《元豚王子VS悪役令嬢》第37話 ジークヴァルトの嫉妬
クラウディアとなんかいい雰囲気の時に絶妙なタイミングでってきたイケメン…。
そいつは待った無しで俺をブン投げた!
ドシャリとい石畳に倒れる。
そして無理矢理引き起こされあっという間にあっさりと俺は壁に顔を押し付けられていた。
凄い力で振り解くことも抵抗することもできない。
どうやらクラウディアが襲われてると勘違いしたらしいが…。
「師匠!!ちょっと待ってください!この方は!」
「いやあ僕の可い弟子のクラウディアちゃんに悪い蟲がついていたからね!とりあえず切り刻んで殺してもいいかな?」
ボキボキ指を鳴らし怖い笑顔で近付くイケメン。
ヴァイオレンス!!
「ダメですわ!この方は私の婚約者!!ジークヴァルト様ですわ!!」
「え?…王子?またまたそんな!……」
と俺の顔を良く見たが、
「ほら違うじゃない!これがジークヴァルト様なわけないだしょ?だってあの豚王子が…」
「痩せて変わりましたの!昔とは違うんですの!!師匠は國を出ていたから判りませんでしたのよ!」
とクラウディアの必死な説明でようやく納得したらしい。
「クラウディアちゃんがそう言うなら噓ではなさそうだね…とんだご無禮を。だが、牢にる前にしクラウディアちゃんと話したいなあ」
「ジークヴァルト様!どうか変わりに私を毆ってくださいませ!師匠の無禮は弟子が被ります!」
って謝られたら許すしかないじゃあん!クラウディアを毆れるわけないじゃあん!
「も…もういい…」
と言い、イケメン師匠はクラウディアと俺とを引き連れある場所に向かった。
そいつはダニエル・ディーバー。
昔のクラウディアの剣と絵の師匠らしい。
おおいクラウディア…まさか師匠だからって気になってないわけじゃないよね?さっきイケメンには気を付けようねって言ったよね?
だが婚約者は懐かしさをじるのか二人で俺を置いて昔の話をしている。
「クラウディアちゃんは本當に綺麗になったなぁ!あの頃もとても可らしかったけどね」
「そんなことありませんわ!ダニエル師匠も素敵ですわ!また手合わせしたいですわ!」
「いいね!今度やろうか!楽しみだよ弟子の長が!」
と仲良く二人は酒場で盛り上がっている!
そう…ここは酒場だ!庶民が唯一騒げる場所であり報収集に持ってこいな店であり、そして未年はヤギのミルクしか飲めない店だ。
「うふふ、師匠と手合わせ楽しみですわ!」
クラウディアがにこにこ楽しそうに笑う度に俺は面白くない。ダニエル師匠もそれに応えうっとりとクラウディアを見ている。間違いない!こいつクラウディアに気がある!そりゃこんなですし!昔からの知り合いだしクラウディアに剣を手取り足取り教えていたんだろうし?まだ20代そこらと言うことは判る。
「ダニエルさん…ご結婚は?」
一応俺は聞いてみたが…
「いえ、していません…僕には想い人がいまして…その子は全く気付いてくれないけどね…」
とクラウディアを見た。
もう間違いなーい!何でクラウディアは気付かないんだよ!師匠だからってそんなわけないって思ってるんだろうけど警戒心無さ過ぎてもう辛い!
「まぁ…師匠の好きな方…素敵な方なんでしょうね?」
「うん…とても久しぶりに會えたんだけどまだ気付かないしし笑ってしまう。本當に彼は綺麗だ。心も芯が強くて変わっていない」
もうそれクラウディアのことーー!!
「そうなのですか…その方とても鈍いのかしら?師匠…応援致しますわ!頑張ってくださいね!」
するとダニエルはがしりとクラウディアの手を両手で摑んで言った。
「そうか!ならクラウディアちゃんどうか応援してしい!俺の好きな人は目の前にいる!赤い髪で赤い瞳の俺の弟子だ!」
ジッと見つめて言いおったーー!!
