《Umbrella》ドロップ 【3】
高校生になって何か変われるかと、思った
私のかすかな期待は、あっけなく消え去った。
誰かがいじめの事実を広めた。
「逃げられると思ってんなよ、西野」
キツい香水の匂いと、目に痛い金髪の彼が
いじめグループのリーダーだった。
「お前はサイテーだよ」
強く押されて私は倒れ込んだ。
彼が私の髪を摑む。
「また笑ってみろよ」
彼が覗き込む。
「いじめられても平気ですってじの、あの
 気味悪い笑顔、してみろよ」
力が強くなる。
私は笑った。
「あたしはその顔が吐き気するくらい嫌いだよ」
ああ、ごめんね。
どうしても泣けないの。
これは、一生解けない魔法だから。
私のこと、嫌いでしょう?
ごめんね、ごめん。
床に倒れた私を、彼が踏みつけた。
鈍い音が教室に響いた。
「何やってんだ」
聞きなれない聲が聞こえた。
「西野、大丈夫か?」
彼はたしかーーーーー、
金髪の彼が、不機嫌そうに睨みつける。
「あんたが噂の転校生?」
彼が私の手をとり、立ち上がらせた。
「いじめとか、最低だな」
吐くように呟いて、彼は私の手を離さないまま
教室を出た。
廊下を早足で歩く彼に、引っ張られるように
私はついて行った。
中庭で、誰もいないベンチに腰掛けた。
「西野、何でいじめられてるんだ?」
「ほんとに何でもないから」
迷は、かけちゃいけない。
「それだけ怪我して、誰も何も言わないのか」
彼はただ、靜かに怒っていた。
変な気分だった。
初めて、誰かが手を差しべた。
私を引っ張りあげた。
「何かあったら俺に言え」
彼が真剣な顔で言った。
「転校してきたばっかで頼りないけど」
彼が、青くんだった。
嬉しい、よりも怖くなった。
私なんかを助けてくれる人がいたんだ。
こんなこと、あっていいんだ。
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