《元豚王子VS悪役令嬢》ユリウスとローゼの子供
「うっ…うっ…」
と泣くローゼに僕は寄り添うことしかできない。
僕はこの時16でローゼは18だった。
僕とローゼは婚前前に子供が出來てしまい大切に育てようと決めたが、ローゼに嫉妬したがローゼが1人の時を狙い階段から突き落としローゼは助かったが、子供は死んでしまい悲しみにくれた。
*
父上が退位し、ジーク兄上が陛下になり…王弟殿下である僕ユリウスは兄上とクラウディアお義姉様の子で奇跡の王子の力と赤髪の一族の力を持って産まれた子…甥っ子のヴィルフリートが2歳の頃…
僕とローゼも結婚した。
僕が18歳でローゼが20歳を迎えた頃、すぐにプロポーズして結婚して王都クラリアンに新居として邸を構えて死んだ子供を思いながらも幸せな毎日を送った。
しかし中々子供に恵まれなかった。
王都の発展もあり、學院建設や々な施設を建設していたり、僕も忙しかった。また悪い貴族の闇を葬ったり…そういうことも裏では徹底して懲らしめた。この王都クラリアンは常に綺麗なものにしておかなければならないからね。
「ごめんなさい…ユリウス…」
すっかり大人になり綺麗過ぎる僕の天使で可い妻のローゼは結婚しても中々子供ができずいつも悩んでいた。前の子を死なせてしまった負い目もあった。
「気に病むことはないよローゼ…」
と妻を抱きしめて頭をでると
「私…きっと墮天使だから子供が出來にくい呪いでもあるのかもしれない。それか人間と結ばれた罰か死んだあの子が恨んで…」
「ローゼ…そんなっ…」
ローゼは機の上に無造作に置かれたものを見て…
「ユリウス…やっぱり私以外のに産んで貰った方が…こんなにユリウスに手紙が來てるわ…ユリウスカッコいいから…モテモテ…」
「バカなことを!僕はローゼしかいない!呪いに罰?恨み?そんなこと知るもんか!他のにも興味ないさ!」
と言い合っていると部屋の扉をノックされて従者が兄上とお義姉様と甥っ子のヴィルが來たと言う。ヴィルは2歳だがかなり聡明な子であると僕は思う。何か子供であることを演技している気がして探りをれてみたらやはりこの子は2歳だと言うのに大人顔負けの天才児ということが判明した。クラウディアお義姉様には緒らしいので僕も黙っていることにした。
お義姉様のお腹は大きくローゼは
「早く産まれてこないかな?」
とお腹をでていた。僕は顔に出さずにローゼがどんな気持ちだろうと辛くなる。兄上とヴィルは心が読めるから制して隠した。
ヴィルは僕にいつも羨の眼差しを向ける。
「ユリウス叔父上…いつもカッコいいです!!」
「うん?ありがとうヴィル…」
と頭をでてやるとヴィルは気持ちよさそうにする…。死んだあの子の為にも僕にもローゼとの子ができたらと…思う。
兄上はそんな僕を見てローゼとヴィルとお義姉様が庭で遊んでる時に提案した。
「ユリウス…子供が出來ないこと悩んでるんじゃないか?」
「………兄上…僕…ちゃんとローゼをしてます!」
「え?ああ、だろうな…つか惚気んなよ!…あのさ…そしたら養子とかどう?」
「養子……」
かつてはローゼも僕がハニッシュ伯爵夫妻に養子として預けた。ハニッシュ夫妻も子供が出來なかったからだ。同じ道を辿れと?
「ユリウス…もちろん諦めんじゃねえ!お前にもきっと子供は出來るさ!だが、ローゼちゃんが苦しんでるだろ?お前達に覚悟あるのなら…親のいない可哀想な子を1人くらい引き取ってやってもいいだろう…お前はずっと孤児院建設にも攜わっているしな」
「………判ってます。ローゼと話をしてみます…」
と兄上とヴィルやお義姉様が帰った後、養子を取るかローゼと話合いをしてローゼは
「ユリウス…それでいい。男の子を貰いましょう?私本當の子供のように育てるわ…」
「…もちろん僕もだよローゼ。君との子供も諦めてない!死んだあの子の為にも一緒に家族を作ろう!」
ローゼはうなづく。僕たちは寄り添い、これからのことを考えてまず、王都にある孤児院の一つグランドラ孤児院を訪問し、つい先日両親が野黨に襲われて死んでしまい育てるアテのない赤子が孤児院の玄関に捨てられていたことを聞いた。
赤子には手紙がついており、経緯が記されていた。殺された両親からではもちろんない。
「僕たちこの子の親になろう…ローゼはどう思う?」
「私もそれでいいと思う。ユリウス私の為にありがとう!この子は本當に私達の子だよ。いっぱいそうね」
僕は思った。ブッシュバウムは裕福になったのに貧乏で子供を親戚とは言え放り出す筈はないと…加えてこの子の両親は殺されたと言うのなら…関係のもつれの末両親は殺害されたか親戚が育てるのがただ面倒だったか、それとも両親…なくとも父親か母親は生きていての人との間に子供が出來てしまい鬱陶しくて殺した。
「そうなるとやはり貴族の闇だね…クラリアンにまだそんな貴族がいるかもしれない…悪い雑草は摘み取らなくては花の養分まで吸われてしまうな…」
そしてこの後、調べるとやはり想像通り貴族の親が絡んでいてそれを隠す為に産まれたと同時に小細工の手紙をつけて孤児院に置き逃げしたのだ。
もちろんそんなことは可い妻のローゼには言えない。ショックをけるだろうから。
その貴族にはこれから相応の罰を與えるし。
そしてヨーナスと名付けたその子を養子に迎える。髪は薄い茶だから誰が見ても本當の子ではないと思うけど僕たちは一生懸命に育てると決めた。
その後お義姉様も出産しヴィルの妹となるステファニーが誕生した。ステファニーと同年代になるヨーナス。この子達の為にも學院の建設などを整えて未來に育つ子供達の學び舎を作る。分関係のない學院を。
ヨーナスがし大きくなり心つくようになると流石に自分と両親の髪や瞳のが違うことに気付いてしまったのか無口な子になった。顔面は張で元からいつも強張っていて、見る人から見たら怖がられるだろうか?
しかしヴィルはい頃からそれを理解して僕に
「叔父上…俺にはちゃんとローゼおば様や叔父上…ヨーナスはきちんと家族ですのでご心配なさらないようにお願いします」
とこっそりめた。ヴィルは出來た子だな。兄上は時々僕に
「ヴィルの野郎!ディアにはスッゲー子供らしく振る舞うのに俺には冷たいんだ。反抗期早すぎないか?」
とボヤいていた。
それでも僕らはを持ちヨーナスを育てて、ヨーナスは何も言わないけどし寂しい目をしている。
僕とローゼはヨーナスに全てを話した。
「ヨーナス…貴方は私達の子よ?例えの繋がりなど無くても!それじゃダメかしら?」
ぶんぶんとヨーナスは首を振る。
ただ、か細く…
「俺を見捨てないで…」
と呟き、ローゼと僕はヨーナスを抱きしめた。この子がいつも不安に思っているのを判っている。大切にすればするほどに。
それから時が過ぎて兄上の息子のヴィルが13の誕生日を迎えたその日…とうとう待のローゼと僕の子供が再び産まれた。
僕も泣き、ヨーナスも赤ちゃんを見て泣いた。
「僕のおとうと…」
が繋がっていようがいまいが確かに僕たちは家族なんだ。
集まった親戚達はそれを溫かく見守ってくれた。
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