《元豚王子VS悪役令嬢》
「え?馬がいるの?」
と俺は、フェリクス・フーデマンという従者に王宮おうきゅうないを案してもらいながら俺の馬がいることを聞いた。
「はぁ…まぁおりますが…殿下は1度も乗馬したことはなくその…つまりですね…」
とモゴモゴ口を濁すのを察した俺。
「あ…うん、俺太ってるから乗れないんだね?」
するとフェリクスがギラリと腰の剣を俺に渡して
「ももももも!申し訳ありません!私めをお斬りください!!」
「いや、何で!!??」
フェリクスに何したんだよ過去の俺よ!
「とにかく見てみたいなぁ馬」
「解りました…後で夕飯にお出しするのですね?」
「いやするわけないでしょ!!見に行くだけだよ!!どんな馬なのか!俺記憶ないんだって!生まれ変わるから!前の俺忘れてくんない??」
「はっ…、はあ」
フェリクスは怯えながらも馬小屋まで案した。そこには恐ろしくしい白馬がいた。
「おおお!やっぱり王子って言えば白馬だな!名前はなんて言うんだこいつ?」
「セレドニオです殿下」
と世話係のカールという中年男が現れた。
「ふーん、セレドニオか…ってもいい?」
「それは!食べると言うことですか!!??」
カールが泣きそうな顔をした!
「違うよ!!並みとかるだけだよ!食べるわけないだろ!!」
もうやだ!皆俺のこと凄い目で見てくるわ!どんだけ嫌われてたんだ!!
俺はそっと手をばしてって見た。
しかしセレドニオはブルルっと走って行った。
馬さえも嫌ってるのか。
「セレドニオ!戻ってこい!食われるから!王子に食われるから!」
食わねえよ!!
くそー!この型が全て悪いんだ!見た目が変わると人ひとも変わるって言うし!!
「セレドニオ!待ってろよ!お前にいつか俺はってまたがってやるからな!」
俺は決心してまず、俺の部屋に大量にあるお菓子を全部出して見た。
出てくる出てくる。あちらこちらから!ベッドの下から枕から。額縁の裏。機の中。本の間。金庫。ありとあらゆる場所からたんまり出てくる!
「太るわ!!こんなん!!フェリクスさん!」
「何でしょう殿下?私目のことは呼び捨てでどうか!!」
「あ…?そうなの?…んじゃフェリクス…このお菓子さあ、街の孤児とか貧しい人に配ってくんない?後、お祖父さんおじいさんとかから貰ったやつもついでに」
「だだだ!大公爵だいこうしゃく様からの贈りををを!!?孤児にいいいいい!!?」
フェリクスが気絶しそうだ。
「…俺…今後、菓子斷ちかしだちするから。おやつもいらない。朝あさはパンとサラダとスープ、夜はサラダと魚料理メインではれないで」
「あああ…ジークヴァルト殿下でんかが本當に生まれ変わられた!!」
フェリクスはシェフにすぐ様伝えに行った。
そして俺はダイエットを始める。宮廷の庭をランニングしたり、スクワットに腕立て伏せ、腹筋、背筋はいきんを毎日、最初はない回數から徐々に増やしていく。
汗は凄い出るしかなりしんどい。
でもやるしかない。
時折ユリウスやエリーゼがそれを見ていた。
見てろよ!お兄ちゃんは変わるから!
馬に乗れる白馬の王子様になるんだ!
トレーニングが終わると俺は毎日セレドニオの所にいって慈の神で眺めた。
しでも警戒心を解いて貰いたくて餌も持參したりしたが中々俺の手にあるものは食べようとしない。
くっ!負けるか!
*
「何なんですって?あの豚王子が痩せるトレーニングを始めた?お菓子を…孤児に寄付きふしたですってええええ!?」
クラウディアは従者のヘンリック・エアハルトからその報告を聞いて驚愕した。
「信じられない!何を企んでいるの?記憶を失ったフリをして!」
「ほ、本當にフリなのですか?」
「私は騙されないわ!何か企んでるのよ!あの豚よ?婚約者を決める時に貴方あなた見てたでしょ?貴族の達を広間に集めて!」
「は…はい…あれはお嬢様にはお辛いおつらいことでした…」
「そうよ!あの屈辱!私はあいつを許せないわ!絶対に何かある!信じちゃダメよヘンリック!」
クラウディアはギリギリとハンカチを噛んだ。
*
そんなこととは知らず、俺はトレーニングを終え風呂にる。風呂に鏡がついている。
だらしないの塊を見てうんざりする。どう見てもモテない。前世の俺より酷い。
髪は金髪で目は青いけど型が全てを臺無しにしている。
「俺が痩せて馬に乗れるようになってクラウディアさんも一緒に乗れたら素敵だろうなぁ」
俺はしい赤い髪のクラウディアさんの見た目は結構好きだった。中めっちゃ怖いけど!!からだはスラリと細だけどはあるしやっぱりだ。
しかし悪役令嬢がヒロイン位置で本ヒロインが悪役位置なこの世界…本ヒロインがいるってことだよな…。クラウディアさん大丈夫なんかな?なんかあったら助けたいけどこの容姿ではなぁ…つかこの姿じゃ本ヒロインも近寄って來ないんじゃないか?
「早く痩せないと!」
それから數日後すうじつご、クラウディアさんがやって來た。どうやら前の俺が彼を毎週定期的に茶會に來いと城に登城させる命めいを出していたそうで!!
「ご機嫌よう…ジークヴァルト様…あらし痩せたかしら?気のせいねきっと…」
相変わらず機嫌が悪いし、俺やっぱり何かしたんだ!でないとこの態度はない。
俺は恐る恐る聞いてみた。
「あの…クラウディア嬢…俺、もしや何か失禮なことを?」
ガチャリとカップを置いてクラウディアは俺を睨んだ。
「本當に都合がいいわ!記憶喪失など!!貴方あなたが私に何をしたか!そうね、ないと言うなら教えて差し上げましょう!」
「貴方あなたは!あの、舞踏會ぶとうかいの選で!私に向かって「こいつにする!」と言ってミートパイを私のドレスに投げつけたわ!」
「えええ!!」
俺は驚愕した!なんてことをしたんだ!前の俺最低だ!
「ふん!まだ猿芝居?大方おおかた忘れましたー、とか言ってやり過ごす気だったのよね?もう演技はお辭めになられたら?」
「いやいや、そんな!謝罪する!本當にそんな酷いことをしてしまいごめんなさい!本當に記憶がないんだ!許してください!何でもします!」
「では婚約破棄を!」
「ええ…それはちょっと…」
「ほうら!やっぱり!そこだけはしないって何よ!やっぱり私達を騙して私を逃がさない気なのね!!」
まずい!クラウディアさんがますます怒る!
「…俺は君の為に痩せるんです!ちゃんと約束は守りますからそれまでどうか待ってください!」
俺はまた土下座どげざした。
彼は扇子で口を隠し
「なんて醜い豚…」
本來なら不敬罪でクラウディアさんは打ち首発言だろうけど俺は罵られてもとにかく痩せることを考えた。
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