《ワールド・ワード・デスティネーション》3
もう一度旅の話をしよう。
かつて僕は目的を持った旅を楽しんでいた。おいしいものを食べるため、友達と遊ぶため、山に登るため。そういった旅では通手段、宿泊先、全部が計畫されていた。計畫通りに旅するのも楽しかったが、気づくと僕はいつの間にかその場で気の向くままに歩く旅を好むようになっていた。
旅のスタイルがそのように変化してから、僕は開放的な気分を味わうことが出來ていることに気づいた。あるいは旅に出ている時くらい決められた通りに行するのではなくて、自分の思うままに行し、素晴らしいものに出會い、その直が間違っていなかったことを証明することに快を覚えていたのかもしれない。
この語は5月3日から始まり、7月31日に終わる。
神戸を訪れるとき、僕はいつも川崎重工の西のはずれにある小さな港で晝食をとる。兵庫で列車を降りた後コンビニで簡単におにぎりやサンドイッチを買って、20分ほど歩いて港まで行くのだ。
港は長方形の形をしていて、僕はその辺のひとつひとつをゆっくりと歩いて回った。いくつかの錆びついたドッグやクレーン、古びた貨船なんかが浮いている。堤防沿いに歩いていると桟橋と船がこすれるようなポーンポーンという音が聞こえてきて、それは不思議と僕を落ち著かせた。最後にやってきた北の一番端には小型船舶用のドッグが備え付けられていてクレーンのアームや送電塔が複雑に立し、ワイヤーや電線が頭上で絡まるように張り巡らされていた。 あの獨特の音はこのあたりから聞こえてきているようだった。その風景はあまりにも僕の心に響いたので、いつもその風景をずっと眺めていた。
僕は黃と黒に塗られた堤防に腰かけて袋を開けて晝食を食べた。遠くに空を海鳥が飛んでいるのが見える。
おにぎりを食べサンドイッチにとりかかっていると、前を同い年くらいで髪をきれいに切りそろえた可いの子が通り過ぎた。僕は何気なくその子が遠ざかっていくのを眺めた。彼はしばらく向こうまで歩いて行ったあと、思い出したように向きを変えてこちらへやってきた。僕は彼が歩いて來るのをサンドイッチを食べながらじっと見つめていた。
「どうしてこんなところでたべてるの?」彼は僕の前までやってくるとそう質問した。
「ここから見える景が好きなんだ。」と僕は答えた。彼は海を眺めた後錆びついた臺船を眺め、そして僕のサンドイッチを眺めた。
「なんで海なんて見てるの?」
「海が好きなんだ。」
「もっとほかの場所に行けば?もっと奇麗な海が死ぬほど見れる場所だってあるわよ。」
僕はサンドイッチの最後のかけらを口に放り込んで頷いた。全くその通りだ。
僕たちは結局電車を二駅ほど乗り継いで塩屋で降りた。
駅から浜まで歩く途中、「垂水のほうが奇麗なんだけれど、」と彼は言った。もちろん海の眺めの話だ。「あそこは人が多いから。」
僕たちは垂水にある突堤に腰を下ろして死ぬほど海を見た。
「どこから來たの?」
「広島。」
「私も広島に住んでたことがあるわ。」
なるほど。
「ねぇ、何かあったの?」と彼が質問をした。
「何もないよ。形あるものは壊れるし、出會いの後には別れがやってくる。恐竜の時代から皆言ってることだ。」
彼は楽しそうに目を細めた。
「どうして聲をかけたか分かる?」
僕は分からないという風に首を傾ける。
「似てたからよ、兄にね。最後にあった日そうやって海を眺めてたのよ。あなたと同じ目をしてたわ。」
「お兄さんのことは好きだった?」
「覚えてないわ。」
遠くにコンテナをたくさん積んだ外國籍の船が見えた。それは僕にいつか聞いた九龍城砦の話を思い出させる。
「これからどうするつもり?」
「家に帰るよ。8時までに帰らないと親に怒られるんだ。」
彼は笑って「さようなら。」と言った。
クリフエッジシリーズ第二部:「重巡航艦サフォーク5:孤獨の戦闘指揮所(CIC)」
第1回HJネット小説大賞1次通過、第2回モーニングスター大賞 1次社長賞受賞作品の続編‼️ 宇宙暦四五一二年十月。銀河系ペルセウス腕にあるアルビオン王國では戦爭の足音が聞こえ始めていた。 トリビューン星系の小惑星帯でゾンファ共和國の通商破壊艦を破壊したスループ艦ブルーベル34號は本拠地キャメロット星系に帰還した。 士官候補生クリフォード・C・コリングウッドは作戦の提案、その後の敵拠點への潛入破壊作戦で功績を上げ、彼のあだ名、“崖っぷち(クリフエッジ)”はマスコミを賑わすことになる。 時の人となったクリフォードは少尉に任官後、僅か九ヶ月で中尉に昇進し、重巡航艦サフォーク5の戦術士官となった。 彼の乗り込む重巡航艦は哨戒艦隊の旗艦として、ゾンファ共和國との緩衝地帯ターマガント宙域に飛び立つ。 しかし、サフォーク5には敵の謀略の手が伸びていた…… そして、クリフォードは戦闘指揮所に孤立し、再び崖っぷちに立たされることになる。 ――― 登場人物: アルビオン王國 ・クリフォード・C・コリングウッド:重巡サフォーク5戦術士官、中尉、20歳 ・サロメ・モーガン:同艦長、大佐、38歳 ・グリフィス・アリンガム:同副長、少佐、32歳 ・スーザン・キンケイド:同情報士、少佐、29歳 ・ケリー・クロスビー:同掌砲手、一等兵曹、31歳 ・デボラ・キャンベル:同操舵員、二等兵曹、26歳 ・デーヴィッド・サドラー:同機関科兵曹、三等兵曹、29歳 ・ジャクリーン・ウォルターズ:同通信科兵曹、三等兵曹、26歳 ・マチルダ・ティレット:同航法科兵曹、三等兵曹、25歳 ・ジャック・レイヴァース:同索敵員、上等兵、21歳 ・イレーネ・ニコルソン:アルビオン軍軽巡ファルマス艦長、中佐、34歳 ・サミュエル・ラングフォード:同情報士官、少尉、22歳 ・エマニュエル・コパーウィート:キャメロット第一艦隊司令官、大將、53歳 ・ヴィヴィアン・ノースブルック:伯爵家令嬢、17歳 ・ウーサー・ノースブルック:連邦下院議員、伯爵家の當主、47歳 ゾンファ共和國 ・フェイ・ツーロン:偵察戦隊司令・重巡ビアン艦長、大佐、42歳 ・リー・シアンヤン:軽巡ティアンオ艦長、中佐、38歳 ・ホアン・ウェンデン:軽巡ヤンズ艦長、中佐、37歳 ・マオ・インチウ:軽巡バイホ艦長、中佐、35歳 ・フー・シャオガン:ジュンツェン方面軍司令長官、上將、55歳 ・チェン・トンシュン:軍事委員、50歳
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