《格闘チャンプの異世界無雙 〜地球最強の男、異世界で更なる高みを目指して無雙する〜》10話 絡んできた若者を一蹴
イノシシ鍋を食べているところだ。
フィーナに酒を注がれ、いい気分になっていた。
そこに、村の若者がイチャモンをつけてきた。
「おうおう。ビッグボアを倒しただかしらねえが、フィーナに手を出すんなら許しちゃおけねえな!」
しガラの悪そうな男だ。
「知り合いか? フィーナ」
「ええ。もちろん顔は知っています。し前から、私に言い寄って來ている男です。お斷りをしているのですが……」
フィーナが困り顔でそう言う。
彼はなかなかの人だ。
それに惹かれる村の男たちも多いことだろう。
「男の嫉妬か。ケツのが小さい野郎だ。ザコはさっさと去れ」
シッシッ。
俺は蟲を追い払うような仕草をする。
「なっ!? お前、よそ者のクセに生意気だぞ!」
「ふん。俺がよそ者であるからといって、お前がザコであることに変わりはないぞ」
俺は男をそう挑発する。
地球でも、このような奴らに絡まれたことはある。
公式試合だけではなく、このようなルール無用のケンカからも學べることはあるのだ。
見たところ、この男たちはザコだ。
本來であれば、相手をするまでもない。
しかし、この世界獨自の戦闘技法がないとも限らない。
せっかくなので、一戦しておこう。
「な、なめやがって! 覚悟はできてんだろうな。くたばりやがれ!」
男がそう言って、毆りかかってくる。
見たところ、コイツがリーダー格か。
他の男は様子をうかがっている。
それにしても、ずいぶんと遅い拳だ。
あくびが出そうになる。
俺は、人差し指1本で男の拳をけ止める。
「バ、バカな!?」
男が驚きに目を見開く。
腕を一度引っ込め、またパンチを繰り出してくる。
しかし、同じことの繰り返しだ。
俺は人差し指1本でさばいていく。
「もっと他にないのか? ないなら終わらせるが、いいか?」
「ク、クソがあああ!」
男がそうび、一杯の力を込めたであるパンチを繰り出してくる。
まあ、この程度だろうな。
予想はしていた。
予想以上の力を持っていることを期待していたが、そううまくはいかないか。
「ほらよ」
バチンッ!
俺は、男にデコピンをお見舞いする。
「ぐあっ!」
男はそう言って、倒れ込んだ。
意識を失っている。
「これでわかったか? ザコは俺に構うな。せめて、もっと強くなってからにしろ!」
「「「ひ、ひいい!」」」
取り巻きの男たちは、意識を失った男を引きずりながらほうほうので逃げていった。
別に絡んでくるのは構わないが、もっと強くなってもらわないと困る。
ハエを追っ払ったところで、強くはなれないからな。
「リキヤさん。本當にお強いですね……」
フィーナが顔を赤らめつつ、俺にを寄せてくる。
賊を倒したり、ビッグボアを倒したりで実力は見せてきたが。
最も近な村の若者を一蹴したことにより、改めて俺の実力をじたといったところか。
そんな俺たちの一部始終を、遠巻きに見ていた者たちがいた。
「す、すげえ。村でも上位のあいつらを一蹴とは……!」
「こ、この人なら、本當にブラック盜賊団を倒せるかもしれない」
村の別の若者たちだ。
ブラック盜賊団の討伐作戦にあたり、村長が聲をかけている者たちである。
彼らは、盜賊団の討伐作戦に參加するかなかなか決心が付いていないと聞いている。
「俺は、盜賊団の討伐作戦に參加するぞ」
「お、俺もだ!」
「みんなであいつらを倒そう! そうすれば、大手を振って森を歩けるようになる」
「ビッグボアもいなくなったことだしな。狩りや薬草の採取が捗るようになるぜ!」
彼らが口々にそう言う。
ビッグボアを倒した俺の強さは説明されていたはずだが、やはり目の當たりにしていないため実がわかなかったのだろう。
先ほどの男を一蹴したことにより、やっと俺の強さをじることができたといったところか。
まあ、彼らがいようといまいとあまり変わらない気もするが。
せっかくやる気になっていることだし、水は差さないでおこう。
彼らが実戦を経験することにより、一皮むけるかもしれない。
そうなれば、長い目で見て俺の良きライバルを育てることにも繋がる。
ブラック盜賊団の討伐作戦の件、うまく功させないとな。
まずはその前に、やつらのアジトを割り出す必要がある。
俺が撃破したやつらはこの村で捕縛したままだ。
やつらを尋問して、アジトの場所を聞き出すことにしよう。
最果ての世界で見る景色
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