「シラヌス様、ここは我らに任せて貴方は先にプルツェンへお戻り下さい！」

「うむ、行くぞ！...必ず生きて帰って來いよ、若き者達よ...。」

シラヌスは、護衛兵を連れてプルツェンまで帰って行った。だがしかし、任せろとは言ったものの、バーレス達にはある問題が殘っていた。その問題というのは、肝心の兵がいない事である。バーレス達は考えた。

「...肝心の兵がいなければ、戦など出來ない。私の兵は約10人、ラグベルト將軍の兵も約10人。どうしたものか...」

そしてバーレスは考えた末に、

「ここにいる全兵に告ぐ。これより我らは、あの城の周りに群がっているルシガン軍の中へ強行突破し、城の中へる。これで死ぬ者は多いかも知れぬが、どうか許してくれ。」

「私たちは、兵士になった時から死ぬ覚悟でいます。それに、この國のために死ねるのならば、それは嬉しいですし。バーレス將軍、一緒に頑張りましょう！」

「ありがとう、お前たち。ではお前たち、この國のために死んでくれ！」

「ハッ！」

「行くぞーっ！」

バーレス達はバーレスを先頭に、突撃を開始した。相手もその奇襲攻撃に対応し、迎撃を開始した。

「シュライデン様、敵の援軍が攻撃を開始しました。我らも迎撃をしますか？」

「いや、よい。そろそろあいつらも來る頃だろう。敵軍はあいつらに処理してもらう。」

「ラグベルト將軍、聞こえますか？！」

「何がだ？ん？」

向こうに見える森林の向こうから、軍が出てきた。その軍旗は、なんとグルーメル王國、キグロス王國、バルコ王國だった。つまり、この地に四ヵ國の軍が揃ってしまったのだ。

「ラグベルト様、これじゃ勝ち目がありませんよ！」

「バーレス將軍、どうする？」

ラグベルトは尋ねた。

「ここは仕方がありません、一度プルツェンまで退きましょう。全軍、撤退！」

バーレス軍、ラグベルト軍、そして城にいたゼリク軍、グレン軍もそれに呼応してプルツェンまで退がって行った。

「シュライデン様、敵軍が退がって行きます！」

「敵は軍を再編してから來る気だろう。ふん、面白い。メンバー兵力が多ければ多いほど戦は楽しいからな。滅亡までし猶予をくれてやろうではないか。」

シュライデンはニヤケながら言った。