《婚約破棄予定と言われたので明になって見たら婚約者の本を知り悩んでいます》夜の學園(ニルス)

カミラ様から言われた期限は3日。それまでにキルシュ家の家紋を探さなくてはならない!

因みに家紋はブルードラゴンの絵柄になっている。うちはフェニックスの家紋なのだが。

「3日だけ時間をあげるわ。それまでに見つけて持って來られなかったら…妹の婚約は無かった事に!」

とイサベルと顔や容姿は似ているが格は正反対のカミラ様はおはほほと笑い、婚約者のキースさんの腕を取り余裕で立ち去った。3日で見つけ出せとか鬼かと思った。

「……ああ…お姉様…どうして…」

イサベルはショックで倒れそうだ。

「大丈夫だ!必ず見つけ出す!」

「で、でもヒントすら無いのです」

とイサベルはもはや諦めが顔に浮かんでいる。俺はイサベルの顔をつまむ。

「お前そんなに俺と婚約破棄したいのか?諦めが早すぎる!!まだ探しても無いうちから!」

とムニムニすると

「ふにっ…でででも…ニルス様…あの広大なラーデマッハ學園のどこかに指一つ探すのなんて無理ですわ!どう考えても!」

と泣きそうになる。

「泣くなよ?お前が泣いたら俺はカミラ様に怒られるんだからな?」

「そうそう、ニルス様と婚約破棄になったらクリストフ王子がウキウキして婚約の申しれをしてくるでしょうね!!」

と護衛のハンが橫から口を出した。

「とにかく…時間が惜しいから俺は今から學園に行き探して來る!お前も付き合えよハン!」

と言うとハンは青ざめた。

「そ、そんな!休日なのに!!これからサラさんを食事におうと思っていたのに!」

「黙れ、行くぞ!」

とイサベルに挨拶し侯爵家から出ようとするとイサベルは俺の腕の裾を持ち

「私も手伝います!!」

と言い出した!

「いや、ダメだ!イサベルは…。これから夜になるし暗くなるぞ?」

「大丈夫です!急いで料理長にサンドイッチを頼みますからし待っていてください!サラにも聲をかけてきますわ」

「え?やったあ!!」

とハンが呑気に嬉しがった!

「……すまない…」

と言うとイサベルは

「気にしないでください。お姉様が全部悪いのです。大切な家紋の指を隠すなど…」

と言った。

ハンはサラに聲をかけるため部屋から出て行き今は二人だったので素早く俺はイサベルを抱きしめて背中をポンポンと安心させるように軽くった。

「心配するな。必ず見つける…。婚約破棄はしない。俺のことをしぐらい信じてくれ」

と言うとイサベルは目に涙を浮かべてうなづいた。

「はい…必ず見つけましょう…。わ、私ニルス様意外と結婚は嫌ですから!」

と可い事を言い心臓がバクンとした!

「ああ…俺だってイサベル意外と結婚する予定はないからな……」

と見つめ合い顔が近づいた所でバンと扉が開きカミラ様が怒り顔で

「さっさと行ったら?可い妹に手出ししてる暇があるなんて余裕ね!?」

と言われ慌てて離れる。

「では、失禮します!」

と頭を下げて行こうとする。イサベルも付いてくる。

「イサベル!貴方も行くの?」

「はい!これだけは譲れませんわ!お姉様が何と言おうと!私はニルス様の事を諦めませんわ!」

さっき諦めようとしてた癖に……。

しかしイサベルの方から俺の腕を取りヒシッとしがみついた。

うぐ!可いっ!と言うかが當たって…。

あああ!

…とダメだ!ニヤついては!カミラ様の前だぞ!?

と気を引き締めた。

のサラさんやハンが戻ってきて手には夕食のバスケットを持ち、

「では參りましょう!カミラ様失禮します!」

と俺たちは馬車に乗り込み真っ暗なラーデマッハ學園へと向かった。

馬車の中で夕食を皆でしつまんだ。

道中ハンが

「ふふふ、夜のラーデマッハ學園なんて何があるかわかりませんね?怖かったらどうぞしがみ付いてください!サラさん!!」

とアプローチしていた。

そう言えば昔から學園にはどこでも怖い噂話が広まっている。トイレに篭っていたら引きずり込まれるとか、その手の怪談はゴロゴロある。

馬車が付き暗い學園の門にやってくる。警備兵に探しがあるのでれてくれと頼み込み、生徒會の権限で何とかれてもらった。

ランプを持ち暗い廊下を歩いていると不安なのかイサベルは

「ニルス様…あの……別れて探した方が効率はいいですよね…?」

と震えながら言う。

「ああ!サラさん!俺たちは向こうに行きましょう!ではニルス様また!月が真上に登る頃…門でまた落ち合いましょう!」

とハンとサラは行ってしまう。

「わ、私も他を探さないと…」

と言いつつもガクガクと震えている。

「イサベル…お前やはり怖いのがダメなんじゃないか?」

「え?そ、それは…見たことのないものが苦手で…」

と言う。俺は手を差し出す。

「一緒に探そう…。お前一人には出來ない」

と言うとイサベルはガシっと手を摑み

「は、はい!!私……ほ、本當は!不安で!!」

と言うから俺はまたもやときめいてしまうじゃないか!!こんなのずるいだろ。可い過ぎ罪だ。

とにかくしっかりと手を繋いだ。イサベルはを震わせ俺に近寄る。近過ぎ罪!

「あ、案外と怖がりだなイサベル……」

「ニルス様は怖くないのですか?」

「怖くない!ま、まぁなんか出たら俺が守る」

と言うとイサベルはキラキラと蒼の目を輝かせて

「まぁ!ニルス様!素敵です!頼りにしています!」

と言われて赤くなる。頼られた。嬉しい!いや、指を探さないと!しかし嬉しい。

「じゃ…とととりあえず図書室から調べるか」

と俺は必死に理を保ち図書室へと向かった。

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