《歩くだけでレベルアップ!~駄神と一緒に異世界旅行~》第259歩目 エリス様の○○○○をおくれ!

前回までのあらすじ

アルテミスお姉ちゃんが最初だったんだよねー( ´∀` )

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「き、貴様。またしても......」

憎々し気に睨む男神を前にして、なんとなく「そうなんだろうな」という思いはあった。

いの一番に當たったアルテミス様をして、「もしや(十連ガチャは)確定分が先に來るのでは?」とあらかじめ予想───もとい、覚悟はしていたからだ。と言っても、まだ明確な拠はないけどさ?

「はぁ..................」

そう、まだ明確な拠はどこにもない。

ただ、加護『不協和音(※十連ガチャ時、一回はアレスに當たる確率が大幅に上がる加護。確定するものではない)』の影響がこうまでモロに出ていることを考えると......。

俺は深い深いどこまでも深い、暗がりが広がる深海よりも更に深い溜め息をどうしても吐かざるを得なかった。

「お、俺様の楽を邪魔した上に、その態度!! 人間風が無禮なり!!」

「......」

そんな俺の様子を見て、更に怒り心頭に吼える男神アレス様。

ここまではいつものこと。

そして、これから起こるであろう出來事もいつものこと。

「死刑なり!!───神圧!!」

「ふんッ!!」

だから、俺は───。

■■■■■

「......あら? 人間、また來たのね」

「......(お、お久し振りです。またお世話になります)」

アレス様が立ち去って數分後、いつものように神エリス様が現れた。

そして、俺を見つけるなり破顔一笑......していると思われる。

相変わらず貞子スタイルなので確認まではできないが、恐らくそうだろう。

「それで、人間は何をしているのかしら?」

「......(いつものように全ボロボロなんです。治して頂いてもよろしいでしょうか?)」

アレス様の神圧を喰らって、もはや生きた狀態の俺には答えるがない。

エリス様もそれを分かっている上で尋ねてきているはずだ。

しかし、良いおもちゃを見つけたかのように嬉々と聲を弾ませ近付いてくるエリス様。

「人間のくせに無視するのね。心しない態度だわ。これはおしおきが必要になるわね」

「......(ちょっ!?)」

「良いのかしら? 何も言わないのなら承諾とけ取るわよ?」

「......(き、聞こえているんですよね、俺の心の聲が! なのに、またですか!?)」

「そう、良いのね......まぁ、何か言われたところで、最初から止めるつもりは頭ないのだけれど。きゃははははははははははははははは!」

狂聲を発し、倒れている俺を楽しそうに踏みつけ出すエリス様。

ここ神界ではどんな重癥を負おうとも絶対に死ぬことはない。

但し、死ぬことはなくとも、與えられた痛みがなくなることは決してない。

故に、聲帯までも々にされて倒れている俺はエリス様の格好の良い遊び相手になるのだ。

「はぁぁああああ。やっぱり良いわね。人間は直接めるに限るわ」

「......(痛ッ!? い、痛いです! 止めてください!)」

「そうよ! その苦痛に歪む顔が素敵なのよ! きゃははははは!」

「......(素敵なのよ、じゃねえ! いい加減に止めんかい!!)」

うっとりと恍惚な表を浮かべるエリス様は非常に気持ち悪い。

これが仮に王様プレイだと言うのなら、まだれられたかもしれない。

だが、エリス様の場合は本當に人間をめることに快楽を得ているのでタチが悪い。

なおも、エリス様の容赦のない踏みつけは続いていく。

「下界の人間はすぐ死んじゃうからつまらないのよね。その點、人間は最高だわ」

「......(お、俺をおもちゃにしてんじゃねえ! はよ、治さんかい!!)」

「面倒な規定さえなければ、もっともっとめることができるというのに。はぁ......殘念だわ」

「......(ち、ちっとも聞いていない、だと!?)」

最初から分かっていたことだが、ある程度エリス様が満足されるまではいつまでもこうなのだ。

それと言うのも、いくら頻度が減った(エリス様談)とは言え、アレス様がアフロディーテ様のもとに赴かれることはいまだに続いている。それを見るたびに、エリス様のどす黒い心は傷付いているとのこと。

