冒険者登録を済ませたところ、先輩冒険者３人組に絡まれた。

赤い三連星の名乗るＣランク冒険者の男たちだ。

「ギ、ギルドの修練場を使ってください……。外で爭うと、衛兵が來ちゃうので……」

付嬢の先導のもと、ギルドの修練場とやらに向かっている。

彼は赤い三連星にビビっている様子だ。

こいつらのを叩き直して、堂々と仕事ができるようにしてあげないとな。

「こ、こちらです。木剣や防も用意していますので、好きに使ってください」

ふむ。

修練場は、し小さな道場といったじの大きさだ。

部屋の隅には、木剣や防が用意されている。

「へっへっへ。木剣だろうと、まともに當たれば骨の１本や２本は折れちまうものだぜ？」

「ギャハハハハ！　まっ、せいぜい當たりどころがいいことを祈れ」

「覚悟しな」

三馬鹿がそう言う。

「へっへっへ。ここは俺にやらせてもらうぜ」

三馬鹿のリーダー格が木剣を手に取り、そう言う。

「そりゃねえよ、リーダー！」

「俺にやらせてくれよ！」

殘りの２人がそう食い下がる。

生意気な新人をボコるという遊びは、さぞや楽しいだろう。

その権利を取り合っているわけか。

「おいおい。まさか、１人ずつ俺と戦うつもりだったのか？　お前らごときが、１対１で俺に勝てるわけがないだろうが」

俺はそう言う。

まさか１対１で倒せると思われるまで侮られているとは思わなかった。

まあ、１対３でもまず負けないだろうが。

「なにい？」

「いい度だ、ルーキー」

「１対３で勝てると思ってんのか？　バカが」

三馬鹿がそう言う。

リーダー以外の２人も木剣を握る。

「託はいい。さっさとかかってきな」

チョイチョイ。

俺は手招きして、彼らを挑発する。

「ちっ！　くたばれやコラ！」

リーダー格がそう言って、俺に斬りかかってくる。

三馬鹿の頂點に立つだけあって、きはそこそこか？

村の若者や盜賊団メンバーよりもし強いじだ。

とはいえ、期待外れだな。

Ｃランク冒険者というからにはもうし強いかと思ったんだが。

俺は特に回避作も防勢も取らず、棒立ちで木剣をける。

バキッ！

木剣が折れ……ない？

木剣ごときを俺のに勢いよく打ちつけて、折れないはずがないのだが。

フィーナを襲っていた盜賊たちの金屬製の剣をけた際には、あっさりと折れていた。

あのときとの違いはなんだ？

振り下ろされる速度自は、盜賊たちよりもこの冒険者たちのほうがし速い。

「ほう……。俺のを打ち付けて、木剣が折れないとはな。なかなかいい素材を使っているようだ。それとも、お前が何かしたのか？」

俺はそう問う。

気や魔法などという不思議な技がある世界だし、俺の知らない別の技がまだまだあっても不思議ではない。

「ちっ！　気を込めた攻撃をモロにけて、なぜ平然としてやがるんだ」

「ば、化けかよ、このおっさん」

「ふざけやがって。何かの間違いだぜ！」

三馬鹿がそう言う。

俺の問いにまともに答えてくれていないが、ヒントはあった。

どうやら、相手の木剣には”気”とやらが込められているようだ。

能力を向上させる気とやらの応用だろうか。

「おらぁ！」

「くたばりやがれ！」

「ぬうんっ！」

三馬鹿が、気を取り直して俺にラッシュをかけてくる。

もちろんそのままけてもいいが、何度もけているとさすがに木剣が折れてしまうかもしれない。

剣が折れると、試合が終わってしまう。

もうしこいつらの技を観察したい。

ここは、回避する。

そして、俺は回避しつつ三馬鹿の木剣に目を凝らす。

「ふむ……。なるほど。確かに、木剣が何かで覆われているようだ」

俺はそうつぶやく。

木剣の周りに何やらオーラのようなものがある。

これが気とやらだろう。

「気も知らねえ素人かよ！」

「けっ！　Ｃランクである俺たちに勝てると思うな！」

「くたばれやあああぁ！」

三馬鹿が最後の一撃とばかりに、多めの気を木剣に込めて攻撃してくる。

気の雰囲気は摑めた。

そろそろこの試合を終えることにしよう。

三馬鹿の攻撃はそのままけてもいいし、回避してもいい。

だが、ここはーー。