《遙か夢こうのデウス・エクス・マキナ》第八章 第二話 海向こうに向かって
ブン、ブンと何かを振る鈍い音が広い土地に響く、そこには蒼い裝甲を纏った機兵が自分の長近くある大剣を振るっていた。もちろんマキナである。
現在はクロスメードの試し振りを行っている、マキナとほぼ同程度の大きさを誇る大剣なので一振り一振りが重いものとなるため機力を削がれやすい。そのため扱うにはもちろん慣れが必要である、なのでこうして素振りを行っているのである。
「おもーい!」
「ほらほらしっかり腰を落として!剣に振り回されちゃうよ!」
楓の指導により徐々に上達はしているもののイゼの気が乗っていないのか、中々その先の境地にたどり著く様子はない。楓も完全に扱い方を理解しているわけではないがこれでも數十種類の機兵の開発に関わってきたのだ、最低限の大剣の扱いぐらいはマスターしている。そのためイゼの指導に回っているのである、一応現代では機兵の乗り方畫とかも出ているのでそちらも確認してもらってはいる。
これを數時間続けた後移するといった生活をここ數日続けているのだ。
「楓、そろそろなの?」
「うん、地図を見るじそろそろ見えてくるはずだよ」
現在次の目的地に向けて移中である、その移先とは。
「おっ、見えた」
「うわぁ…すっごい!水がいっぱい!」
そう、海である。実は楓の母方の生まれ故郷に向けて移中なのである、そのためには海を渡らなければいけないためここから近くにある港都市に寄ることになっている。その前にイゼは海を見たことがないということだったので浜辺によることにしたのである。
「楓、楓!近くに行ってもいい?」
「うん、気を付けてね。私も後で行くから」
了承を得たイゼは駆け足で海へと走っていく、波打ち際ぎりぎりまで走り波が寄せて返すその様を不思議そうに眺めている。そーっと手をばし恐る恐る波に手を付ける、浸かった手には冷たい水の覚がやってくる。し遠くに目をやればき通った水の中に小魚の魚影が確認できる。さらに遠くに目をやると。
水しぶきをあげながら港都市のほうへ接近する小山サイズのものが見えた。
「へっ!?」
「おーおーいてるいてる」
楓がイゼの隣にやってくる、何やらあの移の正を知っているような口ぶりである。
「かっ、楓あれが何か知ってるの…?」
「知ってるよ、なんせ私もあれの設計に攜わってるからね。1年ぐらい前の話かな?」
楓によるとあれは水上移都市ノアというらしい、海面下にはカメのような機兵を応用したを設置しており力源を4つ裝備。力源から生み出される莫大なエネルギーを使い主に太平洋間を忙しなく移しているらしい。
そんな水上移都市ノアに今回乗船して海を渡るというのだ、あんな速度を出す巨大に乗るのかとイゼは心配していたが機兵に乗ってるじゃん何をいまさらと楓に言われ納得してしまうしまうのであった。
そんな二人はしばらく海辺でひと時を満喫し、港都市に車を走らせ向かうのであった。
港都市に車した二人はまず船上での生活用品を揃えるために雑貨店に寄る、一応ノアでも買いはまんべんなくできるのだが如何せん混み合が半端ではないと聞く。そのためこちらの港都市で買いをしておいたほうがいいのだ、食料品、類、消耗品等々買い揃えていく。
「ふぅ、こんなもんかな?」
「じゃあ、そろそろ戻る?」
「よし、それじゃあノアに向かおうか」
ということでノアに向けて反重力車を走らせる、行先方向に見えるノアはまるで鯨のようにぽっかりと大きな口のようなが開いておりあそこから侵するようだ。
徐々に近づいていくにつれノアの大きさがより際立ってくる、海辺で見たときは小山サイズだったのにこう近くで見るとし恐怖すら覚える。それにしても楓がここまでのものの設計に攜わっていたことに驚きだ、イゼもまだまだ若いのだがその2~3歳年上であろう楓が1年前とは言えそんな時期に関わっていたのだ。機兵の設計、修理、メンテナンスが大好きだと言っていたがここまでとは思ってもいなかった。
ノアの口ゲートを通り抜け地下に存在する立駐車場に移、反重力車を固定し車から降りる。それと一緒に生活必需品も積み荷部分から降ろし臺車を借りて水上移都市ノアの観に向けて歩き出すのであった。
「うわぁ、綺麗~」
移を開始したノアは水しぶきを上げ太平洋を橫斷する、因みに強化ガラスで覆われているため振り落とされる心配もないしノア自が水中に潛ることも可能である。水平線の先に見える島々に目移りしつつ空を飛ぶ海鳥に向かって手を振ったりなどノアでの旅を満喫するイゼ、それに対し楓は飲料水を飲みながらマキナの修理、メンテナンス、改修のシミュレーションを行っていた。というのも今回の事件により裝甲の構造式が変わってしまったがためにメンテナンス方法も多変わったのだ、といっても楓の知る範囲ではあるのだが。
特に事件も起きることなく水しぶきをあげながら水上を移するノア、數時間もすればそんなノアの行き先に巨大な島々からなる大陸が見えてきた。
「楓、あそこがそう?」
「そうだよ、あそこの本島が母さんの生まれ故郷。その中心地にある大都市ヤマトがそうだよ」
そう、今回の目的地は大都市ヤマト。本島にある港都市からし奧に進んだ場所にある大都市ヤマト、そこが今回の目的地なのである。
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