その傷心を、そのストレスを、今まさに俺にぶつけているという訳だ。

「えいッ! えいッ!」

「......」

「えいッ! えいッ!......あら? 抵抗はもう終わりかしら? もうちょっと抗ってくれないと踏みがいが無いのだけれど?」

「......(き、聞こえていたんじゃないですか!) 」

當然のことながら、俺はその事に納得している訳ではない。

納得してはいないが、れざるを得ないというのが現狀である。

何かのマンガで読んだことがある。

強い意思で紡がれた出來事はそう簡単に覆すことができない、と。

この場合もそうだ。

アレス様に殺されかけて、エリス様におもちゃにされる。

こんなしょうもない出來事でさえ、今の俺では覆すことができない。

そう、これが俺に定められた運命なのだ。

・・・。

・・・・・・。

・・・・・・・・・。

「......(エリス様がそういうおつもりなら、もう遠慮はしませんよ!!)」

だからこそ、俺も対策を練ることができるというもの。

必ず訪れる運命だというのなら、それを見越して対策すればいいだけの話だ。

「あら? 何かするつもりなのかしら? そので?......楽しみだわ。わたくしをもっと楽しませてちょうだいな」

その下準備は既に済んでいる。

エリス様は初めそれを見て疑問に思ったようだが、見事にスルーされてしまった。

故に、功間違いなしだ。

「......(唸れ! 俺の神眼!!)」

「神眼なんて人間にはないでしょ。遂に頭がおかしくなったのかしら?」

「......(い、いいんですよ! 水を差さないでください!)」

こういう場合、あるかないかが問題じゃない。

そういうノリだと、そういうことを言いたくなった気分だと察してしい。

そして、刮目した俺の神眼にはその景がはっきりと映ることとなる。

「......(ふむ、エリス様は黒か)」

「黒? 人間は何を言っているのかしら?」

「......(予想通りのとは言え、し驚きました。エリス様は意外とファンシーなご趣味なんですね。いやいや、結構なことだと思いますよ? 神様と言えど、エリス様もですからね。(見えない部分の)かわいさを忘れないことは大切な心掛けだと思うんです)」

「!!?」

「......(それにしても、あのエリス様でさえこうだというのに、うちのアテナときたら......。エリス様の爪の垢をアテナにしでも......って、エリス様?)」

