《元豚王子VS悪役令嬢》第66話 アスカの出會い

私は聖霜月明日香を捨て、ただの魔となることにした。

…ジークヴァルトやクラウディアと別れた後…私は北の方に転移した。

神レシリアの加護は消えたが…私のは未だ不死で魔法も使える…か…」

確かにレシリアの加護國であるはずの國から加護は消え、魔の気配がちらちらするようになっているとじた。レシリアは何らかの処罰でもけたか…?

転移特典とやらで私のチートや不死のは消えないまま…ジークヴァルトやクラウディアがザスキアの加護を増やし私の不死をいずれどうにかしてくれると今は信じてみるしかない…。

「その為に私はイケメン探しの旅に出たけど…しまったわ………お金がない…」

何でジークヴァルトからお金を貰わなかったのかしら!!いや握手して爽やかに去る場面だったし!お金くれとか、ブッシュバウム滅ぼしといて言えないわよね!!一応リュックには食べを詰め込んだけど…転移魔法は魔力を消耗するから持ってきた食べで補ったのでもうリュックは空だ。

「…土下座して貰うべきだった!?だって…これじゃ何も買えない!!」

チートなのに攻撃力はチートなのに!今まで帝國の皇族に囲われてたから食べとか運んできてもらうのが普通だったし!やばいわ!私!お、思い出すのよ!転移する前の子供の頃!學校でキャンプとか行ったはず!!

そう確か火を起こして飯盒炊飯でご飯炊いてカレーを作る!!

…………この世界……米がないいいいいい!!

どころかカレールーもない!!

「カレーを思い出したらお腹が減ってきたわ…。ここ…どこよ?」

私は森の中を歩き出した。時折魔(塊)が現れるので私は魔法で焼き殺していく。斬撃魔法で斬ると酷く臭うこいつらを始末するのは火炎系魔法が一番だ。

すると…

「ぎゃあああーっ!たっ助けてっ!!誰かっ!」

と助けを求める聲が聞こえて私はそちらへと急いだ。男が魔に襲われている!

庶民?何で危険な森にるのよ!

とりあえず私はその男を襲っている魔達を風魔法で蹴散らし空中で一気に炎魔法を使って倒した!

男は所々魔に齧られたのかだらけだ。

ちなみに私は攻撃魔法はチートだがジークヴァルトのような治癒魔法は全く使えなかった。私自は不死なので自分のが破損したり首が飛んでも自己修復で治るが他人に治癒魔法をかけることは出來なかった。

「元聖なのに治癒すらできないなんてね」

男は立ち上がれずに私を見ている。

あら?もしかして運命の出會い?

…違うわね…この男は別にイケメンではないし、むしろ普通。良くも悪くも普通だわ…。ジークヴァルトの噓つき。

「あの…君は…」

男が私の名を聞く。

「アスカよ…私は魔アスカ…」

「ま…魔?」

男が不思議がる。當然だ。魔法はまだこの世界に広まっていない。私のいたヘルマや元レシリアの加護國のいくつかくらいかしら?

でもその加護も消えて私以外に魔法を使える者はいないでしょうね。後はザスキア加護の魔法とはし違う能力者くらいね。

「アスカ…様?なんと…しい…漆黒の髪に瞳…うっ…」

男は痛みに顔を歪めた。

「大丈夫?貴方?私治癒できないのよ…」

「うっ…僕の…家…」

そうか…この人を助けたらとりあえず何か食べを貰えるかしら?

と私は彼に浮遊魔法をかけて運ぶことにした。

男は驚いていたがそのまま自分の家に案した。森を出てししたら村が見えてきた。

そして村の外れの方にポツンと男の古びた家があった。

「兄ちゃん!!」

と男の弟らしき子供が出てきた。私が支えながら家の中のベッドに寢かせた。

「ごめん…ティモ…薬草採って來れなかった…」

と男は言う。

ティモと言う弟は涙ながらに

「そんなのいいんだよ!!今お薬持ってくる!」

と小さなお部屋からバタバタ出て行く。

「あはは…助けてもらってお禮も言わずごめんなさい…僕は…カミル…カミル・ゾルガーと言います…本當にありがとうございましたアスカ様」

「別にいいわ…ねぇ…ここはなんて言う國のなんて村?」

と一応聞いておく。

「ここは…エルネスタ公國の端の國境沿いのフィルツ男爵領のメルト村だよ…うちは薬屋なんだけど薬草を取りに森にって魔に…」

「そう…それは災難だったわね…私が通りかからなかったら死んでたわね」

と淡々とクールに言う。……良い流れだわ。そろそろお禮にご飯を…。

「兄ちゃん!薬持ってきた!」

「カミル!!大丈夫?」

弟とカミル達の母親かしら?

