《元豚王子VS悪役令嬢》第85話 レーナとテオドールとコン

私…レーナは悩んでいた…。

イケメン2人に取り合われるなんて!前世では考えられないモテっぷり!!

しかしコンの奴は顔だけはいいがエロ狐だし、私に惚れてても平気で娼館に寶珠を作りに行くやつだ。無理!後、金がない!無理!

その點テオドール様はもはや完璧と言っていいだろう!浮気は絶対しない家柄だし、ちょっと姉に本気でしてたのは引くところだが、そういう家系設定だしな。

しかし後ろめたい…。私は何というか噓をついた。テオドール様が酔っ払って寢てしまった時にお部屋にお連れしてとりあえず服をがせて私も服いで適當にシーツ巻きつけて寢転がっていて朝目を覚ますまで待っていて、彼が目を開けて

「は?」

とか言って驚いていたのを。

これは偽裝工作である。何もしてないのである。しかしテオドール様は誤解してしまった。クソ真面目に自分が酔った勢いで襲ったと思い込んだのだ。

彼はそれから私に謝罪したり優しくなったりした。流石に…私は…

「胃が痛くなった…ジークヴァルト様…胃治して?」

とジークヴァルトとクラウディア様のところに相談に行った。

「自業自得だろ?人を騙すからそうなるんだ!」

「まぁテオが私を追いかけ回さなくなったので助かりましたから私は構いませんわ」

とクラウディア様が言う。

「いいな、君達は。相思相だし!私なんて心苦しくて後悔してるわ!既事実の工作なんてするんじゃなかった!!テオドール様凄いマメに真剣に花束とか贈ってくるんだ!う、嬉しいけど罪悪が…」

「もう素直に謝れよ」

「それで私がテオドール様に殺されたりしたらどうするのさ!やるよ!あの人真面目だから騙されたと知ったら私の首飛ぶよ!」

と言うと

「そしたらコンちゃんのとこに逃げりゃいいじゃん?コンちゃんは大歓迎してくれるよ」

「嫌だ!コンはエロいことしか考えてないし、絶対浮気するし…ていうかもう今から不誠実だろ?」

「うーん、じゃあ、各地を放浪してイケメン金持ち探しの旅にでるとかは?大丈夫…レーナなら盜賊が出ても1人でぶっ倒せるよ!」

「お前こら、めんどくさくなってきてんだろうが?人の路を!」

するとクラウディア様が優しく

「レーナ嬢…正直にテオに話すのです…。何もしていないと…。嫌われるかもしれませんが、我が一族は昔から真面目でい者が多いんです。今、テオはレーナ嬢に酷いことをしたと思って盡くしています。そうすれば噓がバレた時に殺されることはないかと」

「ひっっ!!やっぱり殺されるじゃないの!!」

「だから旅に出ろよー明日香なんて見てみろ。王子様の婚約者にちゃっかりなったじゃん。俺の助言のおかげだ」

流石奇跡の王子…確かにな、こいつの言うことももっともだな…他國に行って金持ちのイケメン男を見つけるのがいいのかもしれない!!

「よし!逃げるわ!殺される前に!」

と言うと2人は驚いた。

「え?マジで?冗談だったのに!?」

「冗談でしたのに…」

「何よ!あたしだって命は惜しい!何も言わないまま逃げて金持ちのイケメンを探すわ!じゃあね!今夜行くわ!」

「ええー?急だなぁ…」

とジークヴァルトは仕方ないと言ったがとりあえずは応援した。

深夜屋敷の者が寢靜まった頃を見計らい、旅人の服をに著けて荷を纏めて私は伯爵邸を出て行くことにした。

ごめんね、テオドール様…凄くイケメンでドストライクだったけど諦めるわ私。

無理矢理罪悪を抱かせ続けるのも私が罪悪に悩むのも終わりよ。私は自由だー!!

ようやく門の所に著くと赤い髪を結んだ綺麗な男が怖い顔で睨んでいた。

「こんな夜更けに何処へ行くのですか?そんな格好で?」

「テオドール様!!?なっ何故!?」

「コンチャーン様が…レーナ嬢が僕を捨てて今夜出て行こうとしていると言ったので待ってました」

と言う。コン!あの野郎!人の頭を読んだな!?

