《元豚王子VS悪役令嬢》テオドールの溫泉デート

僕はテオドール・バルシュミーデ。

赤髪の一族としてこのブッシュバウムで知らぬ者はいない。

僕は今までしいクラウディアお姉様にしかには興味はなく、うちの筋を殘す為に一族から婚姻を結ぶ者を出すことはい頃から教え込まれてきたが僕はお姉様以外には有り得ないと思っていた。

事実姉にをしていた。普通の家なら気持ち悪いと思われるだろうが、うちの一族は変わっていたから気にも留めなかった。言いたい奴には言わせておけ!が我が家の家訓である。

しかししい姉は豚王子の婚約者にされ、パイを投げられドレスを汚して帰って來た姉に僕は酷く王子にイラついた!王子でなければとっくに殺していたかもしれない。それほどまでに王子への憎悪はあった。

王子が心変わりし、姉が王子を好きになるのが判ると更に憎さは増したがどうにもできない。

時は経ちレーナ嬢と初めて會った時はその辺の娘でただ力が強いだけかと思うは野蠻な面もあり口調がちょろちょろ変わる。

正直好きではなかった。

むしろ冷たい視線で無視するしかなかった。お姉様にフラれた以上僕は赤髪の親戚の誰かと結婚するしかないのだから。

だがいろいろあって酔っ払って目覚めるとベッドの前にシーツにを巻き付けたレーナ嬢がいた。完全に酔っ払ってやってしまったし、金際お酒は飲むまいと決めた。

しかし全く記憶がない。しくらい覚えていないのか?とレーナ嬢を観察したり謝罪を言ったりプレゼントを贈ったり、彼に優しくしたりとにかく付き纏った。僕があまりに付き纏うからついに彼も避け始めた。

僕はそれに何かショックをけた!

「そう言えばお姉様も鬱陶しそうにされたし…ぼ、僕はしつこくてうざい男なのかもしれない!!」

そう言えばここ何日かはずっとレーナ嬢に付き纏っていて彼の顔しか覚えてない。僕がお姉様以外のの顔を覚えるなんて!!

とまたショックをけた!

レーナ嬢はクリクリした大きな瞳に綺麗なピンクの髪に顔もらしくがデカい!!別に変な意味で見るわけではないがあのサイズは合う服を探すのに大変そうだ。僕がなら肩が凝りそうだ!

事実よくレーナ嬢を隠れて観察していると

「あー…肩凝ったー!やべえ…マッサージ機しいいいい」

と言ってることが多い。

マッサージキとは?何だ?

そんな時コンチャーン様からレーナ嬢が逃げ出そうとしていることを知り、僕は夜中にこっそり出て行こうとするレーナ嬢を捕まえたのだった。にキスをしたのも初めてでこれはもう結婚するしかないと思った。

そして現在…僕は5時間前からレーナ嬢の家の前で馬車を止めて待っていた!!そう真夜中であった!

朝になりカーテンを開けた彼があんぐりして僕を発見してシャッとカーテンを閉めて急いで支度して出てきた!

「て、テオドール様!!いつからそこにっ!!」

余程急いでいたのかゼェゼェ言っている。

「…………今來た所ですよ」

と言うと絶対に噓だという目を向けられた。

「では行こうレーナ嬢」

と手にキスをすると彼はあっさり溶けた。

「ふぁぁい!いつ來たとかもうどうでもいいですぅ!」

と馬車に乗り街に向かった。

僕は実はの人とデートをしたことがない!

今日が初めてだった!張していることを悟られてはいけないので気を引き締めているとレーナ嬢が

「テオドール様…顔が怖いです…どうしたんですか?」

と言うから

「レーナ嬢を狙った奴が周囲にいないか警戒をしているんです」

と言うと

「いや…そんな奴いたら私ぶっ倒せますし…」

と拳を作る。うん…そうだな。彼なら賊も一撃必殺だ。

「そうか…レーナ嬢は自分で悪漢を倒せるから僕の手助けはいらないか」

と言うと

「いえっ!そ!そんなぁ!レーナ守られたいですぅ!テオドール様に守られたいですぅー!」

と汗をかいた。

「そう言えばこの馬車はどこへ?ローマン様みたいに歌劇とかですかあ?」

とレーナ嬢が聞いたので僕は

「ああ…溫泉ですよ」

と言うからレーナ嬢がゴフッと吹いた!