「に、人間~~~~~」

その後、激怒したエリス様に滅茶苦茶踏まれた(主に顔)ことは言うまでもないだろう。

■■■■■

「人間、いくらわたくしのお気にりだとは言え、さすがに無禮よ。死にたいのかしら?」

「......お気にりだと言うのなら、俺ので遊ばないでくださいよ」

「あら、妙なことを言うのね。人間は優秀なおもちゃとしてお気にりなのよ?」

「HAHAHA」

渇いた笑いしか出ない。言葉にならないとはまさにこのことだ。

とは言え、エリス様とはそういう神様なのだろうから諦める他はないが......。

「それにしても見事だわ、人間」

「は、はぁ......計畫が順調なようで何よりです」

「順調も順調よ。引き続き、私の為に進しなさいな」

「......」

どうやらエリス様の計畫───アレス様とアフロディーテ様を仲違いさせる計畫は順調なようだ。

正直、これっぽっちも興味がないのでどうでもいい。

どうでもいいが、エリス様がご機嫌ならばそれに越したことはない。

仮に不機嫌ともなれば、その余波がどういった形で表れるか分かったもんじゃないからな。

「今頃も醜く言い爭っているに違いないわ。いい気味よ」

「そ、そうですか」

一息ついたところで、エリス様の表神様らしいものへと変化した。

々と酷い神様ではあるが、それなりに優秀ではあると思う。

所謂、ここから先はお仕事モードに突という訳だ。

「さてと。時間もないことだし、さっさと済ませてしまいましょうか」

「いやいや。時間がなくなったのはエリス様が俺で遊んでいたからなのでは?」

「......何か言ったかしら?」

「い、いえ、何も」

すかさず、にっこり営業スマイル。

理不盡に思えることでも我慢する。

それが(橫暴な)神様との賢い付き合い方だからな。

「それで、今回はどの加護にしようかしらね? 人間の希は......って、聞いても無駄だったわね」

聞く耳はあるようだが、聞くだけ無駄だと決めつけているエリス様。

今まではそれでも良かった。

エリス様が與えられる加護の中で希するものなどなかったし、思い付きもしなかったから。

「お待ちください、エリス様」

「あら? 何か希があるのかしら?」

だが、今回はそれでは困る。

これも定められた運命だと言うのなら、対・策・の・仕・様・は・い・く・ら・で・も・あ・る・のだから。

俺は心を鎮め、キリッと済まし顔に。

「はい。いつもいつもエリス様ばかりにご迷を掛ける訳にもいきませんからね」

「なかなか殊勝な心掛けじゃない」

「當然のことです。エリス様のお役に立てることこそ、至高の喜びですから」

「あらあら。嬉しいことを言ってくれるじゃないの」

口元を抑え、上品にコロコロと笑うエリス様は本當に嬉しそうだ。

(おぉ!?......な、なるほど。確かにドールの言う通り、効果は抜群なようだ)

と言うか、楚々としている時のエリス様はどこぞのお貴族様のような気品さが垣間見える。

これで容姿さえキチンと整えていたらと思うと......非常に惜しまれる。

何はともあれ、ここまで効果が抜群ともなると、さすがはドールと言わざるを得ない。

神を神とも思っていないその慧眼、まさに恐れる。

「それで、人間は何がしいのかしら? 言ってみなさいな」

「はい。できましたら武を───神剣なんかの類いを頂けましたら幸いと存じます」

「嫌よ、めんどくさい」

「即答ですか!? と言うか、めんどくさい!?」

正直、斷られるとは思ってもみなかった。

エリス様でも可能な範囲で、無難な選択肢を選んだ結果だけにショックが大きい。

ドールの「だから言うたではないか」との呆れ聲が今にも聞こえてきそうだ。

「そう、めんどくさいから嫌よ」

「め、めんどくさいということは、できないということではないんですよね?」

「できるわよ。ただね、與えた後に通常とは異なる報告をしなくちゃいけないからめんどくさいのよ」

「えぇ......そ、そんな理由なんですか」

通常とは異なる報告(?)がめんどくさいという気持ちは分からなくはないのだが......。

ただ、そこをめんどくさいと言って仕事を放棄してしまうのはダメなような気もする。

「あ、あの......エリス様に可能なことなら葉えて頂けるというお話でしたよね?」

「そうね。そういう話だったわね」

「それなのに、ですか?」

「人間、何か勘違いしているようね」

「勘違い、ですか?」

俺は何を勘違いしているのだろうか。

うーん? 勘違いしようにもない容な気もするのだが......。

「いいかしら? そういう話だったとしても前提と最低條件があるのよ」

「前提と最低條件?」

「そう、『人間の希を葉えることで、わたくしの役に立つこと』という前提がね。これは必須ね」

「はぁ......? でしたら、前提には當てはまっているようにも見えますが?」

「前提には當てはまっていても、最低條件は満たしていないわ」

「では、その最低條件とは?」

「『人間の希を葉える都合上、わたくしに迷を掛けないこと』。どう? 満たしていないでしょう?」

「......」

思わず「知らんがなッ!」とびたくなったが、ここでもにっこり営業スマイル。

理不盡に思えることでも我慢する。

それが(橫暴な)神様との賢い───以下、省略。

俺の営業スマイルを納得とけ取ったのか、ご機嫌なエリス様の舌は軽やかだ。

「それに、先程人間も言っていたじゃない? わたくしに迷を掛けたくない、と」

「も、もちろんです。エリス様のお役に立つことこそが、俺の願いですから(棒)」

「つまり、本當はわたくしに盡くしたいということなのでしょう? アテナ様(笑)ではなく、このわたくしに」

「え?」

「良いでしょう。そのおもいに応えることはできないけれど、一神としてしっかりとけ止めてあげるわ」

「え? え?」

「それにしても、誰かにされるというのも存外悪い気はしないものね。まぁ、それがお兄様ではなく人間というのが殘念だけれども」

「......」

おやおやおやぁ?

