きさを持つ9匹の魔獣が、しっぽを振ったり、をこすりつけたり、王子に対する好意を全で表している。
また、付き人と思われる人種も様々であった。
執事服の年配の男はヒトだが、メイドはチキュウのオタクが喜びそうなエルフの。警護と思われる鎧を著た兵士は、顔としっぽが狼でつきがヒトの獣人、顔と翼が鷲でつきがヒトの鳥人、そして、上半がヒト型ので下半が蛇のナーガと呼ばれる種族の3人。全員の王子に向ける視線に暖かみをじる。
その中心ではしゃいでいる王子の笑顔は、オレから見ても魅力に溢れていた。
「ハッハッハッ! 間違えた方が結果が良いなら、犯行組織を探さなくとも良いかもしれんのう♪」
嫌みを続けるマーシャに、さすがにイラッときたので、マーシャの頭を力いっぱい毆った。
「イタッ……くはないが、こんな見目麗しい乙の頭を毆るとはなにごとじゃ 」
……ああ。誰かオレにも魂魄を削り取る毆り方を教えてください!
「うるせえよ。オレだって本気だせばこれくらい……」
無理だな。30年以上當たり障りのない生き方をしてきたオレには。話しかけてきた相手には想よく対応していたが、それも相手と仲良くしたいからじゃなかった。ただ他人ともめるのが面倒臭いから、表面上取り繕っていただけだ。
そんな奴が、こんな暖かい空間を造り出せる訳がない。
「な、なんじゃ急に落ち込みおって。冗談じゃからな。乙のところ以外は。
お前はお前で良いところがあるのじゃから、あやつとは違う形で変化の兆しを見せておったと思うぞ……たぶん」
めるなら、最後まで自信を持ってめてしい。
「しかし解せんな。こやつの魂とお主の魂、全く似ておらん。転生の際に、こやつに會っているのは一人ではないのに、結果として間違えて送られてきておる」
「オレに似たダミーを用意して、さらに送る直前にすり替えたとか」
「だとしたら送魂課の注係が怪しくなるが、そんなだいそれたことのできる魂魄持ちではないのう。もう一度話を聞く必要はありそうだが……」
「ふーん。じゃあ全員が見間違えたんだろう」
「阿呆。それこそあり得ん」
「実際に取り違えが起きてるんだから、俺達が知らないだけで何か方法があるのかも知れないだろ? 想像よりも多くの所員が関わっているとか、幻覚を見せる魔法とか、オレの魂の形をした魂魄用の服があるとか」
「……天才か 」
それはもういい。
「とにかく一度戻って、誰かに相談した方がいいんじゃね?
もっとも、その相手が黒幕って落ちもあるから、完全に信用しきるのはヤバいと思うけどな」
「冥界で儂相手に自分を偽るのは至難の技じゃ。仮の壁が多あるとはいえ、儂は魂魄のをじとれるからの。だから、に儂を謀れる者がでるとは思えんが……」
「また、同じことされても困るんだろう?
あんたを騙せる技を手にれたことを前提で行した方が無難だろ」
「……そうじゃな。ある程度疑ってかかるのは必要か。お前の自作自演の可能もあるしのう」
「ああ。実は最高権力者が、裏に計畫したものかもしれないしな」
オレたちはニヤリと笑いあい、拳を合わせた。
ああ、コイツもンボさんと同じ、こちら側の奴だ。
周りから白い目で見られる、猛者。
コイツはわがままで頭の殘念なお子ちゃまだが、信用できる。
「お前……今失禮なことを考えたであろう!」
「イイエ、ナニモ」
「わざと棒読みにしとるだろう!」
オレはムキになるマーシャの様子を楽しんだ。
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