シラヌス達は、トローム王國の國門に到著し、そこで待っていた案役と名乗るトローム王國の將グレイマンと遭遇し、王都リガマスへと案されていった。

「こちらです。」

「グレイマン殿、し聞きたい事があるのですが、ここからあと何里くらいでしょうか？」

バーレスは問うた。すると、

「あともうしで著きますよ。」

と言われたが、目の前の道を見ても城や街などが一切無く、川や野原が一面に広がっているだけで、とてももうしで著くようにはじられなかった。だが何度グレイマンに聞いても、

「あともうしで著きますから。」

と言われるだけであった。バーレスはその言葉に疑問をじ、ある質問をした。

「本當にこの道で合っているのですか？」

「...。」

グレイマンは黙り込んだ。

「まさか、道に迷ったのでは？」

バーレスは問い続けた。

「迷ったというか、何というか。」

とグレイマンは苦笑いをしながら言った。すると、バーレスはその表で察したのか質問を問い掛けた。

「そうでしたか、貴殿は"あの國"の者でしたか。」

「？！」

グレイマンはそれを聞いて、驚いた。

「"あの國"とは？」

と、ラグベルトは聞いた。

「ラグベルト將軍、この方はこの大陸より南西に遠く離れたもう一つの大陸にある大國"フルデリック帝國"の方です。」

「フルデリック帝國？！」

「何故そんなことが分かったんだ？」

「その顔立ちと、訛りのある喋り方。全てが獨特なんです。ですので、この大陸の人間ではないと判斷したのです。」

すると、グレイマンは笑いながら

「あはは、恐れりました。バーレス將軍は何でも知ってるのですね。バレてしまったのであれば仕方がありません。ロナルド様の謁見が終わった後に全てをお話ししましょう。ですが、今は急いで王都リガマスへ到著しましょう。」

そうして約４時間後、一同はようやく王都リガマスへ続く城門の前へ到著した。

「この門の先に、王都リガマスがあるのか。」

「皆の者、心して行くぞ！」

馬車の中にいるシラヌスが聲を上げた。

「ハッ！」

グレイマンは、前へ十歩進んで下馬し、高い城門の上へ向かって大きな聲で話し出した。

「おーい、衛兵。我はトローム王國將軍グレイマンだ。ラグズ王國のお客様を連れて來た！門を開けてくれ。」

すると、城門の上からニョキッと兵士の顔がこちらを覗き、

「あ、グレイマン將軍でしたか。どうぞ、お通り下さい！」

と慌てた様子で下へ降り、門を開け始めた。徐々に向こうの景が見えて來る。そして、門が完全に開いた。グレイマンを除き、シラヌス一同は眼を大きく開かせた。なんと、辺りは大きな建で並んでおり、そのほとんどが商店であった。実は、トローム王國は、経済大國であったのだ。その為、商店、外、貿易などが他國と違う自慢できるところである。

「では、そろそろ參りましょうか。王宮で國王様がお待ちです。」