《元豚王子VS悪役令嬢》第31話 ヒロインと

(レーナ嬢…とりあえず次の満月にホワコンの所に行こうと思う。貢の用意を頼む)

とあの王子から手紙が屆き呆れた。

自分は鮮姫と上手くいってるからいいよ?

だけどどうだ?ヤンデレ王子はクラウディアに惚れてしまうし私を拒んだ。

思わず壁をガッガッと毆りつけてしまう。

私はヒロインだろ?

前世私は…いわゆる見た目不良娘であった。皆から恐れられる孤高の一匹狼として學校でもぼっち。友達いない…。ある日ちょっと暗めの子…オタク子が群がって向けのライトノベルの想をきゃあきゃあ言ってた。

私は放課後本屋でその本の表紙を見た。…買うか買わないか…。そもそも面白いのすら解らねぇ…買ってないからな。ガヤガヤとの子達の群れがこちらに近付いてくる気配に咄嗟にそいつを抱えてレジに向かった。レジの男にガン飛ばしながら急いで帰宅して読んだ。

で、一応全巻読んで出た想が……イケメンで金持ちと暮らせば最強!

ということだった。ヒロインは何人かのイケメンと知り合うが王子はまだいいが従者やら騎士とかはそんな金にならないしメインのジークヴァルトは婚約者に型を散々馬鹿にされ、夜會で拗ねている所に優しくて可らしいレーナと出會い心をれ替えダイエットに勵み、痩せて目も眩むようなイケメンに変貌し、クラウディアに婚約破棄を言い渡しレーナと末永くと言う展開だった。途中、ヤンデレイケメン王子が邪魔しにきたり、他のイケメンがヒロインに甘いをしにくることになっていたが。

ある日私は自殺しようと線路に降りたおっさんを見かね、助けようと自分も線路に降りておっさんを蹴り飛ばしてレールの外に出したが自分が出するのは無理でそのまま死んだ。

すると忙しそうなOL風のババアがやってきて

「あなた…死にたてね?まぁ…とりあえず人を助けて自分がグチャグチャになったことは讃えますはい!」

「おいてめえ!労われよ!グチャグチャとか言うなよ!!」

ここがどこかは知らないがまぁもう死んだということは判った。

「じゃあ…あなた…行っちゃう?ヒロインの座なら空いてるから!」

「あん?ヒロインって…」

私は最近まで読んだあのライトノベルを思い出した。

「そうそれよ?あなたはまってたわよね?その世界よ」

「待てえこらぁ!そのライトノベルでは確かにあっさりヒロインと結ばれる設定だけどよ!?なんか最近の転生モノは転生したら悪役令嬢のがヒロインで本ヒロインのが悪役になるやつ多いって…オタク達話してた記憶が…」

「………………」

「おいこらぁぁぁ!そういうことかよ?やっぱり私本ヒロインだけど悪役で転生すんじゃん!!」

「…だって…いい合に本ヒロインの役とか空いてるし貴方ならほらっ、イケメンの金持ちくらいとっ捕まえれるわよ?」

「……あのライトノベルの挿絵で見たヒロインは平らに近かった…顔は可いけど…悪役令嬢よりもなかった…をあいつよりもくれ!そんで力もくれよ?どうせ悪役ヒロインになるなら…気にらないライバル令嬢をぶっ飛ばす!!」

「おお…流石元ヤンですはい!ではそれが特典ということでおっけ?」

「おっけー!」

そして私は転生した。

「なのになんでだあああ!イケメンは?金持ちは?何でこんな巨で顔も可いくての子っぽく喋ってみたりしてんのにあのヤンデレはデレないんだよおおお!それどころか怖がってるし!!クラウディアとジークヴァルトはもはやラブラブだしよ!!」

私は部屋で手紙を握りつぶした!

そもそも約束が違う!紹介は確かにしてもらったがヤンデレは私に気がなくクラウディアに夢中だ!そりゃクラウディアはだ!

でもあたしにもこのと可い顔も喋り方もあったのに!!