流石にクラウディアも気付いた。遅いっっ!
ていうか手を離せおい!と俺はその手を離そうと頑張って引っ張ってみたけどびくともしない!流石クラウディアの師匠!
「あっあの…まさかその…私…なんですの?」
おろおろとクラウディアは赤くなったり青ざめたりを繰り返してチラチラと俺を見た。
「すいません…クラウディアと俺は婚約してるんですけど…」
「知っているが…クラウディアちゃん…男は強い方が好きだと昔言っていたろう?僕は強いよ?クラウディアちゃんを守ってあげられるよ」
いや!王子と婚約してるって言ってんだろうが!!なんだこいつ人の話聞いてる?
「あの…私その…困りますわ…師匠にはそんな気持ち抱いたことありませんの…」
「そうだよね?でも僕はずっと思っているよ…。離れている間に婚約者にさせられたと言うのは國外の噂でも聞いたよ。…パイを投げられて決められたってね?」
ギロリと俺を恐ろしい顔でダニエルが睨んだ!
「うぐっ!そっそれは…」
それは俺じゃないと言いたいが流石に転生のことは言えないし…!
「そ、そのっ!昔のことですわよ!あれはただの王子の照れ隠しだったのでもう誤解は…」
「酷いよねえ!一國の王子ともあろう者がにパイを投げつけるなんてさ!俺がその場にいたら斬り殺していたかもね…悔しかったろうクラウディアちゃん?我慢しなくともいいんだよ?そんな屈辱をよく耐えたね」
と言う。俺に勝ったという挑戦的な目を向ける。力も敵わないし、クラウディアも恐らくはこいつに敵わないしイケメンだし…
「……俺は…クラウディアがむなら婚約破棄くらいいつだってしてやる…でも俺の片想いでも今の俺はクラウディアが大好きなんだ!」
クラウディアはそれを聞き真っ赤になる。
ダニエルは睨み
「よく言う…。口ではなんとでも言えるだろう…。だが過去は変えられない!貴方はクラウディアちゃんに酷いことをしたという過去はな!」
それにショックをけた!嫉妬で煮えくり返っていたの中が俺ではないのに責め立てられていく…。気付くと俺は青くなり震えていた。
何てけない。俺は金を置き店から飛び出して走った!
「ジークヴァルト様!お待ちを!」
「クラウディアちゃん!返事を!」
そんな聲が聞こえたが俺は扉を開けて外へ出た。
しばらく走りどこかも判らなくなった。俺は街を知らなさ過ぎる。このまま王子など辭めて消えてしまうか?幸いこんな格好は王子とも思われないだろう。復興とかクラウディアが隣にいるなら頑張ろうと思った。國民の為…そう思っていたのに、クラウディアが他の人に取られるとなると俺はこんなにもダサくて弱くなるんだ。何が奇跡の王子だ。傷を治せても心の傷は治せない。
(そうだ…お前はただの弱蟲だ…クラウディアの側にいる資格はないな…)
「…誰だ!?」
辺りは暗くなり始め周りを見るが誰もいない?
酷く気分が悪くなった。
その時
「ジークヴァルト様!!」
クラウディアがこちらに掛けてくる!俺が王子だから心配で守りに來たのか?俺はクラウディアを守れない…いつだって守られる側だとダニエルに言われたようなものだ…。
だからクラウディアが手を差しべた時にパシリとその手を払った。
クラウディアは一瞬酷く悲しい顔をした。
「俺に無理をしてらなくともいい…。我慢もしなくていい。守らなくていい…。もう俺は……王子なんか…王子なんか…」
(そうだ言え!王子なんか辭めると!そしてその…俺様に返せ!!)
俺はハッとした。
この聲…って…まさか…。
「ううっ…ああああっ!うわあああ!!」
頭を押さえて俺は意識を失った!
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