「一どう言うつもりなんですか?僕に責任を取らせてくれないんですか?」

と言うので私は観念した。

「すみませんテオドール様!!全部噓です!!貴方様がお酒に酔った時に私がお部屋にお連れして貴方様の服をがせてさも私を襲ったように見せかけた噓で!私何もしてません!!ただ同じ布団で目を覚ますまで眺めてただけで指一本っておりません!!」

その白狀にもう私は首斬られるなと思って頭を下げた!

「な…何もしていないと?」

「はい!何にもっ!!ですから私をお斬りいただき、またクラウディア様を想っていて良いのです!!」

「そうか…それで君は僕に殺されるのが怖くて他の土地に行こうとしていたのか…」

「そ…そうです…」

「君は…僕が好きでは無かったのか?コンチャーン様はレーナ嬢の頭の中は僕で7割くらいだ。と言ってたのに!」

コンあの野郎!また余計なことを!

まぁ0・5くらいはコンで他は金持ちのイケメンだろうけど。

「私は噓をつきました。次期侯爵様に。貴方が好きなのでもう噓をつくのが心苦しいのです!!テオドール様はもう私に遠慮することなく自分の好きな人をすることができるのです!さあ、もう殺してくださいな!」

と私は目を瞑る。

するとふわりと優しく抱きしめられ私はぎょっとした!

「テオドール様?」

「僕を置いて他の人の所へ行くというのですか?例えそのような行為は無くとも婚前前の男が素っで同じベッドにっていたらもうダメです!うちのしきたりでそんなことをしたらもう結婚しないといけないんです!もう母様と父様にも伝えております。うちの一族に目をつけられたレーナ嬢は逃れませんよ?」

「えっ…何もしてないと言うのに!?」

「そうです!僕は逃しません。浮気も許しません」

そう言うとテオドール様が私の顎を持ち上げキスした。

ふおおおお!!!ああああ!!

を話すとテオドール様は

「レーナ嬢と婚約します…貴方は僕のものです」

し赤くなり言った。

「テオドール様っ!!」

私はテオドール様に抱きつくと

「うぐっ!」

と聲がした。あっ…私の満なが當たってしまったわね。いや、當ててんのよ?か?

ま、幸せだからいいか!

後日、テオドール様と婚約して大浮かれのレーナはクラウディアのことをお義姉様と呼び出した。こいつと親戚になるのかよ…と思ってげんなりした。

でもコンちゃんはを引いたのか。神獣だし心も読めるしなぁ…。まぁコンちゃんだからいつもみたいに遊びでもしてるだろと思ったら

珍しく落ち込んで王宮にある池にぽちゃりと石を投げてめちゃくちゃ落ち込んでいた!!

「こ…コンちゃん…だ、大丈夫?」

「ふっ…王子よ…流石の我も惚れたに振られたのは辛い。しばらくそっとしておいてくれ。と遊ぶ気も起きんわ」

とぽちゃりと石を投げた。

「何十年か前も…の大きなしたことがある。しレーナに似ている…というかレーナの先祖だ」

「ええっ!!初耳だ!!」

「ルーナって言ってな…。でもやっぱり他のイケメンと結ばれて我は振られた。我は孤獨を癒す為に々なと遊んだが満たされぬ。だからレーナに惚れた時はまずいと思ったわ。また振られると判っていながら。……だからの大きなは嫌なんだ…」

「コンちゃん…」

「ふっ……ふっふっ!ふはははは!!なんてな!!騙されたな王子よ!!狐は騙すのが得意だ!しんみりなどしておらんわ!金をくれ!娼館に行く!高級とイチャイチャしてやるから早く金くれ!!」

と言い俺は半目になり金を渡した。

「ふっ!ではな!!王子よ!良い寶珠を期待しておれー!ははは!」

とコンちゃんは去っていった。

「素直じゃないなぁ…コンちゃん…」

去っていく狐の耳は終始垂れ下がって尾も全然いてなかったから凹んでいるのは丸わかりなのにな。

今思えば何故コンちゃんが住んでいた山がレーナの領地にあるのかが何となく判った気がした。

がんばれ、コンちゃん!と俺はかに応援しておいた。

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