《元豚王子VS悪役令嬢》第60話 恐るべき一方通行ラブ発生

俺はクラウディアとトラウトナー伯爵邸に向け馬車を走らせていた。

何故かクラウディアの弟のテオドールくんも赤い目をギラつかせながら…馬車の上に乗っている!!

つか何で上に!?

テオドールくん曰く

「流石にお姉様と殿下の邪魔はしませんのでお二人で馬車に乗ってください!僕は刺客や魔から守る為馬車の上で結構!!」

とギラリと睨んで威圧が凄いので何も言えない!

普通に馬か者臺に乗りゃいいのに何で上!?と思ったがクラウディアに

「実は…弟は…馬に乗れませんの…馬の方が怖がって避けるのです…者臺に乗っても馬が怯えて…」

と言った。そりゃそうだよね!!あの威圧なら俺が馬でも逃げ出すわ!!

「ふふふ…殿下馬に乗れず申し訳ありません!」

と目が笑ってないのに笑うテオドールくんめっちゃこええええええ!!

「ああ…うんまぁ…でも馬車の上で大丈夫なの?」

「大丈夫ですよ、髪でしっかり捕まりますし闘えますからね!」

と言うので仕方なく俺とクラウディアは馬車に乗る。ヘンリックやフェリクスは気を利かせたのかやはり馬の方に乗った。

そしてレーナ嬢がコンちゃんの治療にはよ來い!と手紙で寄越すので(実際はもっと丁寧に書かれていたが要約するとほんまお前さっさと來ないと許さんからな!!)みたいなじだったしとりあえず急ごうか…と馬車を走らせているのだがっっ!!

クラウディアが…向かい合わせじゃなくて隣りにぴったり座っている!!何で!?いや婚約者だからいいんだけど俺の心拍數凄いよ?

というか最近クラウディアが積極的なんだけど?

アスカとの件が終わった頃から…稱で呼び合うようになったし(二人の時)

「あのジーク…手を…握ってもいいかしら?」

ともじもじしながら言うクラウディア可い!

「う、うんいいよディア…」

と手を繋ごうとした時…

天井からグッサーと髪のの剣がぶっ刺さった!後しズレてたら死んでるから!!

上から

「すみません殿下…お姉様…ちょっとバランスを崩しましてえー…お許しくださいねー」

と恐ろしいイケボが上から聞こえた!

明らかに狙ってたろ!!?

「テオ…」

クラウディアがちょっと膨れた。

髪はそのまま引っ込んだが天井に空いたからギラリと赤い目がっていて俺は恐怖した!

「ディア…ちょっと…離れようか?」

と言うと

「何故ですの?私がお嫌いですの?」

そんなわけないだろう!大好きだ!!

「いやいや…だって…あ…」

馬車がガタンと揺れて思わずクラウディアは俺にしがみついた!あ…なんからかいしいい匂い!ああ…っ!

と思ってたら馬車の窓を突き破って髪のがぐるぐる俺に巻きつきクラウディアと引き剝がされた。

「テオ!何をするのよ!!」

とクラウディアは天井にんだがテオドールくんは

「馬車が揺れて殿下がお怪我をされたら危ないでしょう?こうして僕が安全に固定して差し上げてるんですよー」

と返ってきた。お前は安全ベルトかっ!!

もはやこうなると何もできないので俺はぐるぐる巻きにされたままトラウトナー伯爵邸へと向かうことになった…。

テオドールくん…口では諦めるとか言っていたが全然諦めていないようだな…流石だ…。

馬車はようやくトラウトナー伯爵邸について俺たちは伯爵家の従者に案されてコンちゃんの元に行った。部屋を見てコンちゃんがベッドに縄で縛りつけられ更に全包帯でミイラみたいになってるのに驚いた!!

「コンちゃん!!生きてんの!?」

「やっとおいでなさいましたの?ジークヴァルト王子にクラウディア様…それと……え?」

レーナが何故かテオドールくんを見て固まった。

手をブンブン振ってみるが瞬きせずテオドールくんを見てそして顔を赤らめた!そして

「殿下?こちらの超素敵なお方はどなたですか?」

と敬語で聞いた!