ドールさん、ドールさん、話が変な方向に流れてしまっているようにも思えるのですが?

俺はただ、『に飢えている者には(偽りでもいいから)を與えよ』との作戦に従っただけなのだが......。

ただ、ドールからは「ほれ、大功ではないか!」との聲が聞こえてきそうだ。

しかし、エリス様を勘違いさせたままで本當に良いのだろうか......?

「そういうことだから他のにしなさい。人間、いいわね?」

「お、仰せのままに」

と、言われても困った。

斷られると思っていなかっただけに、他の案など考えてはいなかった。

「それで、人間は何を希するのかしら?」

「え、えっと......」

「早く言いなさいな。......あッ! それとも、人間はもしかして───」

「な、なんでしょうか?」

するわたくしに見とれていて張でもしているのかしら?」

「......」

どんだけご機嫌なの!?

いや、エリス様がご機嫌なはそれでもいい。

だが、それがいつまで続くかは皆目見當もつかない。

早急に打開策を考えねばならないだろう。

「あ、あの、今回は保留ということは───」

「嫌よ、めんどくさい」

「ま、またですか!?」

「それも通常とは異なる報告が必要なのよ? めんどくさいから嫌ね」

「!?」

気のせいか、エリス様の聲しだけ変化が含まれているようにもじられた。

どこか不快のというか、イラつきなようものが。

「人間、保留ということは希がないのかしら?」

「い、いえ! あります! ありますから!」

「だったら、早く言いなさい。と言うか、もう時間がほとんどないじゃない。このまま何も與えないのでもいいのかしら?」

最悪、それでも良いような気が───うぇ!?

エリス様を拝見した瞬間、その考えは一気に吹き飛んだ。

それを言葉にしていたら、きっと俺は死よりも辛い目にあっていたことだろう。

「ほ、本當にありますから! あります! あります、です!」

「......賢明な判斷だわ。人間、本當だったら、わたくしがさっさと決めてしまっても良いのよ?」

「は、はい」

「だけれど、人間はわたくしの信者げぼく第一號ですもの。には応えてあげられないけれど、せめて願いぐらいは葉えてあげるつもりなのよ? 寛大なわたくしに謝することね」

勘違いもここまでいくと清々しい。

俺がエリス様に心を抱いていると信じて疑わないようだ。

ただ、それが今の狀況には非常に効力を発揮している訳なのだが......。

しかし、何かしらの希こたえは出さないといけないという狀況に変わりはない。

「それで?」

「......」

こたえが出せぬまま時間だけが無にも過ぎていく。

心なしか、が引っ張られるような覚を僅かにじる。

「......人間、時間よ? どうしてくれるのかしら?」

エリス様の言葉には明確な殺気と怒気が含まれている。

それもそのはずだ。

時間的に、もはや加護を與えられるだけの時間は過ぎてしまった。

つまり、今この瞬間に與えられるものは極限られたに限定されたことになる。

「......もう一度言うわ。人間、どうしてくれるのかしら?」

「ぐぅッ!?」

エリス様から膨大な負のオーラを叩き付けられた。

があると言っておきながら、それを出せぬままでいたことへの不快

を掛けたくないと言っておきながら、俺に裏切られたという思いの不信

アレス様の代理という役目すらも果たせず、申し訳ないという気持ちでいっぱいの罪悪

そんな様々な負のが、叩き付けられたオーラとともに伝わってくる。

「......人間、次に會った時に覚悟しておくことね。神を蔑ないがしろにするということがどういうことか、そのにしっかりと刻み込んであげるわ。きゃはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!」

目を爛々と怪しく輝かせ、狂聲を発するエリス様は出會った當初を思い出させる。

己の気にらないことは全てぶち壊していく『不和と爭いの神』エリス様のお姿を。

「......(ごくッ)」

このままではいけない。

エリス様を暴走させたままで別れるのは非常に危険だ。

だが、現実問題しいは思い浮かばないし、時間もない。

(どうする!? どうする!? どうする!? 何か、何かないのか!? このままでは!!)

