《とろけるような、キスをして。》旅行(4)
───翌日。
私は腰の鈍痛に修斗さんを朝から睨みつけ、味しい朝食を食べて旅館を出た。
「みゃーこ、機嫌直せって」
「……」
「……みゃーこ、ごめん。無理させて悪かったよ」
修斗さんが何故必死に謝っているのか。それは昨夜、朝方まで寢かせてくれなかったからだ。
あまりの刺激と快に、私は何度も意識を飛ばした。
しかしその度に、修斗さんはまた腰をかして私をその快で起こすのだ。
無意識に私の腰もき、何度も頭の中が真っ白になりながら聲を響かせること數時間。その時點で早朝になっていたらしい。
日が短いから、日の出が遅くて時間の覚がわかっていなかった私たち。
ようやく修斗さんが果てて一緒に寢てから、アラームが鳴るまでではほんのちょっとだった。
つまり、めちゃくちゃ眠い。
「眠いなら寢ても良いよ?」
「ううん、起きてる」
今すぐにでも瞼が閉じてしまいそうだけど、何時間もかけて運転してくれている橫で寢るのは気がひけるし、何よりもせっかく一緒にいるのに、寢てしまうのはもったいない。
「……修斗さんは眠くないの?」
まぁ、ただの八つ當たりだ。
私はさっきから欠が止まらない。その度に生理的な涙が目に滲む。
しかし、修斗さんは何故かキラキラした表で、いつもよりも元気に見えた。
「俺?全然。たっぷりみゃーこを味わったから、むしろ目が冴えてる。超元気。若返ったじ」
「……変態め」
艶々のとニッと笑った口元から覗く白い歯が恨めしい。
……とは言え、私からも何度も求めてしまったし、……き、気持ち良かったのは事実だし。それも意識を何度も飛ばすほど。
何度イッたかわからないし、何時間抱かれていたのかもはっきりとはわからない。
中が筋痛なのがその証拠だ。特にとお、あとは二の腕が痛い。
余程普段使わない筋を使ったのだろう。
そういう行為で多痩せる人もいると言うけれど、あながち噓ではないのかもしれない。でもそんなことで痩せるのはなんだか嫌だ。普通に運して痩せる方がよっぽど裁が良いってもんだ。
「ほら、あそこにあるソフトクリーム買ってやるから許して?」
道の駅に向かう途中にある、牧場が営むアイスクリーム屋さん。この辺では有名らしく、午前中なのに観客が非常に多い。
「……アイスは寒いから嫌」
で釣ろうなんて、私は子どもじゃないぞ。
「う……確かにそれもそうだな。じゃあ何が良い?何食べたい?何してほしい?」
私が嫌と言ったから、アイスクリーム屋さんは素通りして近くにある道の駅に車を止めた。
必死に私に許しを乞う修斗さんに、私は怒っていたはずなのに何故だか段々笑えてきてしまって。
「……ふふっ」
「みゃーこ?」
「ふはっ……、……もう、しつこいな。でもそんなに許してしいなら、……そうだなあ。一つお願いしても良い?」
「うん」
「私、修斗さんが作ったご飯食べたい」
付き合ってから、お泊まりするたびに私が料理をしていた。
修斗さんはなんでも味しいと言って完食してくれるし、それ自に文句は全く無い。
けれど、たまには逆パターンがあっても良いと思う。
「わかった。みゃーこの好きなものいっぱい作るから!」
「そんなにいっぱいあっても食べきれないからほどほどにしてください」
「……はい」
早速修斗さんは「俺が作れるものでみゃーこが好きなもの……」なんて、腕を組んで考えている。
私はそれを見て
「あと、しばらくはおり止ね」
と條件を増やす。
「えぇ!?」
ショックをけた表に、また笑いが溢れる。
「だって筋痛で痛いんだもん」
「……すみませんでした」
さすがに昨日のはやりすぎたと自分で自覚しているのだろう。
私が痛みで朝起きられなくて悶絶しているところを見たから尚更かもしれないけれど。
「それに明日からお互い忙しいでしょ」
「うん……」
修斗さんの手料理も、しばらく食べるのはお預けになりそうな予。
帰りは行きとは違う道を通って、し遠回りして帰った。
どうにも眠くて仕方なかった私は、修斗さんの家には行かずに自宅に送ってもらい、そのままベッドに倒れるようにダイブ。
多分、五秒くらいで夢の中にいたと思う。
そのまま朝まで寢てしまい、起きたら早朝五時だった。
狂愛的ロマンス〜孤高の若頭の狂気めいた執著愛〜
