山に囲まれた小さな田舎街。

これといって名も観名所もない、靜かな街。

住宅の立ち並ぶ道路の角に、真っ白な漆喰風の壁の建がひっそりと佇んでいる。

り口のドアの上に、ひときわ目立つアルミで作られた看板が、青白いをはなっている。

「After  eve」

それだけ、描かれた看板。

シンプル⁈というか、素っ気ないだけのお店。

ただ…     何故か素っ気ない店に反して、いい香りが…。

パン？

パン屋さん？ケーキ屋さん？

地方のスナックに、ありそうな黒っぽい地味な扉を開けてみる。

匂いとは関係ないが、まず目に飛び込んだ。

…革の鞄。

ん？   戸ったの一瞬だけだった。

何気なく並べられた、革のバッグ。革の財布。革の小。その先に、やはり香ばしい匂いのが並んでた。

いいに焼きあがっているパンがアンティーク調のダイニングテーブルに、並んでる。

何故、パン屋さんなのに革製品がり口近くにあるのか…

んんっ？

1番奧に何やら道やら機械らしきもの。

パン屋さんだけでは、ないのか？

革製品も作ってる店なのか？

何故に、革工房とパン屋さんを一緒にやってるのだろう。そんな事を考えながらパンが並んでるところに。近くに寄るとパリパリとパンの表面から聞こえる。焼き上がったばかりのパンだと誰もがわかるほど熱さがじられるパン。

し暗めの店だけどパンには、しっかり明かりが照らされてより味しそうなじがする。

奧からカツカツと足音が聞こえて、全黒っぽい格好の男がバケットを運んできた。

「いらっしゃいませ」

忙しそうにバケットを並べながら…。

何故か、し恐してしまい

「あっ、どうも。」

「パン屋さんだったんですね。」と、きりだしてみた。

「ええ。まぁそうです。々ですけど。」

店主らしき人が応えてくれた。

々⁈   あ〜そうか。革の鞄！

「革製品も売ってるんですか？」

「まぁ、趣味程度のですけどね。」

し笑顔で、そう応えてくれた。

「すいません、はじめ何の店だかわからずに。

店の名前からも想像できなくて…でもなんかパンの様な匂いしたんで     ってみました。」

「すいませんでした。あまり店の事わかる、外に置いてないので。よく言われるんですけど」     店主らしき人。

「ちなみにお店の名前。なんか意味あるんですか？」  し舞い上がってついつい聞いてみた。

「あ〜それもよくきかれるんですけど。大した意味では…    [アフターイブ]  午後(アフタヌーン)から夜(イブニング)までの営業って事で。」

「パン屋なのに午後から夜ってやっぱり変ですかね。」店主らしき人。

し変わった人？というか変わったパン屋さんだな。と思いながら焼きたてのパンの香りに、やられてしまいそうになっていた。

第１章        終