《ひざまずけ、禮》第1章54話 二兎を得るために

次の日の放課後、僕達は著々と準備を進めていた。

昨日のことで、どんな方法で退治するのがいのか、佐和さんと話し合った。あの子のためにも、みんなのためにも、僕たちが出した結論は・・・

比影「これでよし、っと。佐和さん、そっちの準備は?」

佐和「こっちもOK!これなら、あの子を化けからきっと救えるよ!」

化けからアイツを引き剝がして、奴を排除する。あの後結局、潔く諦めるよりも、慘めでもなんでも抗う方が、なんぼかいいとなったのだ。

レア様にも聞いて、引き剝がす方法があることはわかった。あとはそれを実行して、奴を消滅させれば、もしかすると・・・。

佐和「・・・なんか、いつもよりも張するね。」

比影「そう、だね。・・・絶対勝たなきゃ。」

僕たちはレア様からの報告を待ちながら、張を和らげるように、佐和さんと話をしたのだった。

レア様から連絡があり、同じ場所に発生したとのことだった。既に戦闘態勢、準備萬端だったぼくたちは、早速現地へと赴いた。

比影「・・・いよいよ、だね。」

佐和「ええ・・・」

迫した雰囲気の中、僕たちはそう呟いた。傍から見ればただの団地に佇む2人組という所だろうが、その本質はんな人の思いを背負った戦いであることなど、知る由もないだろう。

僕たちはお互いに頷き、紅き街へと突していった。

辺りの景が、赤黒いものへと変化を遂げる。紅き街へとった証拠であり、同時にこの場所が紅き街へと侵食されているという証拠でもある。

??「あ、お兄ちゃん!また來てくれたんだね!」

そんな、無邪気な聲がした。聲の方には、ボールを片手に笑顔が眩しい子供の姿があった。前は奧の方でボールで遊んでいたのだが、今回は口付近にいたようだ。

比影「こんにちは。今日はお兄さんのお友達を連れてきたんだ。」

佐和「こんにちは!」

園児「こんにちはお姉ちゃん!ねね、遊ぼ遊ぼ!僕ね、すごい遊びを思いついたの!」グイグイ

佐和「あはは、元気いっぱいだねぇ。」

佐和さんはその子に手を引かれる。こんな微笑ましい景が、ずっと続いたらどれだけ良いものか・・・そう思った瞬間、ある異変に気がついた。

あれだけ笑顔の年の、目が笑っていない。むしろ、あの目は─

園児「ここで、お姉ちゃんあっち向いてて!」

佐和「わかったけど、遊びってどんな?」

園児「ふふ、それはね・・・」

園児?「お姉ちゃんが苦しむ遊びだよ」

比影「佐和さんふせてっ!」

佐和「え、はっ!」スッ

間一髪だったが、佐和さんは避けることに功した。佐和さんの頭上を棒のようなものが通過する。

園児?「ちっ・・・邪魔がったか。」

比影「その子にりすまして、僕らを狩りに來るとはね・・・中々ゲスな事をしてくれるなぁおい!」

園児?「ゲスだぁ?これが俺らの仕事なんだよ。俺にとっちゃあ、これが正義ってもんだ。」

先程までの笑顔はどこへやら、その子の顔は、ギラついた表へと変化した。

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