《ひざまずけ、禮》第1章51話 不戦勝エンド?()

前略、ボールの音出してたやつにバレました。

この場でどうこうするのもあれだし、かといって逃げ出せるような狀況でもないため、とりあえずこの子の話を聞いてみることにした。話し合いで解決出來れば、それが一番だし。

比影「さて・・・と。君は、この辺に住んでるの?」

??「うん!そこのアパート!」

比影「そっか・・・いくつ?」

??「えっとね、5歳!稚園の年長さんなんだ。僕ね、ひらがな書けるよ!すごいでしょ!」

比影「ひらがなが書けるの?凄いじゃん!」ナデナデ

??「えへへ・・・」

うーむ、見るからにふっつーの稚園児って所だね。・・・あ、一応言っておくと男の子ね。

まずは、しずつこの子のことを掘り下げていかないと・・・報収集のためにもね。

比影「君、ここには1人?お母さんは一緒じゃないの?」

園児「えっとね、ママはお仕事に行ってるの。パパはなんかね、『たんしんふにん』ってやつなんだって!だから僕1人だよ!」

比影「そっかぁ・・・寂しくない?」

園児「帰ってきたらいーーっぱいお話できるもん!それに、ボールも買ってもらったんだ!だから寂しくないよ!」

比影「そっかそっか。」

なんていうか、その・・・こうしていると、僕めっちゃ怪しいヤツじゃない?不振者じゃない?ある意味怖いんですが。あとで訴えられたりしないよね・・・?

今のところ、これといって変な點は見けられない。ただ単に、この世界に巻き込まれた子ってことなのか?ともかく、もうし話してみよう。

比影「おにいさん、たまたまこの辺を通り掛かって、ラジコンで遊んでたんだけどさ、ここやけに夕日が赤くないかい?」

園児「うん・・・なんか不気味。でもね、もうししたらお母さんが帰ってくるから、大丈夫!」

比影「・・・強い子だね、君は。」ナデ

この時點で僕は、この子はただ巻き込まれただけの子だと斷定した。できることならここから出してあげたい。

でもどうすれば・・・と、ここで僕に括り付けられた縄がクイクイっと引っ張られた。そろそろ戻って來いってことか。

まだ今日は化けに出會えてないし、あんまり収穫はないけど・・・とりあえずこの子の事が知れただけでもいいかな。

・・・ん?いや待てよ、そうか!この手があった!

比影「そろそろお母さんが帰ってくるなら、家にいた方がいいんじゃないかな。そのほうが、お母さんも安心できるんじゃない?」

園児「えー・・・もっとおにいちゃんと遊びたいよー・・・」

比影「今度一緒に遊ぼうよ。おにいさんのお友達も連れてくるから、ね?」

園児「むー・・・わかった。」

比影「よし、じゃあ行こっか。」

僕はその子と手を繋ぐ。こういう巻き込まれるような子が居ないように、これからも頑張っていかなければ。

そして、紅き街との境界線付近。

比影「たしかこの辺が境界線だったな・・・君、し目を瞑ってた方が・・・」

そう言いながら振り向いた時・・・違和じた。あの子に、さっきまでの笑顔がない。それどころか、苦悩の表を浮かべているようにも見えた。

比影「えちょ、大丈夫!?」

そういって、支えようとした瞬間・・・僕は橫に吹き飛ばされた。否、橫から何者かによって蹴り飛ばされたのだ。

・・・まぁ、何となく予想は著いているかもしれないが。

園児?「気安くるな、人間の分際で」

比影「・・・え、え?」

僕を蹴り飛ばしたのは、他の誰でもない、園児だった。

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