それにしても似てない親子ね…。そう…カミルは普通だが母親と弟は桁外れに容姿が整っている。弟は長するとイケメン確定だろうし、母親もしいマダムに見えた。

「だ…大丈夫で…」

「貴方がカミルを助けてくれたの?まぁ!ありがとうね?旅の方!!」

「ありがとうお姉さん!!」

よしっ!今だわ!ご飯を!!

「この國の公都ラグニアの方では…ダモンが公王様や公子様等をっているらしくとても危険な狀態です。旅のお嬢さん…あまりそちらに行かない方がいいわ」

と母親がカミルを手當てしながら言う。…ご飯。

「…そうダモンが…大変ね」

「…アスカ様は不思議な力で魔から俺を守ってくれた…凄い人だよ…」

とカミルは言う。そんなのいいから早くご飯を…。

「本當にありがとう!そうだわもう今日は泊まってくださいな…こんな家ですが」

と母親が言う。來た!ここだ!

「そうね…宿を探していたしお言葉に甘えることにするわ」

ぐうううううう!!

キメ顔で盛大な音を立てお腹が鳴り、三人はクスクス笑い出した。

……失敗したわね…。

もぐもぐとご飯を平らげるアスカをティモと母親がポカンと眺めている。アスカは…大食いだった。沢山食べるのに太らない!なんというチート胃袋!

「凄い食べるねお姉ちゃん…」

「ティモ!いいのよ…」

と母親は言う。

不死とは言え魔力を使うとお腹減るものね。

「失禮…馳走になったわ…」

母親がカミルに食事を持って行こうとしているので私は

「助けてもらったので私が食べさせに行きます。お母様もご自分のお食事を!」

とまだ手をつけてない母親の食事を見る。

「まぁ…アスカさんありがとう…ふふっ…カミルにもこんなしい娘さんがお嫁さんに來てくれたらいいのに…」

と言っていたがとりあえず食事を運んでカミルの部屋へ行く。

「あ…アスカ様…そんなこといいのに」

を起こすカミル。

「いいのよ。食事を沢山いただいたし…さあ、お口を開けて」

「え!?いや!僕自分で食べれます!!」

とカミルは慌てた。

しかし傷がし痛んで顔をしかめた。

「ほら、無理しない!あーんして!」

とカミルの口にスープを流し込む。

カミルは赤くなり大人しくなった。あら、熱でも出てきたのかしら?

「貴方熱が出てる?顔が赤いわよ?」

「!!」

「ご飯が終わったら眠った方がいいわ」

と私は言う。それにしても…どこかでお金をもらわなきゃね…この國はダモンが蔓延ってるらしいし、別の國に明日転移でもしようかしら?

「アスカ様はもう明日…行ってしまいますか?」

とカミルはし寂しげに言う。

「そうね…ちょっとお金もないし…働き口を探そうと思って」

「なら…僕の代わりに村人に薬を売ってもらえますか?僕怪我をして…いつもは僕が店番で…って何言ってるんだろう…ごめんなさい…」

ふうん…しでもお金が貰えるなら怪我が治るまでここにいるのもいいわね…。

「判ったわ。貴方の怪我が治るまでね」

と言うとカミルが嬉しそうな顔になった。何度も禮を言われた。

それから私はカミルの代わりに店番をしていると村人達にカミルさんの嫁様に凄いが來なすった!と話題になったようだ。何故か敬語。

「すみません変な噂になって!」

とカミルは謝るがここに居る間だけだしねと気にしないでおく。

するとある日村娘の一人がやってきて…私にガン飛ばしてきた。

「貴方…カミルさんの何なの?嫁って噂だけど!?あたしはこの村の村長の娘のマリーナよ…」

あら…あんな普通顔のカミルでも一応モテてた。これは…どう言えばいいのかしら?

「私は店番だけど」

「だから!カミルの嫁なの?」

「結婚はしてないわ」

と言うとマリーナは…

「ならさっさと出て行きなさいよ余所者!カミルさんの側をうろちょろしないで!」

うーん、困ったわ誤解されている。

すると包帯を巻いたカミルが降りてきた。

「マリーナさん…何をしていているのですか?」

「はっ!カミルさん!!ごっごめんなさい!騒がしくて!でもっ…この方はどういった関係でしょうか?」

また敬語?

「……恩人だよ…魔から助けてくれたんだ…」

「魔からっ!?森へ行ったのですか?お一人で!?何故私共にお聲をかけないのですか!?第二公子様!!」

と言うマリーナに…あっ!という顔で額に手を當てるカミル。

それにマリーナはハッとして口を閉じた。

カミルって公子様だったんだ…。

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