「ちちちち!ちくしょおおおお!ふざけやがって!特にジークヴァルト!!自分だけ幸せになりやがって!同じ転生者だってのに!!何であいつだけ!?最初から王族転生した奴はいいよな!!くそっ!あたしも王とかにしてもらえばよかった!!」

私が怒りで部屋の椅子をぶち壊した次の日の夕方に兵士と弟と従者と婚約者を引き連れたジークヴァルトがやってきた。満月は明日だから今日はうちに泊めてやるのだ。

「どうも…ジークヴァルト様…クラウディア様…それにユリウス様」

およそ王族に対しての挨拶もそこそこに睨みつけた。

「怖っ!どうしたレーナ嬢!?」

「すみませえええん?あまりにもリア充がうっっざいのでえええ!ほんとっうちの屋敷でラブラブは控えてしいですわああ!」

「兄上…レーナ嬢は何を言って?」

「さあ?あいつはちょっとおかしな奴だからね?気が立ってるようだしユリウスくんはちょっとローゼちゃんと散歩でもしてきなさいっ」

と奴が促すとユリウスとローゼはうなづき仲良く歩いていった。クソガキどももかっ!

「レーナ嬢…前世の言葉なのでしょう?リアジューとかラブラブとか…」

とクラウディアが言うので私は驚いた。

「へええ?おいヘタレ!おまえこいつに喋りやがったのか!いつの間にそんなラブラブしてんだ」

「おおお、お前はっ!!」

「レーナ嬢…なんて喋り方!はっ!そっちが本?」

「そうだよ!鮮姫さん!私は前世でもこういう喋り方だったんだよ!ヤンキーってヤツだったんでね?」

「まじかよっ!ひいい!怖いはずだ!」

「なんですの?そのヤンキーとは?」

「クラウディア…ヤンキーってのはな…つまり忽で暴な奴だよ。チンピラだよ。街に出て肩がぶつかったら、ああん?痛ってーな!?てめ何すんだ?とか言ってすぐ喧嘩売ってくる部類だよ」

「ええ…そんな方だったのですか?よく今まで隠していましたわね?」

「うるせえよ、お嬢様には解らねぇだろ?」

「しかしヤンキーもライトノベル読んでたとはな…」

「うるせえな!クラスのオタク共が読んでたから気になって買っただけだよ!私はオタクじゃないからな!?まぁイケメンで金持ちなんかどんなでも憧れるだろ?」

「…オタクとは?」

「こいつみてーなどーてーだ」

「違うし!!お前下品なこと言うな!後俺は軽音學部で…」

「はぁ?楽やってたんか?」

「……いや…下手すぎてラップに変えて死んだ」

「ぎゃははは!なんだそりゃ?だっせええええ!」

とウケてるとクラウディアがごほんと咳払いして

「私の解らない前世の話はもういいですわ!お二人で盛り上がられてもついていけませんわ!」

と膨れた。

「ご、ごめんよクラウディア…」

「おい…ジークヴァルト…私ももう前世のことはいい!この世界に転生したんだ…だからこそ金持ちのイケメンとくっつかせろ!お前だけずるいだろ!こんなと!」

「なっ!ずるいって…紹介はしたしお前が後は頑張れよ!俺だってなぁ!痩せて鍛えたりレベル上げたり國かにしようとしたり頑張ったんだぞ?お前は何をした?男を探してるだけか!?この世界に來たならもうヤンキーはやめてお前も努力しろよ!そりゃジャンルな世界なのは認めるが…」

「………あのヤンデレは私を拒んだ。お前ももちろん拒んだ。…私はモテないのか?男なら巨が好みと思って神に頼んだのに」

「それ特典だったのか…」

「…ジークヴァルト様もうお辭めください…レーナ嬢が震えてます!彼ですよ?レーナ嬢…貴方は十分可い方だと思いますわ。でも気が荒すぎるのも問題ですわ…まず、らしくなさったら?」

「うぐっっ」

姫は高貴だがちゃんと侯爵家令嬢だ。金持ちのは教育されてやがる。敵わねえな…。私も演技でお嬢様言葉を喋ったりしてるが慣れない…。それにイケメンと金持ちにこだわりすぎていて余り周りを見ていなかった。

私は一息ついて言った。

「…ご無禮を…クラウディア様…貴方は正しいですわ…。私は心をれ替え伯爵令嬢として振る舞いましょう。すぐには悪心は消せないかもしれませんが…。私の力が必要な時はお頼りくださいませ」

と頭を下げた。ジークヴァルトがそれを見て

「ヤンキーが改心した…クラウディアすげえ!金髪先生みたい!」

していた。

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