と、そんな切羽詰まった狀況に、ある一つの考えが唐突に浮かんだ。

「エ、エリス様! 是非葉えて頂きたい願いがございます!」

「きゃははははははははははははははは......へぇ、本當かしら?」

「は、はい。エ、エリス様さえ良ければ、のお話ですが......」

「わたくしさえ良ければ......? なんだか回りくどいわね。時間もないのだから早く言いなさいな」

人間、死ぬ間際には昔の思い出が走馬燈のように思い出されるという。

そして、今この瞬間にそれは起こった。

俺はエリス様の暴走したお姿を見て、死への恐怖をじたのだ。

「......(ごくッ)で、では───」

今から言う願いは大それたものだ。

もしかしたら、それを口にしたことで俺はエリス様に殺されてしまうかもしれない。まぁ、神界では死ぬことはないけれど(笑)

だが、今この場で思い付く願いはこれを置いて他にはない。

座して死を待つぐらいなら、言わずに後悔するぐらいなら、敢えて挑戦してみるべきだろう。

だから、俺は口にした。古の呪文を───。

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後書き

今日のひとこま

~エリス様対策會議~

これは『第184~185歩目』頃のお話。

「なぁ、ドールぅ」

「主、一どうしたのじゃ? そんなけない聲を出しおって」

「全部エリス様のせいだよ。『不協和音』とかいう騒な加護を貰っちゃったしさ。今後、俺はどうしたらいいと思う?」

「どうしたもこうしたもあるまい。なるようになるだけなのじゃ」

「そんな冷たいこと言うなよ。こう、いつもみたいに助けてくれよ」

「そもそもの話、助けが必要な案件ではあるまい」

「と言うと?」

「主の話を聞くに、主の願いを聞いてくれるのであろう? そのエリス様とは。だったら、主が願いを言えば良いだけなのじゃ」

「無茶言うなよ。エリス様の授けられる加護なんて碌なもんがないんだぞ? それをどうやって───」

「何も加護に限った話ではないのであろう? だったら、いくらでも頼みようがあるのではないのかのぅ?」

「ん? おぉ!? ドール、お前頭いいな!」

「いやいやいや。そんなことも考えつかない主の頭がおかしいのじゃ」

「そんなこと言われても......あの場に行くと殺されかけるからなぁ。頭が真っ白になるんだよ。でも、助かった。サンキュー、ドール」

「そこで禮はまだ早いのじゃ。何を頼むか決めておるのか?」

「それは......武かなんかで大丈夫だろ? くだらない加護を貰うよりかはよっぽど建設的だ」

「ふぅむ。そんなに上手くいくものかのぅ?」

「大丈夫、大丈夫。おかしい神様ではあるけれど、協力的ではあるからさ」

「それならば良いがの。とりあえず、妾からも策を授けるのじゃ。それを使えば更によかろうて」

「策? 相手は神だぞ? 通用するのか?」

「それは姉さまを見ても言えるのかのぅ?」

「おいおいおい。アテナを基準にするなよ。あいつはある意味特別だぞ?」

「呼んだー(。´・ω・)?」

「「呼んでない(のじゃ)!」」

「ふええ(´;ω;`)」

「ともかく、ダメで元々なのじゃ。試してみれば良かろう」

「失敗したら俺が酷い目に遭うんだぞ?......まぁ、いいか。それで、その策とは?」

「名付けて『に飢えておる者にはを與えよ』なのじゃ!」

「はぁ!? なんだそりゃ!?」

そして、ドールの策は見事功したのだった。

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