「えっ?クラウディアの弟のテオドールくんだけど…」

と言うとレーナがカーテシーをし

「ま、まぁ!私トラウトナー伯爵が令嬢…レーナと申します!以後お見知り置きを!!是非!!」

と顔を赤らめキラキラした瞳でテオドールくんを見つめたが…テオドールくんは氷みたいに冷たい目で

「テオドール・バルシュミーデです…お姉様と仲良くしていただいてるご令嬢ですね…」

「ははは!はいい!クラウディア様とはとても仲良くしていただいていますの!!クラウディア様は素晴らしいお方ですの!!テオドール様もとても素敵です!!」

どうしやがったレーナ嬢は?金持ちのイケメン狙いじゃないのか?いやテオドールくんはイケメンだけど王子ではないよな?

コンちゃんがその時包帯ぐるぐるのベッドをガタガタ揺らした!

「ど、どうしたコンちゃん!?」

と耳を寄せると何か言ってる。

「ず、ずるいぞ!…あのレーナ…我が倒れた時看病は雑だしろうとしたら更に指の骨は折ってくるしメイド達にも悪さしないよう足も折られるしあの聖にやられた時より怪我酷いんだが!」

「それお前が完全に悪いだろうケダモノめ」

自業自得もあるのかよ。

「うるさい!さっさと治療せよ!レーナがあんな男に惚れておるではないか!!?」

んん?

「コンちゃん?」

「我はこう見えても形だろう?絶世の形だろう?なのになのにあのレーナ!我に酷いことばかりするのだ!照れ隠しにも程があるが全く靡かん!!おかしい!我は巨には飽きておるがけないながらもってやろうと頑張ったのに余計ぶん毆られるし折られるし!」

「いやだからそれ癡漢だよただの!」

「ともかく我にこんな扱いをし続けるレーナが気になって仕方ない!早く治療せよ!あの男にレーナが盜られる!」

まさかのっ!!コンちゃんがレーナに惚れてる!流石ジャンル!もういい加減にしろや!!

クラウディアはこっそりとレーナに聞いていた。

「あの…うちの弟はイケメンですが王子ではありませんのよ?家格は上でも…」

「気にしませんことよ?私…テオドール様を見て雷が落ちたような気持ちがしましたの!!これぞ運命というやつではありませんの?一応侯爵家ですしうちよりお金はありますし!クラウディアお姉様とお呼びしても?」

「いや…早いですわよ…それにうちは…」

とクラウディアが一応説明したが

「それ知ってる。読んだ。でも弟くんのことあんまり書かれてなかったからこんな素敵なイケメンとは思わなかった!…まぁ近親婚とか古い時代にはよくあったってことでしょ??でもぉー?私がテオドール様の子供を産めば…私の怪力と赤髪の能力を持った最強の子供ができますかもしれませんわよ!?お姉様!!」

とレーナが赤くなる。

そんな最恐の子供嫌だ!!聞こえた會話に俺は顔をしかめつつコンちゃんを治療していた。

ようやく全の骨や傷が回復したコンちゃんはスルスルと包帯を解いて

「流石奇跡の王子!謝するぞ!そしてそこの赤髪の男よ!!この神獣に跪け!」

と全で踏ん反り返る様はもはや絶世の形だろうがなんだろうがただの変態であった!

「きゃあっ!」

とクラウディアはまた目を隠して俺の後ろに隠れた。

「これが…神獣ホワコンのコンチャーン様か…お姉様になんてものを見せてるんだ…神獣と言えど許せません!ソレを斬り落とすか!?」

と恐ろしいことを言っている!

コンちゃんも全

「人間如きが!怪我が治った我に敵うと思うてか!?我のソレを斬る前に其方のソレを斬って子にしてやっても良いのだぞ?」

二人してたちの前で何言ってんだこいつら!!こえええよ!!

するとレーナがコンちゃんの頭を摑みゴシャアっと床に沈めた!!

「このど変態が!!いつまで全でいるんだ!服を著ろ!!失禮だろうが!!後、テオドール様に何かしたら私がお前のソレ千切る!!」

と怒鳴った。おい、とうとう本ヒロインまで恐ろしいこと言ってるよ!!

「あ…レーナ…痛いぞ?」

「殿下ー?このケダモノ神獣の骨をもう一度折ってもよろしいですかぁ?」

とレーナが言うが

「あのな…いちいち治療するのめんどくさいからやめろ!」

「お姉様…見てください!殿下とレーナ嬢の仲の良さ!あれ浮気ですよね?もう許せません!お姉様やはり僕と結婚しましょう!」

「いや、待てや!!違うよ!こんな怪力バカ絶対やだわ!!」

「私はジークヴァルト様と結婚しますの!」

「レーナ…痛い…」

もはや俺とクラウディアを除いて一方通行なが渦巻いていた!

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