古式ゆかしき華道の家元のお嬢様である美桜は、ある事情から、家をもりたてる駒となれるよう厳しく育てられてきた。 とうとうその日を迎え、見合いのため格式高い高級料亭の一室に赴いていた美桜は貞操の危機に見舞われる。 そこに現れた男により救われた美桜だったが、それがきっかけで思いがけない展開にーー 住む世界が違い、交わることのなかったはずの尊の不器用な優しさに觸れ惹かれていく美桜の行き著く先は……? ✦・━・✦・━・✦・━・✦・━・✦・━・✦・━・✦ ✧天澤美桜•20歳✧ 古式ゆかしき華道の家元の世間知らずな鳥籠のお嬢様 ✧九條 尊•30歳✧ 誰もが知るIT企業の経営者だが、実は裏社會の皇帝として畏れられている日本最大の極道組織泣く子も黙る極心會の若頭 ✦・━・✦・━・✦・━・✦・━・✦・━・✦・━・✦ *西雲ササメ様より素敵な表紙をご提供頂きました✨ ※R描寫は割愛していますが、TL小説です。設定上強引な展開もあるので閲覧にはご注意ください。 ※設定や登場する人物、団體、グループの名稱等全てフィクションです。 ※隨時概要含め本文の改稿や修正等をしています。文字數も調整しますのでご了承いただけると幸いです。 ✧22.5.26 連載開始〜7.15完結✧ ✧22.5 3.14 エブリスタ様にて先行公開✧ ■22.8.30より ノベルバ様のみの公開となります■
8 127【完結】苦手な冷徹専務が義兄になったかと思ったら極あま顔で迫ってくるんですが、なんででしょう?~偽家族戀愛~
「こちら、再婚相手の息子の仁さん」 母に紹介され、なにかの間違いだと思った。 だってそこにいたのは、私が敵視している専務だったから。 それだけでもかなりな不安案件なのに。 私の住んでいるマンションに下著泥が出た話題から、さらに。 「そうだ、仁のマンションに引っ越せばいい」 なーんて義父になる人が言い出して。 結局、反対できないまま専務と同居する羽目に。 前途多難な同居生活。 相変わらず専務はなに考えているかわからない。 ……かと思えば。 「兄妹ならするだろ、これくらい」 當たり前のように落とされる、額へのキス。 いったい、どうなってんのー!? 三ツ森涼夏 24歳 大手菓子メーカー『おろち製菓』営業戦略部勤務 背が低く、振り返ったら忘れられるくらい、特徴のない顔がコンプレックス。 小1の時に両親が離婚して以來、母親を支えてきた頑張り屋さん。 たまにその頑張りが空回りすることも? 戀愛、苦手というより、嫌い。 淋しい、をちゃんと言えずにきた人。 × 八雲仁 30歳 大手菓子メーカー『おろち製菓』専務 背が高く、眼鏡のイケメン。 ただし、いつも無表情。 集中すると周りが見えなくなる。 そのことで周囲には誤解を與えがちだが、弁明する気はない。 小さい頃に母親が他界し、それ以來、ひとりで淋しさを抱えてきた人。 ふたりはちゃんと義兄妹になれるのか、それとも……!? ***** 表紙畫像 湯弐様 pixiv ID3989101
8 107TSしたら美少女だった件~百合ルートしか道はない~
ある日、理不盡に現れた神様によってTSさせられてしまった田中 由。 しかし彼の身の回りではそれを境に何故かトラブルが………いや待て、これはどう見ても神様のs………(田中談) さて、田中くんは普通の學園生活を送れるのか!?
8 165悪役令嬢は斷罪され禿げた青年伯爵に嫁ぎました。
斷罪され、剝げた旦那様と結婚しました。--- 悪役令嬢?であるセシリア・ミキャエラ・チェスタートン侯爵令嬢は第一王子に好いた男爵令嬢を虐めたとか言われて斷罪されあげく禿げたローレンス・アラスター・ファーニヴァル伯爵と結婚することになってしまった。 花嫁衣裝を著て伯爵家に向かったセシリアだが……どうなる結婚生活!!?
8 101男嫌いの悪役令嬢はイケメン悪魔と契約し攻略対象から逃げ切ります
男嫌いの侯爵家令嬢とイケメン天然ピュアな悪魔のおかしな戀愛物語。--- 前世から男嫌いで觸られると蕁麻疹の出る體質なのに乙女ゲーム世界に転生させられた私…侯爵家令嬢アリーセが考えた唯一の方法!それは悪魔を召喚して男とか攻略対象とかから遠ざかること!!………と思っていたのに召喚した悪魔がイケメンだしこいつにだけは觸れるし蕁麻疹でないし?ちょっと私も変だし?
8 60親の操り人形は自らその糸を切ろうとしている
幸せな親に恵まれた青年 毒親に支配された少年 青年は交通事故に遭い、家族を失った。 少年は親から逃げ出し孤獨になった。 運命の悪戯は彼ら二人が出會うことから始まり、協力し合うことでお互い幸せを手に入れたかった。 しかし、青年が言った「交通事故を調べたい」この一言が二人の今後を大きく変えることになる…… ※カクヨム様、エブリスタ様にも連載中です。
8 188