オレとソレイユは、流會が行われる部屋の前に來ていた。

扉を開ける前に、座席表を確認する。

扉を開けた正面には、かなり大きめの長テーブルが置かれているようだ。

12神は、そのテーブルを挾むように左右に、6・6に別れて座っている。

まず、右側。り口の方から順番に、

戦神 カラベラ

穣神 サクリフィシオ

魔法神 オルター

海神 ゲハイムニス

太神 カサルティリオ

北神 カソドス

次に左側もり口から順番に、

錬神 モージザ

死神 クラニオ

旅神 レンダ

深緑神ハラファ

月神 サラー

南神 コントラクトゥス

あくまでも、こいつらは代表だ。ここにいないだけで、こいつらと同格の神はいるに違いない。

昔はこのメンバーだった奴もいるかもしれないし、これからメンバーに加わる者も出るかもしれない。

オレがやらなきゃいけないのは、今日のメンバーをなんとかすることじゃない。

継続的に現界の神との関係を良好に保つ為のシステムとして、この流會を機能させることにあると、人事部長、神類部部長、流課課長の話を聞いて思った。

「行くぞ、ソレイユ」

「はい。頑張りましょうね、ダイチさん」

共に歩んでくれる相手がいるというのは、本當に心強い。       

重量たっぷりの扉を開ける。

途端に中から溢れだしてくる威圧プレッシャー

に襲いかかってくるのは10神分。

あれ？ でも、こんなもんか？

……おかしい。じるのは間違いないのだが、平気だ。

そよ風に吹かれている気分で、むしろ心地よい。

なかには、初めてオレに威圧をぶつけてきたエルブシオン以上に、強い威圧をじさせるものもいるのだが……。

オレは、ふとソレイユのことが心配になり、彼を見るが、彼もまったく平気そうに見える。

「大丈夫そうだな？」

「それが……」

ソレイユは言葉を濁す。もしかして、意外に堪えているのか？

「あ！　これ自は平気です。

ただ、しだけ過去の記憶にれたかもしれません」

「ホントか　」

こんな時にと言えば、こんな時にだが。

「的になにかを思い出した訳ではないのですが、私は以前はこれとは比べにならないくらい強い威圧と向き合っていた気がします」

「……そうか。もしかしたら、これが引き金になって、また何か思い出すかもしれないな。そしたら、また教えてくれるか？」

「もちろん」

ソレイユが笑顔で答えてくれた。

「おい！　貴様ら！　我らを待たせておいて、ようやくって來たかと思えば、我らを無視してお喋りか！」

太神カサルティリオが、こちらを怒鳴り付けてくるが、聲にどことなく怯えをじる。

「ああ、悪い、悪い。こっちはこっちで重要案件だったんだ」

「な、何をぬけぬけと！」

「やめなさい。聲が震えていてみっともない。

だから、ほどほどにしておけと言ったのよ。やり過ぎはこういう大を呼ぶことになるんだから」

「グゥ〜」

月神の言葉に、太神カサルティリオがぐうの音をあげる。

この二人は姉弟の関係にあるそうだ。太より月の方が上なんだ。面白いなマタイラ。

ただいまの言葉には誤解がある。

「あー、月神サラー殿。誤解がある」

オレが次の言葉を紡ぐ前に、月神サラーは驚きの聲をあげる。

「ねぇ、聞いた！

殿よ、殿！

さっきまで、あたし達を席に案していた下っ端が、ビビりながらも、偉そうに呼び捨てていたのに！」

マジか

駄目だろ、相手にだって立場があるんだから。

オレは部屋の隅に並んで立っている職員たちを見る。

全員が老年の仮だ。まさに、老魂消卻爐の名に恥じぬメンツだ。

こいつらの意識改革もしなきゃ駄目だな。どうも、自分たちで自分たちの首を絞めていた可能がある。

もっとも、こいつらは先に対応係りをやってた魂に指導されたのだろうから、仕方ない部分もあるだろうけど。

でも自分で考えるのを拒否して、言われたことをやるだけじゃ駄目なんだ。

それは、生前のオレが証明している。

「えーと、してるところ悪いけれど、まずは挨拶をさせてくれ。

今日付けで、この流會を取り仕切らせてもらうことになった、転生役所神類部流課対応係係長カワマタダイチだ。ダイチと呼んでくれ。

堅苦しいのは苦手なんで、こんな口調で申し訳ない。

別に貴方たちを軽んじている訳じゃないんだ。

ただ、できる限り仲良くやりたいだけ。

なんと言っても、これは流會だからね。

流出來なかったら意味がない」

こうして、オレの初めての神類部流會は幕を開けた。