《Umbrella》ドロップ 【5】
渇きを覚えるほどの快晴。
暑い日々が続いていた。
ここのところ、雨が降らない。
私はその日、久しぶりに彼に呼び出された。
いつものキツい香水に目を瞑る。
大丈夫、大丈夫。
私はもう、大丈夫。
「今日は...どうしたの?」
おそるおそる私は口を開いた。
「西野」
鋭い聲がする。
「今までごめん!」
思わず耳を疑った。
彼が頭を下げていた。
「...え」
「あんたのこと滅茶苦茶傷つけたし、怪我も
 させた。今さら謝ったって、あたしのこと
 嫌いだと思うけど、ごめん」
深く、深く頭を下げていた。
それでも私の答えは決まっていた。
「私は、全然大丈夫だよ」
「あんたはホント馬鹿みたいにお人好しね」
彼が苦笑いする。
全部、青くんのおかげだ。
青くん、君はヒーローみたいな人だよ。
突然、戸が開く音がした。
私たちは振り返る。
そこには、息を切らした青くんがいた。
「西野!」
彼は、そのまま私のもとに駆け寄った。
「さっきお前ら2人がこの教室ってくの見えて
 何かされてんじゃないかって…」
私は思わず笑ってしまった。
「心配してくれてありがとう。だけど大丈夫。
 さっき、仲直りしたから」
青くんの顔が険しくなった。
「ちょっと待てよ。西野、アイツのこと
 許せるのか!?」
「...え?」
「今まで散々酷いことされてきたんだろ?
 何でそんな簡単に笑ってんだよ」
「それは...」
「怪我だってさせられて、なのに今になって
 ごめんってか?西野の辛さはそんな軽いもん
 じゃなかっただろ!」
憤る青くんを制したのは彼だった。
「ねえ、青くん。あんたに話がある」
彼が不気味にほほえんだ。
【書籍化】斷頭臺に消えた伝説の悪女、二度目の人生ではガリ勉地味眼鏡になって平穏を望む【コミカライズ】
☆8/2書籍が発売されました。8/4コミカライズ連載開始。詳細は活動報告にて☆ 王妃レティシアは斷頭臺にて処刑された。 戀人に夢中の夫を振り向かせるために様々な悪事を働いて、結果として國民に最低の悪女だと謗られる存在になったから。 夫には疎まれて、國民には恨まれて、みんな私のことなんて大嫌いなのね。 ああ、なんて愚かなことをしたのかしら。お父様お母様、ごめんなさい。 しかし死んだと思ったはずが何故か時を遡り、二度目の人生が始まった。 「今度の人生では戀なんてしない。ガリ勉地味眼鏡になって平穏に生きていく!」 一度目の時は遊び呆けていた學園生活も今生では勉強に費やすことに。一學年上に元夫のアグスティン王太子がいるけどもう全く気にしない。 そんなある日のこと、レティシアはとある男子生徒との出會いを果たす。 彼の名はカミロ・セルバンテス。のちに竜騎士となる予定の學園のスーパースターだ。 前世では仲が良かったけれど、今度の人生では底辺女と人気者。當然関わりなんてあるはずがない。 それなのに色々あって彼に魔法を教わることになったのだが、練習の最中に眼鏡がずれて素顔を見られてしまう。 そして何故か始まる怒濤の溺愛!囲い込み! え?私の素顔を見て一度目の人生の記憶を取り戻した? 「ずっと好きだった」って……本気なの⁉︎
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