「?大丈夫か?馬車の揺れが酷いですか?」

ここら辺の道は確かに悪いな…補正が必要だ。殿下に進言しておこう…。だってさっきからレーナ嬢のが弾んでいる。いや、別に変な意味で見ていない。

「おおお、溫泉!?」

「そうです…レーナ嬢は日頃からお疲れのようだし…ゆっくりしてもらおうと思ってお連れしたんですが」

「え?やだ嬉しい!!でででもそれってこここ混浴!?テオドール様とこここ混浴!!?」

レーナ嬢はついにニヘニヘしだした。

「いや男別に決まってますが。結婚前の男でいやらしいことなど僕はしません!」

と言うと

「ああ…そうだったよ…この人めっちゃ真面目だったー!」

とボソボソ言うのが聞こえた。そんなに僕とりたいのかこの人は!混浴って他の男もいたらどうする気なんだ!!

溫泉に著くとなんか凄い警備がしていた。何だろうかと思っていたら知り合いの騎士団の男が顔を見せた。

「テオドール様!」

「やあ…プリッツくんだったかな?何してるの?」

と言うと

「陛下と王妃様が參られてますので。知らないんですか?ジークヴァルト殿下が溫泉を出してから陛下はいたく溫泉が気にって毎日來ているんです!」

「まっ!毎日だと?」

「まぁ魅力ですよねー溫泉は様々な効能があってさっぱりしますし、お年寄りには人気ですしー」

とレーナ嬢が言う。陛下はまだ40半ばだが…。

「それにジークヴァルト様がここら変を溫泉街にする計畫もしてるとかで私もちょっと手伝ってるんですよー?溫泉饅頭や溫泉卵もいいですよー?」

と笑った。うちの國はどんどん発展していくなぁ。他國から來る人もかなり増えたし。戦爭していたのが噓みたいだ。いやもう戦爭なんてほんとに起こらないかもしれないな。

「卓球だけはできたんで後でやりましょうね!テオドール様!」

と言う。

タッキュウ??また知らない言葉だ。たまに殿下も訳わからないこと言うからな。仲がいいな。レーナ嬢と殿下。兄妹みたいに思えてくるからお姉様の時とは違ってあまり腹は立たないが。

溫泉に浸かりそこで陛下と會い挨拶をする。

「いやあーテオドールくんも來たのか…溫泉はいいだろう?ジークヴァルトがね、私が凄く気にったというからこれからいろいろ増やしてくれるらしいんだよ!この溫泉施設がさらに発展するよ?楽しみだよ!?ふふふ疲れも取れるしカタリーナとも仲良くできるし」

と綺麗な顔を陛下は歪めた。

「陛下…お幸せそうで何よりです!のぼせますからほどほどに…」

「そう言えばレーナ嬢と來たんだってね?そうか…ならば…この後タッキュウをするんだね?」

陛下が聞いてうなづく。

「あ、あれは…なんというか人払いをしたほうがいいぞ、テオドールくん…他の男に見られたくないならね!」

「は?タッキュウするのに人払いですか?…よく解りませんが陛下が仰られるのでしたらそうします」

と言うと陛下は僕の肩をガシリと抑えて

「いいか、テオドールくん!とりあえず見とけ!!いいか?見逃すなよ!?」

と親指を立てて見送られた。

なんだ一

その後言われた通り人払いをしてユカタとかいうのに著替えて待っているとレーナ嬢が気たっぷりで出てきて心臓が止まりかけた。

そしてラケットを渡してレーナ嬢は言った。

「私…卓球得意なんです!テオドール様行きますよーっ!」

とカコンと球をテーブルに打ちつけた。僕は陛下の言ってた意味が解った。レーナ嬢のからとりあえず目が離せなくなったことは別に変な意味ではない。

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