《獻遊戯 ~エリートな彼とTLちっくな人ごっこ~》「俺、日野さん狙いだから」3
彼のジェスチャーは私のうしろ髪を示しているのだとわかり、途端に顔が熱くなる。
「は、はい。しだけ」
「やった、當たった。いいじです。じゃあ、よろしくお願いします」
言うだけ言って、穂高さんは颯爽とカウンターから去っていく。
いいじです、か……。
手は自然と、自分の先をっていた。
たしかに髪を切ったけど、もともと長い髪を十センチほど切り揃えただけだ。
バレッタで留めてひとくくりにしていることもあれば、ハーフアップにしていることもあるのに。
気づくなんてすごいな……。
もし勘違いだったらどうしようとかは考えないのだろうか。
いや、勘違いでも彼に言われた方はきっと悪い気はしないけど。
それもわかっているから、言えるのだろうか。
思い付いたことをそのまま口にできるなんて、すごい。
ダメだ、顔の熱さが収まらない。
この會社にたくさんいる彼のファンたちと、私の彼に対する気持ちは違っていると思う。
見た目も格もスマートで、自然で、なら誰でも憧れてしまう存在だけど、私はたぶん、人間として、穂高さんのことが羨ましい。
私はああはなれない、まったく別の人種だと思っている。
だからこうして取引先として顔を合わせるからと彼に気にかけてもらえる立場になると、気恥ずかしいし、面白いことも言えずに申し訳ないとじる。
周囲ばかり気にしている私には、とても眩しくて、とにかく目を瞑ってしまいたくなる人なのだ。
しばらく彼が去っていったエントランスをぼうっと見つめていた。
とくにされたわけではないけど、一度リセットしようと思い、里見さんに斷りをれてからお手洗いへ向かう。
フロア一階のお手洗いは、総務部と広告宣伝部の間にある。
トイレと洗面臺の他に化粧臺まで備え付けられたそこへ一歩足を踏みれると、「やだもう、超楽しみ」という高い聲が聞こえてきた。
「あ、日野さん。お疲れ様です」
例のふたりだ。
カールした茶髪を耳にかけたっぽい西野さんに、前下がりのボブに華奢なスタイルの松島さん。
「お疲れ様です」
西野さんは付をずっと留守にしていると思ったら、松島さんとここで喋っていたらしい。
先輩として、今日はし忙しいから早く戻ってねと言わなければと思ったが、どうにもうまく言葉が出てこなかった。
「日野さん今日ヒマですか?  仕事終わったらご飯行きません?」
「え?」
「駅前の洋風ダイニング。私たち行ってみたくて」
ふたりは互に私をう言葉をかける。
このメンバーでご飯なんて、行ったことない。
どういうつもりなんだろう。
「……わ、私と三人で?」
思わずそう聞き返した。
すると彼たちは、ニッコリと微笑む。
「はい。私たち仕事でいつも日野さんに迷かけちゃってるし、今ちょうど話してたところなので、ぜひどうかなって」
いきなりどうしたんだろう。
なんとなくこのふたりには嫌われているんじゃないかと思ってたけど、私の勘違いだったのだろうか。
嫌いならわざわざご飯になんてわないよね。
「……はい。ぜひ」
「じゃあ、今夜六時半に、現地集合でお願いします」
私に迷をかけている、と考えてくれていたんなんて。
突然の慣れない會食に怖さもあったが、しのうれしさをじていた。
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