《とろけるような、キスをして。》夜明け(1)

*****

「……送ってくれてありがとう。じゃあね」

「あぁ。ちゃんと後で電話しろよ?」

「うん。……またね」

「気を付けて」

空港の保安検査場の前で、前回と同じく手を振る。

前回と違う點と言えば、二人の関係だろうか。

に言えばまだ変わってはいないけれど。確実に昨日までとは気持ちが違う。

私を見つめるその視線から、絶えず私を想ってくれているのが伝わってきて、こっちが恥ずかしいくらいだ。

今朝起きた時、お互いに何もに付けていない狀態で抱きしめ合って寢ていて。

昨夜の事を思い出し、あまりの恥ずかしさに悶絶した。

"みゃーこ。おはよ"

修斗さんのその寢起きの掠れた聲と眩しい笑顔に、心臓を鷲摑みにされたような気がしてから早數時間。

私はまた、東京に戻る。

今日一日、まともに修斗さんの顔を見た気がしない。

見られなかったと言った方が正しいだろうか。

修斗さんはそんな私を見て、"照れてんの?可い"と言ってまたキスを落としてきたり、いろいろと大変だった。

……これじゃあ、心臓がもたないよ……。

飛行機に乗ってスマートフォンの電源を切ろうとした時に、メッセージが來ている事に気が付く。

"次會った時に、返事聞くから"

そっと、に手を當てる。

メッセージを見ただけで高鳴る鼓

昨夜の、あの時間。

嫌じゃなかったし、むしろときめいた。幸せな時間だった。気持ち良くて、私だってたくさん求めたし。

今まで、ああいう行為は男の人が気持ち良くなるためだけのもので、の人は痛いことの方が多いと思っていた。しかしそれは私の男経験がそうだっただけで。

昨夜は、私にとって今までで一番幸せな時間だった気がする。

私が痛くないように。私が満たされるように。

"ここ好き?"

"痛くない?"

"好きだよ"

"可い"

終始私を大切にしてくれて、甘やかして、私を気持ちよくすることを第一に考えてくれていた。

初めて、男に心から大切にされているという実が持てた。

……気持ち良いって、初めて思った。

思わず頬を染める。

私は飛行機の中で一何を考えているんだか。

不思議と、寂しさはじなかった。

……次會った時の返事の言葉、考えておこう。

を見ている自分の姿が、窓に映る。

そこには、嬉しそうに口元を緩ませている私がいた。

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