《俺の小説家人生がこんなラブコメ展開だと予想できるはずがない。》120.黒服の男+からかう=似合わないウェイトレス姿
「いやぁーーやっぱカラオケボックスってボックスって言われるだけあるねえ。角張っていて狹い部屋に何かよく分からないタブレットが機の上に置いてある。風だ風だぁ」
「むしろ逆に角張ってないカラオケボックスなんて見たことが無いんですけど、それによく分からないタブレットって、ここ歌うとこでしょ明嵜さん」
「あ、そっか。テヘっ」
てへぺろじゃないですよ、と口には出さずに、そのまま視線を明嵜から逸らす。
「で、わざわざこんな閉された部屋の中に閉じ込めて何を聞きたいんですか?それに、明嵜さんは水無月の編集がったんじゃ」
俺の問いを聞いて先に切り出したのは黒服の男……ではなく明嵜だった。
「その話は噓だし気にする必要はないよ。水無月さんはもとい、如月さんには宿題を先に出しておいたから。今頃、私が送ったメールの中の添付ファイルを読んでるって」
「それで……マガト君をここに呼んだ理由は」
話題の主旨が移ろうとした時、有無を言わさず明嵜の口元を左手で制した。黒服の男だった。
「それはこちらに話させていただきたい。この件はあまりあなたに迷をかけたくないもので」
まるで自分の領分に侵されるのを拒む、というぐらい自分から先に話を切り出したいようだった。ゆえに明嵜はもうそれ以上何も言わなかった。
「君、曲谷君は作家であり、山が丘高校に通う一般的な男子高校生。ですよね?」
「そうですけど、先にの上を明らかにしてほしいんですが、あなたは一何者ですか……」
そう言うとそれまで黙っていた明嵜はころりと急転、自分から他人の紹介をしていた。
明嵜は指先を男に差し、
「この人男はく・ろ・い・じ・ん・ぞ・う・って人で、出版協會の実務擔當なの」
「黒い……腎臓……?」
脳に漢字が散らばり寄せ集めようとするが、まったくといっていいほど名前らしい文字が浮かばない。キラキラネームばりに思いつかない、そもそもそれは本當に名前なのかと一考してしまうほどに。
「ちょっ、明嵜さんってば。あまり名前でからかわないでくださいよ、目の前に高校生もいるんですから」
必死に何かを訴えている男は、コホンと咳ばらいをすると自分の名前を口にした。
「私は白井しらいじんぞうです、元はさきほど明嵜さんから話してくれた通りで間違いありません」
ポカンとする俺にようやく気付いたのか、慌てた風で自分の名前を言い直した。
「あ。そうですよね、面と向かって話すのはこれじゃ失禮ですよね、すみません」
と黒服の男はに著けていたサングラスを外す。
いや、そうじゃなくて。
「あ、そうですよねそうですよね。人と話すときにこんな喪服みたいな全黒一に染めるのは不作法ですよね。すみません」
と、黒服の男はスーツをぎ始めた。
いや、そうじゃなくて。
「あ……すみません。私、変な名前で驚かれましたよね。あんまり聞きなれないような名前だし……」
いやそれはそうなんだけど。
「じんぞうってどう書くんです?俺はただそれを知りたかっただけなんですけど」
俺の問いに三度も間違えたためか、落ち著きを失ったように慌ててバッグからメモ用紙と一本のペンを取り出した。
「そういうことでしたか。私は人に贈ると書いて『じんぞう』といいます。よくギフトって呼ばれますけどそれは気にしないでください」
「っとそういうことはいいから」
「本題にるんじゃなかったの~~?」と思わず明嵜は橫槍をれると白井は再び口を開いた。
「そうですね。本題にりましょうか。君、曲谷君は山が丘高校に通っているというのはさっき聞いたよね」
「はい。それと何か関係していることなんですか?」
「ああ。君の言う通り、あの高校に通っている君にしかできない頼み事なんだけど、けれてくれるかな?大丈夫、そこまで難しい話じゃない、ちょっと監視してくれるだけでいいんだ」
監視、いったい何処の誰を見ていればいいというのだろう。水無月はこの男を下校中に見た時、「管理者」と言ったこともあった。出版協會の人間ということはやはり出版社の人間であるということなのだろうか。
「分かりました。俺や水無月、神無月に対して悪易じゃない人ならけれます。ですが、そうじゃなく、あいつら、二人を監視しろというのならそれは裏切り行為、けれられません」
「その件については………」
白井は俺の言葉を聞いてより淑やかな口調になった。どうやら二人ではないらしい。
「無論、心配しなくていい。もちろん、君が案じている通り、あの子たちじゃない。私が見ていてしいのは……」
その時だった。
閉じられた箱が開けられるように、外から側にが注ぎ込まれた。俺と明嵜、白井がっている部屋の中にただ一人、場の雰囲気を、空気を壊すように立ちってきた人。
「しっつれいしまーーす!!ご注文されたドリンクです!!」
黒いジャケットに白いワイシャツのような制服で、著こなしているとは言い難いエセウェイトレス。水無月と真反対の格の持ち主。
「なんでここにいるんだ!?神無月」
ほえ?とこちらこそ疑問しかないと言いたげに小首をかしげていたのは、従業員姿の神無月茜だった。
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