俺は街へ買い出しに行くことにした。

メイドのサキには、殘った仕事を一段落させておくように伝えた。

「わ、分かりました！」

サキが返事をする。

彼はそそくさと応接室を出ていった。

「おいっ、てめぇら！　いつまで寢てやがるっ！！！」

俺は床に転がっているチンピラどもに蹴りをれた。

「ぐはっ！？」

チンピラどもが上を起こす。

だが、立ち上がってはこない。

「俺の弟子になったからには、あの程度のトレーニングでへばってるんじゃねぇ！！」

「ぐっ……。そ、そんなムチャな……」

「どれだけ腕立て伏せをしたと思ってやがる……」

「スクワットのし過ぎで、足がプルプルして止まらねえんだよぉ……」

チンピラたちが口々に言う。

確かに、今日はやり過ぎたかもしれない。

俺にとっては大したトレーニング量ではなかったが、弟子り初日にしてはし多かったか。

（だがしかし、後悔はないッ！！！）

一流の筋は、生半可な覚悟でに付くものじゃないのだ。

多のムチャは必要である。

「いいから立て！　立つんだ！！」

「でもよぉ……」

「しょうがない奴らだな……」

チンピラの癖にがない。

ここでさらに蹴り飛ばして活をれるのもありだが、鞭ばかりでは人は育たない。

時には飴も必要だ。

「トレーニングの後はを食べるに限るっ！　俺の買い出しに付いてこい！　最上級のをたらふく食わせてやるぞっ！！」

「……ほ、本當か！？」

「噓だと思うのか？」

俺は金に困っていない。

ネネコを購したことにより日々の生活費は増したが、それ以上に日々の冒険者活で稼いでいるからだ。

「い、いや。滅相もない……」

「なら、さっさと行くぞ。俺に続けぇっ！！　野郎共！！！」

「お、おう！」

「聲が小さい！　行くぞぉっ！！　野郎共！！！」

「「「おおおおぉっ！！！」」」

こうして俺は、チンピラたちを引き連れて領主邸の応接室を飛び出し、街へと買い出しに向かったのだった。