《元豚王子VS悪役令嬢》第34話 たまにはデートしたい!
夜中まで頑張って祈りと寶珠の浄化をした俺は、終わると疲れてバタリと気絶するように眠った。
んでまた例の神殿に來る。
「お疲れ様ですはい!」
いつもの神だがどことなく灑落込んでいるな?
「ふふっ…気付いたわね?私の魅力に!実はっぽい下著も買いましたはい!今から合コンでありますはい!」
知らねーよ!ババア…。
「ババアではなあい!」
とまたぶっ飛ばされる。激突しても痛くはないけど。
「んじゃ、チャチャチャとレベルの報告をしましょうねはい!」
俺は壁に突き刺さったままだらりと手を上げた。
覚えた奇跡の力は
1.軽度の火傷が治る
2.霜焼けが治る
3.ひび割れ・ささくれが治る
4.水蟲が治る
5.胃痛・腹下しが治る
6.関節痛が治る
7.疲れ目が治る
8.耳鳴りが治る
9.毒・麻痺が治る
10.軽い骨折・ヒビが治る
「やっぱりショボいじゃねーか!!水蟲とかいい加減にしろや!!」
「何を言っておる!毒や麻痺や軽度骨折まで上がったじゃない!あの汚ったない寶珠でもそこまで上がったのだから謝なさいはい!」
と神は言う。まぁ確かに…毒や麻痺は助かるな…こないだみたいにクラウディアに毒を盛った輩が現れても助かる。
すると神はシュシュシュっと香水を吹きかけ
「それでは私は時間なので行きますねはい!ここからはの戦が始まるのです!はい!」
と気合いをれていた。
「頑張ってくれ…」
力なく笑うと視界は白くなる。
同時に目を開く。
視界にが心配そうな顔を覗かせていた。
「まぁ!目が覚めましたのね?ジークヴァルト様!良かった!晝まで目ざめないのでし心配してましたわ!」
俺を心配とか可いな!クラウディアは本當に可い!
しかし…
「は!晝!?俺はそんなに寢ていたのか!!ごごごごめん!朝の訓練をさぼっちゃったよ!ええとクラウディア人形の売り込みも…それから…」
するとクラウディアはゆるゆると首を振り言った。
「ジークヴァルト様…今日は全部お休みしましょう?お疲れなのですわ?だから晝まで眠っていたのでしょう。祈りを捧げて浄化して…」
「で…でも…休んでいるわけには…」
するとクラウディアの綺麗な手が俺の頰をでた。思わずドキッとした。
「ジークヴァルト様は…頑張り過ぎです!たまにはお休みください!本日はジークヴァルト様の休日ですよ?のんびりとお過ごし下さい!城の者にも伝えておりますわ」
この婚約者の気遣いに俺は嬉しくなる。そう言えばこちらに転生してから半年俺はダイエットや訓練にレベル上げ、クラウディア人形、夜會…なんかもういろいろと頑張り…王子には休日なんかないだろと思うし、貧しい民はそれこそ休んじゃいないんだろう。
「俺が王になったら…國民にも休日を作りたい。俺が転生する前の世界では一般人…庶民にも毎週2日と祝日には休みがあったしゴールデンウィークって言う長い休みだってあったんだぞ」
と言うとクラウディアは
「そうですか…実現できるといいですわね…。でも今日はジークヴァルト様のお休みですわ。好きに使ってくださいまし」
とクラウディアは微笑む。
思わず抱きしめたくなる顔をするなよ!
「あのっ!じゃ…じゃあさ…そのぅ…クラウディア…暇なら俺と…お忍びでデートして下さい!!」
と俺は真っ赤になり言った!!言ってやったわ!!子とデートすらまともにしたこともない俺が!!
「あの…デートとは何でしょう?」
キョトンとするクラウディアにああ、そうかと説明する。
「ででで…デートとは…その仲のいい男が…人などが二人でどこか…この世界なら街かな?…お出かけすることだな!」
「それが…デート…」
クラウディアも混して赤くなる。
「嫌ならいいんだよ?クラウディアの都合もあるだろうしの子は支度もあるだろうし…ってあっ、お忍びだしな…俺も庶民の格好をしなくては…」
「庶民の格好で…お出かけ…」
侯爵家の令嬢が庶民の格好など失禮だったかもと俺はやっちまったか?と後悔した。
「やっぱり無理かごめんなさい。大人しく庭で畑でも耕しておきます…」
「そっちの方が疲れません?…私なら何とかなりますわ…メイドに服を借りてきますわ…それから行きましょう!」
「じゃあ…デートしてくれるの?」
「え…ええ…ジークヴァルト様のお休みですから…付き合えと言われれば私は逆らえませんわ」
「あっ、いや…だからそういうさあ、命令じゃないんだよ?クラウディアが行きたいか自分で決めるんだ…もし嫌な相手なら斷っていいんだ」
するとクラウディアは赤くなり
「嫌ではありませんわ!庶民の格好なんてしたことはないのですが…どうせ今王都にいるのですからすぐに街歩きは可能ではありませんか」
と言われてああ、そう言えばここは王宮じゃなく王都の中にあるタウンハウスじゃないかと気付いた。すぐにでもデートできる狀態だった!
「じゃ、すぐに準備して行こう!いいか!?従者なんて連れて來ちゃダメだぞ?庶民だから俺たち!変裝すんだから!…っとそう言えばあのエロ狐…いやコンちゃんはどうした?」
「コンチャーン様は起きて朝食を取られた後…その…また娼館へ行かれましたわ…鼻唄まじりに」
「………なんて汚れた神獣だ!クラウディアあんなのの側には近寄らない方がいい!」
「と、とにかく準備して參ります!後ほど!」
とクラウディアは一旦部屋から出て行った。れ替わりにフェリクスがってきて事を説明すると庶民の服を手配してくれた。
俺の庶民服はとりあえず目立たなくて地味で茶のちょっと長いシャツ…チュニックと言うらしいを著て腰の辺りをベルトを閉めておく。皮のズボンを履き庶民様の革靴を履いた。上著代わりにウールのマントを羽織っておく。
仕上げに髪をボサボサにして丸メガネをかけておく。もはや前世でお灑落してデートは無理だった。というかダサくなってるし!もはや演劇部のチョイ役あるわ!!
案の定クラウディアも赤い髪は頭巾で隠して白灰の膝まであるワンピースを腰のベルトをつけ上から茶のショールを被りこれまたダサい。
そう…この國は復興途中とはいえまだまだ貧しいのだ!そこらのライトノベルのようにキャッキャウフフなんてできるわけねぇ!
「うふふ…こういう服を著るなんて思いませんでいたわ!私なんだか楽しくてはしゃいでしまいますわ!」
ウフフしとるがな!!
「そ…そうだなぁ…うん、行こう!」
フェリクスとヘンリックがタウンハウスの玄関まで送り、
「言ってらっしゃいませ!殿下…クラウディア様!ブフー…!!」
と明らかに堪えきれない笑いで見送った。
お前後で締める。
丁度その頃タウンハウスにユリウスくんとローゼちゃんが殘りの兵士と共に帰ってきて玄関から出てきた俺たちを見て彼のクールな顔が歪んだ。いや、ひくついていた。
「兄上…お姉様…帰った側から笑わせないでください!クフッ!」
君もか!ユリウスくん!!
「うるさいね!俺はもう行く!今日は夕方までクラウディアと貴族辭めるから!」
とさっさとハウスを出て街へと出たのだった。
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